「あな」
谷川俊太郎・作
和田誠・絵
ある日曜日、何もすることのないひろしは穴を掘り始めます。
はじめは浅い穴でしたが、掘り進めていくうちだんだんと広くなり、
ひろしがすっぽりと入るほどの大きさになります。
通りがかったお母さんやお父さん、妹が声をかけても、
手の平に豆ができても、
ひろしは穴を掘り続けるのです。
『あな』は谷川俊太郎の物語に、
和田誠が挿絵を描いた絵本です。
「この本の主題はいってみりゃ、
人間の孤独ってことだろうと思うんだな。
ひろしはだれにも手伝ってほしくないし、
穴を何かの目的に使うのもいやなんだ。
しかも何故そうなのか自分でも説明できない。
(中略)誰にでも、自分に似せて自分の穴を掘ることはあると思う、
そしてしばらくの間、
ひとから離れてそこへかくれていたいって気持ちもね。
おとなにそういう心理があるんなら、
子どもにだって似たような心理はあるんじゃないかしら」
〜谷川俊太郎
2019年10月7日、和田誠さん逝去。
私の心には和田誠さんあながある…