【孫崎享氏『日本国の正体』 IWJインタビュー①】「内政は菅官房長官が仕切っている」by孫崎 | ☆Dancing the Dream ☆

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単行本: 384ページ
出版社: 毎日新聞出版 (2019/9/20)


ーーーーーー

孫崎享先生のIWJのインタビューを聞きながら、
いつものように自分用ノートを取っていましたが、
全体で7時間にも及ぶ超ロングインタビューのうち、
取り敢えず、睡魔に襲われたところまで。。。

※IWJのHPの方には、
もしかすると、孫崎先生のインタビューの場合、
オフレコ部分などの編集作業があるのかもしれませんが、
当該インタビューはまだupされていないため、
冒頭部分の公開動画は、また後日、この記事に差し込みます。

能面・蛙(かわず)
                           三途川の川途


驚いたのは…
薄々感じていた事ではありますが…
アホな総理は夫妻で大好きな海外で遊ばせておいて、
「影の総理」と言われてきた人物の力が闇の中で膨らんでいる…?
安倍を天皇のように権威のお飾りにして実権を握りつつあるのは、菅…?

孫崎先生は、
「安倍は外務官僚としか会っていない。=外交しかやっていない」
「安倍は日本の国内統治にもはや関与していない」
「日本の内政を仕切っているのは菅官房長官ということになる」
…と指摘❗️

「もう少し菅官房長官という人物が、
 どのような人生のルートを通って、
 そこからどのような考え方が出てくる人なのか、
 その人が権力構造のトップにいるということを
 もう少し考えた方が良いかもしれない」…と。

ーー

菅官房長官の職務を助ける副官房長官・杉田和博(公安畑 警察官僚)が、
全ての官僚トップとして君臨している。
杉田の部下・北村滋が、NSSの局長となった。
✔️青木理 公安についてhttps://ameblo.jp/et-eo/entry-12278331036.html


そして、山岡俊介さんが、
横浜のIRのカジノ誘致の件で、
9/4の山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事の
一文を読んで衝撃を受けていた。
何故なら、ここで初めて、
菅義偉の現在の〈有力スポンサー〉の名が記されていたからだ。
この人物と菅氏が昵懇であることは既に報じられていたが、
「金のつながり」がはっきりと文字化された訳だ。
✔️アクセスジャーナル 2019.9.04
<記事紹介>「カジノは許さんと菅官房長官を叱る横浜のドン」(『週刊新潮』9月5日号)
https://access-journal.jp/39341

この菅氏の〈有力スポンサー〉という人物は、
細野豪志への裏金5000万の背後にいた人物として報じられていた。
✔️HUNTER
http://hunter-investigate.jp/news/2018/07/-201748164-jc5-2003.html
✔️日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260486

また、この菅氏の〈有力スポンサー〉なる人物の
代理人弁護士の中には、
「福島原発刑事訴訟」東電の元副社長・武黒一郎の弁護士がいる。
元 東京地検特捜部の検事。ヤメ検だ。

さらに、菅氏の〈有力スポンサー〉なる人物は、
山岡さんが徹底追及している、田邊弁護士(アクロディア 大株主) とも
親しい間柄だという。
田邊弁護士の背後の闇というのは、
父親の代に遡ると、ますます暗く深いようだ。
✔️β版どんぶり会計 アクロディア


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岩上安身による元外務省情報局長・孫崎享氏インタビュー」
2019.9.28日号~No.2571号~(2019.9.28 8時00分)



岩上安身氏が橋下に仕掛けられたスラップ訴訟における
末永雅之裁判長の判決が、あまりにも理不尽だった件。
岩上氏は、公益性を鑑みて、控訴を決意しているが…
孫崎先生は、裁判という場所で戦うよりも、
自分の場所で戦う方が良いというご意見。
(孫崎先生だから言える言葉…IWJの初回・動画配信は、
孫崎先生の奥様がカメラマン、孫崎邸で始まった。)


日本の司法に期待しすぎ。
日本の三権分立が崩れたのはいつだと思うか?
それは司法だけじゃなく、民主主義も破壊された事件。

岩上) 伊達判決?

