ヒトに見えるもの、見えないもの | 秋色コスモの 機械式時計と趣味のブログ

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1603の半端ないツヤ。

このDJギルトを見る時、


決まって取り出すのが14270初期個体。


フラットなサファイアクリスタルなので


どうしても光が反射してうまく撮れないが

こちらもラッカー調でツヤがあり、


そこそこギルトっぽい。5513縁ありの


ダイアルと質感は似ていると思っている。


この二本。生まれた時代も20年程差はあるが

赤の他人とは思えぬサイズ感と色ツヤ。




1603下地出しテキストはレター表面が均一。

一方、14270は塗料を厚塗りしたような

凸凹感あり。ダウンライト下だと1603同様


金字に見えてしまうが、蛍光灯下では


本来のシルバーだ。クラウンマークにも

ROLEX のロゴにも厚塗りの痕跡が。


一見白に見えるが、よく見るとシルバー。


インデックスも。遠くからぱっと見では


まずわからぬ細かい仕様の違い。思うに、


トロピカルダイアルだって所詮はそんなもん。


遠くからぱっと見ではわからん。


ましてや、時計素人の赤の他人が


いきなり見てもわかるわきゃーない。


そんなのをハメるのは自己満足以外の


何モノでもない。だから、


ヒトと違うスイッチが入って、


ヒトには見えないものを見ている


と本人は本気で思っているが、その反面、


ヒトに見える常識が見えなくなっている

(フツーそういうモノにそんな大枚は叩かないという常識)


とも解釈できる。




だから、数字の中が黒いというだけの、


時計の機能からしたら役立たずの

最悪に近いものに大枚を叩くなど、


常識からするとよほど外れている。


これもそうだ。いくら滑らかなツヤだから


と言って、たかだかそんなもんに

ノーマルの倍以上出すなんてクレージーだ。




だが‥‥、このツヤと滑らかさ‥‥


まるで島田市清水屋の黒大奴の

羊羹コーティングみたいだな、


そんなことに子供のように無邪気になり


まるで世の中がひっくり返るぐらいの


喜びを感じる。ただのバカだ。

ヒトに見える常識が見えなくなっている


という境地とは、これすなわち、


常識あるヒトには見えないもの


つまるところ


ヒトには見えないものを見ている


と、禅問答みたいにケムに巻いて


妙な満足感を得ている。


こんなことを考えさせてくれるこの二本。


やはり好きなのであって‥‥。