【被爆から81年】広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式 | ☆Dancing the Dream ☆

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2026平和記念式典ライブ配信(日本語)   hiroshima

 

広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式

HIROSHIMA PEACE MEMORIAL CEREMONY

令和 8 年(2026年) 8 月 6 日

August 6, 2026

広 島 市

The City of Hiroshima

https://www.city.hiroshima.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/051/748/20260806.pdf

 

 

平 和 宣 言 

広島市長 松 井 一 實

 

被爆から81年が経過した今、私たちが暮らすこの地球上では、核を脅しの道具に使った軍事侵攻や国際法をないがしろにする大国の横暴な振る舞いが繰り返されています。

また、今年開催されたNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議では、過去 2 回に続き成果文書が不採択となりました。その原因は、他国に責任を転嫁し自国の行動を正当化する為政者の言動にあります。

また、こうした為政者の言動は、NPTが定める義務を無視するに等しく、世界の平和と安定を根底から揺るがすものです。

 

このままでは世界中で不信の連鎖が進み、欲望がむき出しになっていた第二次世界大戦の時代に回帰してしまいます。

核兵器の非人道性を軽視し、自国の繁栄のための武力行使を認めることは、暴力を伴う報復の連鎖を許容し、第三のヒロシマ・ナガサキを作り出すことになりかねません。

 

皆さん、ここで再度、あの惨禍を生き抜いた被爆者の体験に耳を傾けてください。

当時16歳だった女性は優しかった姉のことを振り返ります。まるで骸骨のように皮膚が崩れてなくなり、唇のない口から歯がむき出しになっていた姉の顔は、悪夢のようで信じられなかった。

また、 3 歳で被爆した後に次々と病に襲われ、55歳で白血病を発症し原爆症と診断された女性は、いつも次にどんな病気がくるのかという恐怖と隣り合わせの日々だったといいます。

また、別の当時 9 歳だった男性は、多くの一般人が犠牲になっているロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにし、争いが起きない世界を創るため、自分の中の争いの心を乗り越え、相手の考えを受け入れる気持ちを持ってほしい、とりわけ若い世代には、そのために身近なことから考えてほしいと訴えます。

 

市民社会は、こうした被爆者の声や被爆者の思いを伝承する活動に鼓舞され、核兵器廃絶と平和を願う行動の輪を、国境を越え世代を超えて広げてきました。

しかし、多くの為政者は現実的な対応として核抑止力に依存し続け、暴力を肯定する国際社会が出現し、核兵器のない世界は遠のくばかりです。

戦争の記憶が薄れることで核兵器の使用が容認されかねない時代を生きる私たちは、今改めて、国連を創設し核兵器廃絶を決意した過去の教訓を学び直す必要があります。

そして、一人一人があらゆる暴力を否定し、核兵器廃絶という理想を理想で終わらせない国際社会を創り上げるための行動を起こす必要があります。

 

そこで、若い世代の皆さんに提案があります。

価値観の異なる人々との国境を越えた交流を深めてください。そうすることで、嬉しさや楽しさ、夢や希望を共有することができます。

既に世界の多くの若者が、広島を始め様々な場で被爆の実相を学び、交流を深めています。

皆さんも平和のために日常生活の中でできることを実践し、自らの思いを発信することで、その行動の輪を広げていってください。

こうした取組は、お互いを認め合う平和文化を世界中に根付かせ、核兵器廃絶を国際社会の常識にすることにより、為政者が核抑止力に依存することを認めない環境づくりにつながります。

広島市は、平和首長会議の8,589の加盟都市と連帯し、平和文化を世界中に広め、次の世代に伝える活動を後押しするとともに、「ヒロシマの心」を世界に訴え続けます。

 

世界の為政者の皆さん。市民社会は一日も早い核兵器廃絶を願っています。

いったい、いつまで失望させ続けるのですか。核兵器の使用が人類に壊滅的な被害をもたらすこと、そして核軍縮・不拡散は、多国間で取り組むべき課題であることを十分理解されているはずです。

また、核保有国の為政者の皆さんは、核軍縮に大きな責任を有しているのですから、自ら範を示す必要があることを十分認識されているはずです。

世界の為政者の皆さん。自ら被爆地を訪れ、ヒロシマ・ナガサキの悲劇と真剣に向き合い、被爆者の平和への思いを受け止めてください。

私たち市民社会は、為政者の皆さんが被爆地から核兵器廃絶への決意を世界に発信し、そのための政策を実行することを心から待ち望んでいます。

 