伊達判決よりも前。
今回 調べたが「警察予備隊」の発足。
警察予備隊というのは、朝鮮戦争があり、
米軍が朝鮮に行ったからその代わりとして
米軍基地を守るために作ったと言われている。

警察予備隊であるから、最初は警察が内局的な人事を行った。
その中に後藤田さんが入っている。
後藤田氏が、警察予備隊をどういう意味合いでアメリカが作ったのかを
調べなければいけないと考えて、
それを調べるために、どういう組織、どういう装備なのかを調べた。
人が死んだ時にテイクケアする部署があり、
作った人間分の遺体収容装備があった。
これは、事によると、アメリカは警察予備隊を朝鮮戦争に
駆り出すつもりだなと推測した。

警察予備隊を朝鮮戦争の最前線に出すための組織だという事を
見抜いたのは、後藤田氏であった。
アメリカが、自衛隊などに、何かとイチャモンをつけて来る時には、
必ず、彼らは、自衛隊を海外に持っていくという事を
最終目的にしていると、知っていたのである。

そして、警察予備隊は、「政令」で作った。
国会では審議しない。
憲法は日本国の最高権力は国会だと書いてある。
しかし、警察予備隊を作る時、アメリカのための軍隊を作る時は、
国会の審議をしない。
駐留軍の課長クラスが浅沼稲次郎と社会党党首の鈴木稲三郎を呼び、
もしこれに反対したら占領軍に刃向かう人間だと判断すると言う。
つまり、反逆罪。逮捕するということ。

占領が終わった時に、鈴木稲三郎はこれを憲法違反だと訴える。
これに対して、最高裁は「個別案件が絡まなければ、利害があるかないか
分からない。利害がない限りこれは審議しない」と言って審議しなかった。

軍隊を作ると言って、国会で審議しない。
憲法の最も重要な規範をおかす。
それをおかしいと訴訟した時に、最高裁は審議しない。
裁判所は、スタート時点から全く機能していない。
この裁判をやった最高裁判事が、田中耕太郎。
田中耕太郎は、戦前は東大法学部の学部長。

要するに、戦前、治安維持法などを理論的にバックアップしたのが、
田中耕太郎であり、その人物が、戦後の最高裁の長官になり、
後々、砂川事件 伊達判決で、超約条項をやり、審議できない問題だとした。
統治行為論も出した。

日本の三権分立というものがなくなった、
国会が日本の最高権力であるという憲法を止めた、のは、
警察予備隊の創設の時から始まっている。
警察予備隊は、自衛隊の前身である。
これを、アメリカの米営隊ではなく、第二部隊として使うということ。

当時、死者は、内臓を切り取ったので、
ボディバックが用意されていた。
それが、警察予備隊の人数分用意されていた。

ーーー

だから、岩上氏も狂犬に噛まれたと思って、
控訴しない方がいい。
司法絶望論である。
原発にしても平気で論理のすり替えをするようなところに、
正義がある訳がないではないか。
闘うには、闘う場所があり、
負けるところで闘わない方が良い。
こんな判例を作る訳にはいかない、絶対闘うという岩上氏に、
ますます、「裏打ちをされるよ」と意見する孫崎先生。

孫崎先生と岩上氏は、IWJ黎明期からの
父子のような間柄である。

ーーー

嫌韓報道についてーー

「外交」とは、何が得になり、何が損になるにかが
まず一番である。

日韓の貿易をみると、
日本の方が沢山 輸出している。
両方が縮小したら、どちらが損をするかといえば、
日本が損をする。

日米の摩擦の場合、
どちらが損をするかといえば中国である。
それは中国の輸出が大きいからである。

それと同じで、日韓で貿易戦争が起こったら、
どちらが損をするかというのは、日本。

日産は撤退。ビールは95%くらい売れなくなっている。
ユニクロがダメ。
それで韓国枠がなくなった。

こんなマイナスをなぜ行うのか?
ある経済人とかなり論争したが、
結論は「オレの会社とは関係ないから」…
例えば九州に観光客が来ない。苦しんでいる。
しかし、「関係ない」…
その人間がまた政治に口を出す。
つまり、全体を見る力などない。
そういうレベルなのである。
自分たちだけ良ければいい。

この日韓の関係、戦前の請求権の問題は、
65年、国家間の損害賠償は永久的に完全になくなったと取り決めた。
中国でも同じように国としては請求権はないとしているが、
個人の損害についてどうするか?について、
広島高等裁判所は
「個人の人権を国家間の取り決めで剥奪することはできない」とした。
韓国も、65年の取り決めは国家間のもので、
個人の権利の救済を破棄したのではない。
民事訴訟は行うことができる。
日本も、シベリア抑留の損害賠償を民間でソ連へ、
原爆の損害賠償を民間でアメリカにやるように勧めている。
韓国も同じことをしているだけである。

