NMNとテロメア | etan-guitarsのブログ

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月水木は空港職員、金土はホームヘルパー兼ベビーシッター、火曜と日曜はエレキギターの製作をしております

 前回に引続き老化防止の成分について。


 皮膚も内蔵も細胞が集まってできてるわけですが、この細胞が劣化してくることが老化という症状です。細胞の老化はどうして起きるかというと、傷付いた細胞が自己修復したり、新しい細胞に置き代われるように自死(アポトーシス)する機能が働かなくなって、ボロボロに傷んだ細胞が居残ってしまう事が一因です。


 細胞自体が萎びて小さくなり、保水効果を持つ角質間物質も減り、肌は乾燥し、体積の減った部分は弾力も無く、凸凹ができたりクレバスのようにシワができたり…。


 この機能不全は、細胞中の遺伝子の損傷によって起きます。遺伝子は捻れた2本の紐のような形をしていますが、一方の端は特殊な形で、それら2本を纏めています。この端っこの部分をテロメアといい、ここの損傷が累積すると細胞は分裂(更新)しなくなります。


 細胞分裂の際にテロメアが傷付くこともあり、一昔前には、細胞の分割の度にテロメアが千切れて短くなるのは、生まれながらに細胞の分割回数が決まっているからだと考えられていました。


 しかし遺伝子の研究が進むと、ある条件が満たされるとテロメアが修復されることがわかりました。千切れて短くなったテロメアを修理して伸ばすのはテロメラーゼという酵素で、この酵素が活性化するとテロメアが伸び始めるのです。


 本来テロメラーゼはミトコンドリアと協働して糖からエネルギーを生み出す働きをします。それが活性化するのはどんな条件かと言うと、飢餓や極度の疲労で身体に力が入らず、危険な状態になった時。つまりエネルギー不足で危険な状況になると、非常事態で最後のエネルギーを絞り出すためにサーチュイン遺伝子の1番と6番がONになり、テロメラーゼに出動指示を出すことが分ってきました。


 長寿遺伝子を活性化するのに、常に飢餓状態でいるわけにもいきませんよね(笑) そしてレスベラトロールのような補酵素がサーチュインスイッチを入れる事が発見され、遺伝ではなく食生活によっても長寿化できる可能性がでてきました。


 同時に、細胞分裂以外でテロメアが損傷を受ける条件も分かってきました。喫煙、紫外線、過度の飲酒、ストレスなどがテロメアを傷つける=老化を進めることがハッキリしてきました。こうした生活習慣を見直せば、誰もが健康で美しく長生きできるチャンスがあります。


 現在、最も期待されている物質がNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)です。7つあるサーチュインがONになるにはNADが必要なことが分かっています。しかし、NADはレスベラトロールと同様に腸管からは吸収されにくく、ほとんどが腸内細菌に食べられてしまいます。したがって、NADを利用するにはレスベラと同じく毎日点滴しなければなりません(^_^;


 そこで登場するのがNMN。NMNはNADの前駆物質で、体内酵素で必要量のNADがNMNからつくり出されます。腸管からの吸収率も5%近くあるので、サプリメントとして継続して服用すれば、長期的には一定の効果が見込めるでしょう。


 で、皮膚を作る細胞が生まれるのは毛細血管周辺。コラーゲンやエラスチンも毛細血管周辺で製造が始まり、配置位置に移動する頃には完成してる感じです。細胞内で生産されるNADも、NMNを毛細血管の深さまで浸透させられれば、スポット的に若返りを強力に進められるはず。


 ビタミンC誘導体も同じで、シミやくすみの位置の直下の毛細血管まで届けられれば… どのくらいの分子量で、どういう成分を、どんなツールで浸透させられるか、などなど化粧品もパッシブな保護膜つくりから、アクティブな細胞作りまで、どんどん進化をしています。


※ちょっと触れた細胞の自死(アポトーシスと言います)とバストアップの関係についても書いておきたいので、あと一回くらい美容の話が続きそう