日本政府には、日本国憲法が掲げる崇高な理想を深く自覚し、国際社会において名誉ある地位を占めるための歩みを止めないでいただきたい。

とりわけ、各国との分断や対立が生じかねない厳しい安全保障環境にあるからこそ、国民に犠牲を強いることのないよう、したたかで粘り強い外交に徹する中で、国際社会の平和と安定に向けて貢献し続けることを表明し、実行していただきたい。

そのためにも、まずは今年11月から開催される核兵器禁止条約の再検討会議にオブザーバー参加し、そして、一刻も早く締約国となっていただきたい。

また、平均年齢が86歳を超えた被爆者の支援策については、今なお抱えている様々な苦しみや苦悩に寄り添い、在外被爆者を含めた被爆者援護のあり方を踏まえた上で、その充実を図ることを強く求めます。

 

本日、被爆81周年の平和記念式典に当たり、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、力を尽くすことを誓います。

そして、改めて市民社会に呼び掛けます。

世界中の皆さん、被爆者の切実な思いが込められた「ヒロシマの心」を胸に、共に行動することで世界を変えていきましょう。

 

令和 8 年(2026年) 8 月 6 日

広島市長 松 井 一 實

 

 

 

 

広島県知事 横田美香 

 

 被爆81年を迎えるにあたり、原爆犠牲者の御霊(みたま)に、広島県民を代表して謹んで哀悼の誠(まこと)を捧げます。そして、今なお、苦しみの絶えない被爆者や御遺族の皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

 

 水辺に囲まれた、美しい広島のまち。81年前、原爆投下による凄惨な現実がここにありました。

 強烈な威力は、一瞬にして多くの人々を焼き、建物や生活基盤を破壊し、太陽を遮りました。その年のうちに14万人の方が亡くなり、その後も多くの方々が命を落としました。

 生き延びた被爆者も、受けた傷や放射線による影響、そして心の傷を抱えながら、苦しみ続けておられます。昨年の被爆80年に、「戦争がどんなに悲惨なものか、子供たちにどうしても知ってほしい」と、初めて言葉を絞り出した被爆者。「生き残ったことも地獄」と多くの方々が、語ろうにも語れない体験をされてきました。

 

 被爆者の言葉、そして声にならない思いに、私達は真摯に耳を傾けなければなりません。

 

 核兵器により全ての人を傷つけ、全てのものを破壊することに、何の意味があるのでしょうか。

 

 核抑止力への依存が、今なお、世界の安全保障政策において大きな位置を占めていることに、悲しみと怒りを感じざるを得ません。核による脅し、先制攻撃も厭わない考え方、それによる核武装の強化が核兵器使用のリスクを高めています。核抑止は核兵器を使用することを前提にしない限り成り立たず、各国の不信や軍拡競争を助長し、世界を不安定化させるという根本的な矛盾をはらんでいます。核抑止力を求めること自体が新たな戦争を引き起こしている現実を直視し、核抑止から脱却すべきです。

 

 人は皆、平和に安全に生きたい。その願いは人類共通のものです。私たちは対立を超えて助け合い、共に豊かになる道を歩むことはできないのでしょうか。

 

 ある被爆者は「終戦直後、あのときほど人々の優しさ、温かさを感じたことはありません」と語っています。

 原爆投下直後から、救援のために多くの人々が広島市内に入り、自ら被爆しながらも廃墟の中にあって、失われた命や九死に一生を得た人々に寄り添い支えました。人間同士が支え合う精神が信頼と希望の灯を点し、復興を前に進め、今のこの広島があります。

 

 今、世界に求められているのも、対立や暴力ではなく、信頼と協力によって平和を築いていく、この精神です。

 不信と憎悪を乗り越え、国家間だけでなく、人と人とのつながりにより、対話と協力による安全保障を実現し、誰もが人間らしく暮らしていける世界を築いていくために、世界のあらゆる叡智を集めなくてはなりません。

 今年亡くなられた被爆者・森重昭さんは、「原爆の悲劇に国境はない」と訴えられました。核兵器が傷つけるのは、特定の国民ではありません。そこに生きるすべての人々、そして未来の世代までも深く傷つけます。

 

 人類と核兵器は、共存できません。

 核兵器を無意味なものに変える行動を世界のリーダーに、そして世界の皆さんに求めます。

 核兵器を廃絶するために、共に行動していきましょう。広島県は、これからも被爆地の声を世界に届け、核兵器のない平和な世界の実現に向けて行動し続けていく事をここにお誓い申し上げ、平和へのメッセージといたします。

 

令和8年(2026年)8月6日

広島県知事 横 田 美 香