浅井基文氏という25年外務省に勤務し、条約局にいた方が、
条約のことはよく分かっているが、
100%日本に非があり、100%韓国に理がある、と言っている。
請求権というのは、日本にとってもスタンダードな話だった。
日本がガラっと変わったのは、戦中派がいなくなって
戦後派によって条約の解釈が変わってきたのだとのこと。
しかし、日本は国際人権規約に批准しているので、
それに照らしても、今日の日本政府のやっている事は全くの間違いだと。

宇都宮健児 元日弁連会長も、
これは法律の話なのであるから、
TVなどで論ずるのは、法律の分かっている人たち行うべきだが、
誰も僕のところに聞きに来ないと言っていた。
TVではとんでもない者たちが喋っている。

アメリカもフェイクニュースに侵されていると言われるが、
そうではない側の人たちが頑張っている。
エリザベス・ウォーレンが民主党の候補になる可能性が強い。
これはオッズで見ている。
彼らはお金を賭けてやるので資料をあたりよく知っている。
ウォーレンは父親を心臓麻痺で亡くしレストランで働き、
大企業の強欲によって人々が虐げられていく
破産法の専門家になった。彼女の主張は腰が座っている。

ーーーー

『日本国の正体』
戦略で劣っているにも関わらず、
戦術に秀でているのも日本人特有の傾向。
真珠湾攻撃では米海軍に対する奇襲攻撃を成功させた。
個々の局地戦せは日本軍は極めて優秀だったが、
全体の方針を考える「戦略』で劣っていた。

兵隊と下士官は優秀だが、
将校以上、将軍はまるでダメだった。

山本五十六の真珠湾奇襲攻撃は、
アメリカも予想していなかったが、
それによって日本国民が何100万人も死に、
日本国土が完全に荒廃させた。
敗戦の出発点は真珠湾攻撃なので、
これを素晴らしいと褒めるのは、
非常におかしい。(例えば、百田)

85年 人事院が各省庁の課長を集め課長研修をやったが、
元東洋レーヨン社長だった課長が、なぜ東レが勝ち残ったかを話した。
東レはほぼ全財産デュポンから技術を買い、
それによって世界の繊維企業大手になる。

要は、「何をするか?」は考えていない。デュポンから買っただけ。
トヨタも、「自動車は元からあった」ベンツが作り
量産がフォードが考えた。
オーガニゼーションをやるプラクティスを変える事によって
効率を求める事によって日本はここまできた。

しかし、今は「何をするか?」で勝負がつく時代。
何をするかで競争社会に入った時には、もう日本は全くダメなのだ。
日本人には、ファーウェイの「5Gを作れない」
ファーウェイはアメリカの技術を盗んでいるのではなく、
独自に開発している。
5Gの基本特許はファーウェイであるし、1500ほど持っている。
アメリカのインテルは100ほどである。インテルは5Gの部品納入業者。
圧倒的に中国がアメリカを抜いたということ。

5Gは、医療、通信、エネルギーなどのあらゆる分野を変えていく。
そういう時に日本は、この技術を導入しない事に決めた。
あれほど圧力をかけられているイギリスも5Gを入れる。
ドイツはもちろん入れる。
5Gを入れなければ経済競争に負けるから入れる。

日本の8月の貿易統計で、対中輸出は12%減。
これを中国経済が減産したからだというが、
昨年比から4.5%ほど伸びている。
これは、どこかがおかしいという事を全く考えない。

財務省がいうおかしい事をマスコミは言われたことだけを書く。
ジャーナリストに全く職業意識がなくなってきた。
産経は「中国大崩壊」「韓国大崩壊」の広告を出す。
それで読者は大喜びしているが、日本が大崩壊している。
韓国との関係悪化は、先に述べたとおり、
日本の方が損をする。単純な常識も日本には通用しなくなっている。

海外の日本分析で指摘される通り、
日本はディティールにこだわりがある。
自然描写に長けている…台風が来ればその対応を即座にする…
従順にタッタと動いて行く…それは決まった通りに動く…
「地図」があれば日本人はその通りにやるが、
「地図」そのものを描くことが下手なのだ。
日本の絵には、遠近感がない。立体造形が下手なのだ。

