ウクライナがロシアの要求を受諾
両国は戦争終結のコースに入った
ロシア国債の返済期限は4月4日
欧米日vsロシアはチキンゲーム大詰め
ウクライナ戦争に関する私見7
烏賀陽弘道氏 note 2022年3月31日時点
https://note.com/ugaya/n/n14cfcb58cd75
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《烏賀陽note学び自分用ノート》
ロシアのウクライナ戦争で達成したい政治的ゴールについて、
プーチンは、次のように発表していた。
①「中立化」(=NATOに加盟しないこと)
②「非軍事化」(=米軍兵力を置かない)
❸ 非ナチ化
ただし、プーチンがマクロンとの電話会談(3月22日)で
「これが実現すれば戦争の目的は達する」と述べたのは、①②である。
ゼレンスキーは、
以下の公開の場で、ロシアの要請①②について「要求をのむ」と述べた。
・3月27日の別々の遠隔地の記者4人とZOOM会見
・3月29日イスタンブールで行われた停戦交渉
まだ口約束の仮契約であり、
ゼレンスキーも「国民投票と議会承認+憲法改正等が必要」と述べる。
ウクライナ憲法一章では「クリミアは不可分のウクライナ領土」と記しているため、
憲法改正せねば、ロシアの要求に応えられないのである。
ロシアにとって3つしかない外洋への出口である不凍港のセバストポリのあるクリミアは譲れない。
プーチンの要求❸の非ナチ化は、ロシア側が妥協し譲った格好になるが、
これは、交渉の際に妥協せざるを得ないウクライナの面子をたてるために加えられたものだろう。
①②の要求が受け入れられ、非武装すれば、ネオナチはただの「民間団体」になるし、政権のロシア敵視政策をひっくり返せば、政権内から反ロシア派は自動的に一掃されるので、あえて停戦の条件に入れる必要はない。
「ウクライナはロシア側にも譲らせた」形を作り花を持たせるための要求項目を用意しておいたのだ。
ロシアは、ウクライナに「NATO(軍事同盟)に加盟する代わりに、EU(経済的および政治的連合)に加盟することを勧めている」という。
ウクライナ戦争は、「Hybrid War(=複合戦)」
「軍事戦」だけでなく、+情報戦 +心理戦 +サイバー戦
さらに、+経済戦という側面が加わってきた。
10年ものロシア国債の返済期限が4月4日に来る。
ロシアは「みなさんの経済制裁のため、わが国はドル建てでの借金のお支払いができないんですよ。でもお金を返す気はあります。だからわが国の通貨ルーブルで払っていいですよね?」と。
実はロシアは2961億ドル分の外貨準備を持っているから20億ドルくらいの返済はできる。
けれども「ルーブルではらっちゃおっかな?」とブラフをかけて脅しているのである。
実はロシアにお金をたくさん貸しているアメリカの金融業界は、ロシア国債をルーブル建てで返されると、ルーブルの価値が10年で3分の1に下がっているので大損だ。
アメリカの金融業界は、ウクライナのためのアメリカ政府のロシアへの経済制裁をやめるよう圧力をかけるだろう。
日米欧が経済制裁から離脱するのが先か、ロシア経済が息切れするのが先かのチキンゲームだ。