これからいくつかのシリーズに分けて
英検と英語多読について考察してみたいと思います。
その前に
英語多読アカデミアは英検取得を目的したスクールではありません。
そのため、これまであまり積極的に英検については発信してきておりませんでした。
ただ、やはり指標としてどこを目指せばいいのか
目安を知りたいという声を多くいただくようになったので
今回生徒様の記録と共に参考資料を作成した次第です。
データの読み方には注意が必要なので、どうぞ最後までゆっくり読み進めてください。
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英語多読学習で使われる指標としてYL(読みやすさレベル)があります。
こちらがその表なのですが、YL0(ゼロ)のカテゴリには
ORTステージ1ー9までが含まれます。
また、ORTステージ9を高い理解度で読み進められる場合、大体英検3級の力がついているとも言われます。
※レベル0の位置
これを踏まえ生徒様の記録を見ていきましょう
今回は多読プレミアムコースの生徒様、お二人のケースをご紹介します。
生徒A
入会時:小3、英検ジュニアシルバー
単語は読めるものの、改めて英単語読みの練習からスタート
多読記録
1ヵ月目200冊(単語を読む練習+ORTステージ1-3)
2か月目250冊(ORTステージ1-4)
3ヵ月目200冊(ORTステージ1-5)
4ヵ月目300冊(ORTステージ1-7)
5ヵ月目250冊(ORTステージ1-8)
6ヵ月目200冊(ORTステージ3-9)
9ヵ月で100万語、2年で300万語達成
1年で3400冊、 2年で6000冊読破
入会から
2年で英検3級合格( 2年4ヶ月で準2級合格)
※2年6ヵ月経過した現在、YL1-2中心にYL3-4も読む。多読習慣あり
生徒B
入会時:小4、公文英語・簡単な文章を読めるレベル
入会後、ステージ1からスタート
多読記録
1ヵ月目170冊(ORTステージ1-2)
2ヵ月目200冊(ORTステージ1-3)
3ヵ月目180冊(ORTステージ1-5,4メイン)
4ヵ月目210冊(ORTステージ1-7,5メイン)
5ヵ月目160冊(ORTステージ2-9,6-7メイン)
6ヵ月目220冊(ORTステージ1-9,YL1メイン)
7ヵ月目300冊(ORTステージ1-9,YL1-1.4メイン)
8ヵ月目270冊(ORTステージ1-9,YL1-2メイン)
9ヵ月目230冊(ORTステージ1-9,YL1-2メイン)
10ヵ月目110冊(YL2メイン、ORTもときどき)
1年で300万語達成
入会から
7か月で英検3級合格
※1年経過現在、YL1-2中心。多読習慣あり
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さて、この2人のデータを見てどのような傾向が見えてきますか?
まず英語多読で英検取得を成功されるケースにおいて、多読量と強い相関関係があることが見えて来ると思います。
スタート時のレベルが違うので期間は異なりますが、2人とも300万語を読破していますね
300万語がどのくらいか、ピンとくる人は少ないと思いますが、一般的に中高6年間で読む英語量は8万語
受験勉強を頑張った生徒の場合でも10万語程度と言われます。
そう考えるとこの量がいかに多いか理解できるかと思います
読む時間は平均30分、多い日で60分程度。
コマ切れで読む日もありますが、継続することで莫大な読書量につながっていることが見えてきます。
入会初期の様子
次に注目したいのは、英検3級を合格した時点で読んでいた本のレベル。
二人ともORTは終えてYL1~2レベルの本を読んでいましたね。
これくらいの文字量です。
ただ、ここで忘れてはいけないのが「理解度」
過去にも再三お話してきましたが、英語多読において理解度は最重要ポイントです。
ここは本当に盲点で親も気づきにくいんです。
入会時に「うちの子はORTステージ4を読めます」「6を読めます」と言われることも多いのですが
ほとんどのケースで読めていません
機械的に文字を読むことを「読めている」と捉えてしまいがちなんです。
英語多読アカデミアの講師は普段とても優しいですが、ここのアセスメントは非常に厳しいです。
大半の子がレベル修正をされます
英語多読アカデミアでは、低いレベルから理解度を細かくチェックしていき
その子にとって適切な多読量、ステージを微調整しながら読み進めてもらいます。
生徒様の中では、英検3級を目指している子も多いと思うので、まずは上記読書量を目安にしてください。
ただ、YL1にたどり着くまでの期間だけは重要視しないでください。
YL1を高い理解度で読めるまで、半年かかる子もいれば3年かかる子もいます。
急いでもいいことはありません。
その子にとって必要な期間は、確保してあげたいというのが当スクールのスタンスです
※個々の特徴を無視して時間だけ急いだ場合、ドロップアウトのリスクが大きく伴います。
ここは常に講師が肝に銘じている部分なので、おうちの方にもご理解いただければと思います。
さて、次は英検準2級編。こちらも併せてご覧ください