幕末以降に日本に訪れた観察者の外国人は、辺境地に興味をもつような
知的レベルの高い人たちであるということ。
アインシュタインも来た。
ラフカディ・オハーンは『神国日本』で、
1904~5年頃に明治を見て「もうこの国は滅ぶ」と言っている。
根本は、個人が育っていない。民主主義の根本は個人である。
個人が育たなければ文明も育たない。そのうちに潰れる。
日本人は都合の悪い指摘をお蔵に入れる。

戦後、民主主義国家になったけれど、
この国には民主化は根付かない。という。
形だけ民主化したが、
権力によって軍隊の武力で抑えつけたのだから、
軍の抑えつけがなくなったら日本の民主化はなくなる。

一方韓国の方は、キャンドルデモで民衆が溢れかえる事で、
憲法まで書き換えていく。
沖縄のデニー知事が有識者会議を作り、孫崎氏もその一人になった。
アメリカ人が一人入っている(マイケル?氏)が言った。
「今年の1月か2月にアメリカのワシントンで、
日本と韓国に民主主義はあるかという議論をした。
韓国には民主主義が出てきた。日本にはない、というコンセンサスだった」
朝日新聞は会議に出ていたという。だが記事にはならない。

岩上氏は、れいわの三井さんのインタビューをしたが、
ローソンの契約があまりに酷い事を訴えて運動している。
アメリカ本部の人を連れてきて記者会見をし、
その中に大手新聞の記者が記事を書けないことを分かっているから
「今日はフリーランスだ」と名乗ったという。異常な事だ。

「日本にデモクラシーが成長する望みはない」と
言った米国人マーク・ゲイン。
「デモクラシーは日本人の心からの萌え出でたものではなく、
征服者の事務室から発出したものなのだ。
それはデモクラシーではあり得ない。
この国は依然として封建国家で古い構造が打破されない限り、
この国にデモクラシーが成長する望みはない。」p354

p331
「日本はすっかり変わりました。
あなたの身震いするほど嫌がっていた傍若無人なガサツな階級が
とにかく存在しない事になりました。すっかり変わったと言っても、
それは他力による変革で、内からの爆発であなたのようにあんなに
生き生きとした新しい世界を命にかけて自ら望んだ、
そういう自力で得たのではないという事があなたの前では恥ずかしい。」

希望があるという事を言えば、
ソーシャルメディアとは何か?ーー
ソーシャルメディアと人間の生命力を対比して書いた本がある。
その1つの結論は、
「ソーシャルメディアは上からの命令で動いていない」
個人個人が動いている。個々が独立なのであるが、
その独立がソーシャルメディアを作っている。
このソーシャルメディアが力を持ってきているのがアメリカである。
確かに、最早、トランプは上の司令で出てきたわけではない。
トランプはポツリと出てきた。これはソーシャルメディアを背景に出てきた。
ところが、今はそれに対抗する力が出てきたが、
これも上からの司令ではない。
今、トランプの弾劾の動きが出てきたが、議長はずっと弾劾を拒んでいた。
民主党のトップは弾劾しないと言ってきたが、
急進派のコルテスなどは、「弾劾せねば民主主義はない」と。
1人1人が出てきて、民主党の流れを変えた。
アメリカではそういう動きが出てきている。

日本の速度は遅いし、ソーシャルメディアの力もないに等しいが、
必ずソーシャルメディアの力が共有される時代が来るだろう。
そこで戦うのである。戦う場所は自分の場所なのである。

岩上氏の橋下による訴訟の問題について。
「上からの司令に忠誠を誓っている人たち」(裁判官)と
戦ってもしょうがない。〜
「裁判所ではなく、ソーシャルメディアのIWJという自分の場で闘え」
というのが、孫崎アドバイス‼︎

控訴審で100万の経費がかかる。30万を払った方が安い。
心臓にも負担がかかり血圧も上がったが、
これは岩上個人の問題ではなく判決例として確定させるわけにはいかない
公益のためにやらねばならない。というのが岩上の考え。

「つまらん喧嘩はやめろ」と諌める宮沢賢治みたいな孫崎アドバイス。

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「嫌韓」の歴史ーー

日本人はどこから来たのか。
日本人の先祖は様々な地域から来た多様な人々。
その相互の関係は?
彼らは何を生業にしていたか? p60

縄文人は、東日本に住んでいた。
関東、奥羽地方。
(東日本も温暖だった/縄文海進)
九州、西日本に人が少ないのは、阿蘇山の爆破もあり火山灰に覆われた。
九州の先祖は壊滅したと言われている。

