公益通報者保護法が定める公益通報は、刑法など一部の法律で定められた罰則規定がある犯罪行為などに関する通報が対象となる。
そのため、第三者委は、
①局長の公用PCの中身の立花への情報漏洩も、
②文春への情報提供も、
この要件を満たさないとして、公益通報に該当しないと結論づけたという。
文春への情報提供が公益通報でないわけないじゃないの。
【LIVE】第三者委が会見 斎藤知事めぐるN党・立花氏らへの情報漏えい疑惑 漏えい経路は特定至らずも「県職員の可能性極めて高い」 兵庫県は刑事告発
朝日新聞 2025年5月13日
兵庫県の内部告発文書問題で、告発者の元西播磨県民局長(故人)の公用パソコンの中身とされる画像がSNSで拡散されたことを受け、情報漏洩(ろうえい)の経緯などを調べた県の第三者調査委員会は13日、調査結果の一部を公表した。誰が漏洩したかは特定に至らなかった。県は同日、容疑者不詳のまま地方公務員法違反(守秘義務違反)容疑で県警に告発状を提出した。
県は第三者委に対し、県が告発者を元県民局長だと特定した過程などを報じた「週刊文春電子版」の記事についても調査を依頼していた。県はこの件についても、容疑者不詳のまま同法違反容疑で県警に告発状を出した。県警は今後、受理するかどうかを判断する。
週刊文春電子版の記事を調査対象としたことに、県議会や有識者から「報道の自由への理解を欠く」などと批判が上がっていた。県の担当者はこの日の会見で「県職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。報道の自由に圧力をかける趣旨ではないが、県として秘密の漏洩を放置しておけない」と説明した。
第三者委は、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏らが昨年11月29日以降、元県民局長の公用パソコンに保存されていた私的情報とされるデータをSNSに投稿し、拡散されたことをきっかけに、斎藤元彦知事が設置を表明。今年1月に設置された。
報告書によると、調査対象は
①昨年8~9月に週刊文春電子版が配信した記事6本と
②元県民局長の私的情報を示したとされる同年11~12月のSNS投稿や動画計4件。
第三者委はまず、調査対象とした投稿や記事が、県が保有している情報と同じものだと内容などから確認した。その上で、今回の情報流出が「公益通報」に当たるかどうかを検討した。公益通報者保護法が公益通報の通報者に対する不利益な取り扱いを禁じているためだ。同法が定める公益通報は、刑法など一部の法律で定められた罰則規定がある犯罪行為などに関する通報が対象となる。
第三者委は、①も②もこの要件を満たさないとして、公益通報に該当しないと結論づけた。
その上で、関連する職員らのパソコン操作やメールの履歴などを調査。セキュリティーシステムに脆弱(ぜいじゃく)性があり、誰から情報が漏洩したかは複数の可能性があり、特定できなかったとした。
一方で、システムの問題点にまだ十分に対応できていないとして、改善策が実施された後に詳しい調査結果を公表するとした。
「刑事告発はナンセンス。知る権利を脅かす恐れ」
鈴木秀美・国士舘大学特任教授(メディア法)の話 公務員は、職務上知り得た秘密には守秘義務がある。県は、公益通報に当たらない限り守秘義務違反は許さないという強い姿勢を示すために刑事告発という形を取ったのだろう。
だが、県の対応は週刊文春など報道機関側の情報源を探るような行為で、取材・報道の自由に抵触する。県警の捜査で誰が情報をもらしたのかはわかる可能性は低く、その意味で、県の刑事告発はナンセンスだと言える。
県が守秘義務違反を絶対に許さないという強い姿勢を示したことで、本来は県民に広く知らせるべき情報を報道機関に提供するのをためらう人が出てくるだろう。国民の知る権利が脅かされる恐れがある。
「文春への情報提供、正当な内部告発では」
公益通報者保護法に詳しい奥山俊宏・上智大教授の話 公益通報者保護法の対象である法律違反についての通報に該当しないため、調査した情報提供がいずれも公益通報に当たらないという第三者委の結論は、その通りだと思う。
ただし、元副知事らによる元西播磨県民局長への事情聴取の記録を週刊文春へ提供したことは、公益通報者保護法ではなく懲戒権濫用(らんよう)(職員が懲戒処分されても、社会通念上相当と認められない場合などは無効とされること)などの労働法制の一般法理に基づいて、通報者が法的に保護されるべき正当な内部告発にみえる。
一方、立花孝志氏らへの情報提供については、「秘密」として保護されるべき元県民局長の「私的情報」の漏洩を伴っており、正当な内部告発とは到底いえないと考える。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk32/press/documents/daini.pdf






