44KSについて | 秋色コスモの 機械式時計と趣味のブログ

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4402-8000。俗に言う44KSについて、

あれこれインプレを。




ダイアル色は、ともにシルバーと括られる。


しかし、57GSはサンレイだが光沢がない。

一方、44KSはダイアル表面に光沢がある。

こちらは白っぽく、光沢のある分明るく


パテックのオパーレセントっぽい色目。


両者ネット画像の印象も異なるわけだ。


これではGSがシルバー、KSがホワイト

と言われたら信じてしまうだろう。ただ、


ホワイトっぽく見えること自体は


この時計をハメる上で自分にはプラス。




プラ風防の縁はエッジが効いた処理。


だから当然ドームではない。


ロレックス4桁交換用で見慣れた形。


しかし、表面は真っ平らだ。

(ロレックス純正は中央部がほんの少しだけ盛り上がっている)


絶妙なのは狭いベゼル幅から、風防が

ほぼ垂直に立ち上がったかと思うと、

一段折れて急角度のまま上に伸びて

突如エッジを刻んで真っ平らになる。

腕に装着すると、この瓶底みたいな部分の


厚みが、ベゼル幅とほぼ同じに見える。この


風防エッジベゼルの織りなす二重ラインが


ダイアルの輪郭を強烈に浮き立たせ、


見た目のアクセントになる。

風防立ち上がりとベゼルの角度の折り合いが

また絶妙で、ラグの力強くも優雅なラインと

相まってなんとも言えぬ造形。




意外だったのはサイズ。57GSとは


たかが2mmの違いと侮っていたが、


44KSは思った以上に小さい。


ラグの付け根のクビレも手伝ってか、


さながらカラトラバケースの


流麗さがありスマートにさえ見える。


実はケースは57GSと兄弟さながらの


似たイメージを想定していた。つまり


当初はキンクロ初期49999あたりの


武骨さ漂う出立ちを期待していたので、


この点は見事に裏切られた感じ。しかし、


これはこれで方向性が57GSとは


正反対でかえって興味深い。


小振りな手巻きデイトという引き出しが、


これまでの蒐集に存在しなかったので、


ワクワク感はハンパない。




44KSは、初期キンクロや57GSの


アクの強さとは一線を画して


こじんまり、しかし、がっしりまとまった


タイムピース。60年代という時代を考えれば


驚くほど流麗なラインを持っていて、


キンクロからの進化は著しいものがある。


ゴツさがなくしっとり腕元に収まる


という意味では、57GSとまた違って


これぞ究極の普段使いのデイト付手巻き


と言えるのかもしれない。


収まりのよいサイズ感と


スタイリッシュな出立ち。


やはり、白州派はKS派なんかな。