弥生時代に、
九州、南関東、瀬戸内にドンと増える。
この増え方は自然増加ではなく、移民である。

岩上) カリフォルニア大学教授(ピューリツァー賞受賞)
ジャレド・ダイアモンド『銃 病原菌 鉄(上下)』からの解説。
なぜ人間は5つの大陸で異なる発展を遂げたのか?
銃を持っている民族、
鉄を持っている民族が強かった。
また病原菌を持って侵略して来るが、
先住民は抗体がなくバタバタと死んだ。
侵入者がその上に文明を築いた。
その人類の血塗られた歴史。

弥生人は、「鉄」と「稲」を持ってきた。
2つの兵器をもっていたと言える。
縄文人の研究は進み、
狩猟だけではなく、植物の栽培をしていた。
青山の丸山遺跡では、巨大な穴があり大きな木を建て、物見櫓にしていた。
定住していた長さが1000軒。京都に匹敵する。
縄文人は文明を築いていた。

しかし、弥生人が持ち込んだ「稲」は、
手間がかかるし育てるのが難しいので、労働集約的になるが、
非常にカロリーが高く、繁殖力が強い。
この稲を持って、主として朝鮮半島からやってきた。
これは朝鮮人だけではない。朝鮮半島も多様な民族で構成されていた。
中国で動乱があると押し出されて来る難民がいる。
それらの人々が、ドドドと押し出されて、
日本にやってきたのが、「弥生人」であり、
そのあとの「古墳人」であったりする。

「倭人」というのは、この境にいた人達であろう。
朝鮮半島の南端(伽耶)にいる人は、後ろから圧迫されると行き場がなく、
海を渡ったところにフロンティア 新開地があればそこへ行く。
しかし、「鉄」が採れない。伽耶では製鉄をしていた。
伽耶からインゴットを持ってきて鋳直すということも分かっている。
伽耶、百済に関心があったのは、「鉄」のためだった。
古代の間は、高い温度で製鉄をするという技術は持てなかったので、
行った先の北九州と伽耶を行き来していた。
伽耶と日本(北九州)は、伽耶が本家、九州が分家的な親戚同士。

谷原和郎(人類学者)が、「日本人二重構造説」を唱えた。
日本には応化縄文人が1万年前から孤立して住んでいた。
半島と列島はくっついたが、寒冷化があったため、
離れてしまい孤立した。
しかし、船の発達などで渡れるようになり、
集中的に弥生人が入ってきて
北九州、瀬戸内を通って、畿内に入った。
同じ中国地方でも、山陽と山陰、四国の太平洋側、
南九州、沖縄の人たちとは、骨や耳垢の違いがある。
さらに東日本の人は違う。
それが弥生系か縄文系かの違いで、骨の形から調べていた。
近年では、DNAで調べられるので、
2種類ではなくもっと多様だと分かっているが、
ほぼこの説が裏付けられた。
混血はしているが、日本人の15%が縄文人で、
残りは朝鮮渡来の弥生人。
もちろん6億年前にアフリカ大陸からの旅をしてきたのであるから、
そのスケールで見れば、オールドカマーが縄文人で、
ニューカマーが朝鮮半島を出口にした弥生人。

ジャレド・ダイアモンドは、
「朝鮮系移民の末裔が今の日本人」と指摘。
「遺伝学者は近代日本人はアイヌ人的縄文人より、
朝鮮に近似する弥生人のほうが圧倒的に大きいとしている。
朝鮮が676年に統一(新羅 右)前、3つの王国(新羅、百済、高句麗)があり、
近代朝鮮は新羅の言語からくる。しかし新羅は日本とは親しくなかった。
(日本は百済と仲が良かった。百済は新羅に滅ぼされるので、
百済の末裔は日本にやってきた。)
初期朝鮮の年代記によれば、異なる王朝は異なる言語を持っていた。
高句麗のわずかにのこされた言葉は
近代朝鮮語よりは古代日本語に近い。」
との論を展開している。(p67)

「神道」の研究者、島根大学教授 井上寛司が、
「柳田邦夫の罪」について述べた。
民俗学の権威であり、同時に有能な官吏だった。
柳田邦夫が、日本人のルーツについて、「南島論」を唱えた。
彼は、「朝鮮」を避けた。
柳田邦夫は朝鮮支配に関する官吏の仕事をしていたからだった。
日清、日露も含めて朝鮮を植民地化していく課程だった時に、
日本人もルーツが日本であるとは言えなかった。

日本の古代史にしても、記紀に「天孫降臨」などの神話が書かれた。
(日本書紀にはその成立の経緯の記載が一切ない)
「天」は海のこと。
歴史の中の昔話というのは、
「水平のものは、簡単に縦のものに話をすり替える」のだという。
「白村江の戦い」(唐 新羅 vs 倭 百済/百済は滅亡。日本は半島進出を断念)で
負けて、自分の親戚である百済は皆 日本に渡ってきた。
唐が日本(倭国)に攻めてくると震え上がり引きこもる。
引きこもった段階で、天武と持統が「歴史書」(古事記)を作ろうと考えて、
神代の巻に「天孫降臨」を持って来る。
負けた「白村江の戦い」についても、
「神功皇后が新羅を訪れただけで新羅が平伏した」と
三韓征伐をしたかのように書いている。

敗戦コンプレックスから、異常に巨大な妄想を作り出す。
天孫降臨、天壌無窮の神勅、神功皇后の三韓征伐。
これが、ずっと現在まで日本人を呪縛している。

しかし、
天皇(現 上皇) 自身は、
「自分の血統は「百済」と関係があるのだ」と言われている。
2001年、明仁天皇が「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると
続日本紀に記されていることに韓国とのゆかりを感じます」と述べた。

これは韓国においては重大な問題で、
「百済」という地は、「全羅道」であり、
韓国では非常に差別されてきた。
「光州事件」が明らかにされなかったのは、
全羅道で起こったことだからである。
民衆蜂起は、全て慶尚道で起こったことだとしていた。

金大中というのは初めて全羅道から出た政治家。
文在寅政権は、その系譜の政権はリベラルで、
同時に、「光州事件」も含めて、
民衆蜂起の革命がいくつかあった中の一つだと、
改憲した憲法に書いている。
歴史的な和解を果たそうとしている。

そのことを日本は報じない。
なぜなら、韓国は民衆が民主主義を作ってきたが、
日本はそうではないということが分かってしまうからだ。

ーーーー

天皇制は、権力が担ぐにはもってこいの制度だった。

万世一系の天皇だと言われ、
天皇が日本を統治したことがない。
例えば平安時代には、文学、宗教的なところで
素晴らしい天皇は出たけれども、統治に携わった天皇はいない。
それから、ずっと基本的には統治しない。

明治になって、天皇を上に置く。
しかし天皇は政策を行わない。
表面上は天皇が行うことになっている政策は、
その下にくるものがやる。
最も問題なのは、天皇の権威によって、
政策に対する追求がされなくなる。
「勅令」として行われた政策に対する責任論がどこにも出てこない。
天皇は神であるから「無答責」。
即ち、「無責任」である。

明治政府は、
天皇制の下に、実際に統治をしている人たちが、
全く責任を問われないシステムを作った。

それは今の日本政府ではないか!
安倍政権は「無答責」状態。
公文書を書き換えようが、
安倍トモに利益を供与しようが、そこに官僚が関わろうが、
事実を曲げようが、全て無罪。

しかも、天皇制は使っていない。
安倍は何様であろうか⁈
安倍は、天皇は蔑ろにし、
アメリカを天皇の位置に据え、アメリカを神と崇めている。

もう一つは、
安倍政権が何か?を見ると、
安倍が日常に合っているのは殆ど外務官僚である。
しかし、日本の政治は外交だけではない。
では、外交以外の政治はいったい誰がやっているのか?
全部、菅官房長官の所へ行く。

原典は調べられないが、
菅は安倍に「外交をやって下さい。あとは私がやりますから」と。
ややこしい人達と安倍は最近会っていない。
日本の国内統治に安倍は、もはや関与していない。
安倍がそこをやると、森友、加計のややこしい問題が出てくる。

例えば、カジノをやる〜 それは責任が問われる問題がある。
そういうものは、安倍はやらない。外交だけやる。
クリーンな外務官僚とだけ仕事をする。
実際の利害が激突するダーティな政治は、
「安倍さんは結構です」と。
それが今、起こっているのではないか⁈

菅官房長官は、昔の内務大臣がもつ権力を強化したような
存在になっているということ。

今の日本の内政を、誰が仕切っているか?
そこを見なければいけない。
色々な問題は、菅官房長官の所へ行く。

そうなると、もう少し菅官房長官という人物が、
どのような人生のルートを通って、
そこからどのような考え方が出てくる人なのか、
その人が権力構造のトップにいるということを
もう少し考えた方が良いかもしれない。

安倍は最悪だが、
安倍が全て仕切っているわけではない。
安倍は国内の官僚と会っていない。

ーーー

戦国時代ーー
中世の日本の伝統的な武士道とは、
高貴なものだったのか?ーー
戦国時代の日本は、
二心と裏切りと、邪悪な残酷の全く下劣な光景であった。
村を制圧し、鼻を削ぎ、耳を切り、残ったものは奴隷として売った。
耳塚などが残っている。
その後、平和な江戸時代を迎えるが、
明治は、戦国時代の残酷さを継承している
この残酷な日本というのは、
そもそもの日本人とは言えないし、一面に過ぎないが、
現代、NHKの大河などで、大和魂とか、武士、新選組が賛美されている。
今、安倍政権の下で、戦前美化が行われている。
国民の7割以上が、嫌韓に傾いているようでは、
在日の人達の人権を守れるのか?

江戸時代ーー
日本人は礼譲の奴隷だった。
従順な日本人は徳川時代にルーツがある。
ケンペル著 『日本誌』〜
「将軍は国の慣例を思うままに制御し、
新しい仕来りに置き換え、国民の行うべき作業を決定したり、
制限したり、人民に報奨を与えて発明を奨励したり、
技術の進歩を図る反面、
見張りを置いて絶えず人民を監視し厳重に取り締まり、
もっぱら従順と勤勉を恭謙を旨とした生活を送らせしめ、
全国を恰も礼譲一点張りの学校に変える力を持つに至った。」

日本が蘭学医として尊敬したケンペルが、
日本は監視社会(五人組など)だったと指摘している。
同調圧力 圧力が故に同調せざるを得ない状況だった。

60年代安保、70年代全共闘の人達にも呼ばれた事があるが、
彼らは徹底的に排除された。
転身して要領よく企業に入った者もいるが、
その時は、完全な転向を求められる。
転校した人間は、極端な右翼になる。

読売の渡辺氏、フジサンケイグループを作った水野氏も共産党だったが、
転向組というのは、転向しないで生き残っている人に、
コンプレックスを抱いて、徹底攻撃をするのである。
東京新聞の長谷川なども同じクチである。

真珠湾攻撃は、
国家的な自殺行為だった。
日本の10倍以上の工業力があるアメリカに対し、
負けることはわかり切っていたのに、
なぜそんな愚かなけつだんをしたのか?

非常に議論が別れる局面の選択のところで、
その意見が主流になるかというと、
日本の縦社会について、中根千枝氏が、
「日本は一番偉い人の意見で決まる」
席次で決まる。
これが日本の一番弱いところ。

日本人と結婚し、渡辺淳一などの著書の翻訳などもしている
中国人女性がいる。彼女は時々、通訳もする。
彼女が言うには、
「どこの国でも偉くなればなるほどIQが高い。
日本人は偉くなればなるほどIQが低くなる。」
メリケルにしても優秀。
乱暴かどうかは別にして、プーチンもエルドアンも頭が切れる。
トランプも頭は回る。
日本ぐらいトップがいい加減な人がいるところはない。
外務省にいた経験上、一度 ひどいトップが出たらあとは総崩れになる。

日産を見れば分かる。
ゴーンを追い出し、これで自浄作用が効くかと思いきや、
それを進めていた人間が、腐っていた。

関西電力も、原発マネーを
会長以下20人がキックバックをもらっていた。
地方公共団体に金をやって、それを自分の方にバックさせるとは、
あまりにも酷すぎる。

文化庁は、あいちトリエンナーレへの
7800万円補助金支給を取りやめにした。
市長はずっとウソを垂れ流していたが、
「表現の自由展」には公金は入っていない。
これだけは寄付金でまかなっている。


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徴兵制は、明治憲法よりも
先に起こっている!

徴兵制は明治2年。
明治憲法はずっとあと。

戦後の明治の国家の本質は、
先制軍事国家。

全体主義的な統治は、徳川幕府よりもひどい。
徳川幕府はまだ藩があった。
明治になり、重要になったのは「軍」と「学校」

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…… つづく。