2018年8月10日 朝日新聞
10日午前10時ごろ、
群馬県の草津白根山付近で県防災ヘリ「はるな」が行方不明になった。
朝日新聞のヘリが同日午後2時25分ごろ、
この付近で墜落したとみられる機体を確認した。
県防災航空隊によると、
同隊の隊員4人と消防職員5人の計9人が搭乗しているという。
県によると、ヘリは隊員4人を乗せて
同日午前9時15分に前橋市の群馬ヘリポートを離陸。
20分後に同県長野原町の西吾妻福祉病院で
吾妻広域消防本部の職員5人を乗せて再び飛び立ち、
新潟、長野との県境の山岳地帯へと向かった。
11日に全線開通する「ぐんま県境稜線(りょうせん)トレイル」を
上空から視察するなどし、
午前10時45分に群馬ヘリポートに戻る予定だったという。
県のホームページによると、
はるなは定員15人で全長17・1メートル(ローター含む)。
群馬県から防災ヘリ業務を請け負う東邦航空(東京)は
10日午後、報道陣の取材に応じ、
墜落したとみられる防災ヘリ「はるな」には、
同社が派遣したパイロットと
整備士の男性2人が搭乗していたことを明らかにした。
同社の土井正志総務部長によると、
県防災航空隊に5~6人を派遣しているという。
飛行目的など、詳細は運航を管理する県が決めており、
詳細はわからないという。
同社を巡っては、
群馬県上野村で昨年11月に起きたヘリ墜落事故で
規定通りの整備が行われていなかったとして、
国土交通省から事業改善命令を受けていた。
この点について、土井部長は「一斉点検整備を全社的に行った。
県の航空隊も通常の耐空検査もしているはずだ」と述べた。
防災ヘリ「はるな」に搭乗していた9人は次の通り(群馬県発表)。
天海(あまがい)紀幸機長(57)
沢口進(すすむ)整備士(60)
小沢訓(さとし)隊長(44)
岡朗大(あきひろ)隊員(38)=以上、群馬県防災航空隊
田村研さん(47)
水出(みずいで)陽介さん(42)
塩原英俊さん(42)
黒岩博さん(42)
蜂須賀雅也さん(43)=以上、吾妻広域消防本部
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墜落現場=群馬県中之条町の山林。標高2307mの横手山の北側。
防災ヘリ「はるな」が飛んでいたエリアを
地図上でチェックしてみた。

※防災ヘリ・はるなが飛んでいたのは、
「横田空域」「自衛隊高高度訓練エリアH」「低高度訓練空域エリア3」が
重なる危険なエリア。(下図 参照)

『ぐんま県境稜線トレイル』
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日本の空は、
日米安保条約と、そのもとに結ばれた日米地位協定にもとづいて、
米軍が支配している。
2018/6/3 「沖縄を再び犠牲にしないために」〜
映画『沖縄スパイ戦史』公開記念トーク
元陸自 レンジャー隊員の〈井筒高雄〉氏が、
これから最も危険な米軍機訓練がおこなわれている場所は、
群馬県の「自衛隊訓練空域 H」だと指摘し、
特に前橋、高崎辺りは危険であり、
このようなことを言うのは住民には申し訳ないが、
墜落、モノが落ちてくるなど何が起こるか判らないので、
関越道はあまり使わない方が良い、
なるべく近寄らない方が賢明だと警告していた。
49:05〜↓)
今年3/27に、米軍司令の元に、
自衛隊を米軍と一体化して運用するために、
朝霞駐屯地に「陸上総隊」を作り、
陸海空共に米軍とコンピューターシステムも一体化し、
これで完全に自衛隊は米軍の下請けとして、
海外に戦争に行く仕組みとなった。
自衛隊は、イージス艦への補給、ヘリコプター夜間空中給油など、
より実戦に近い危険な訓練を求められ、
飛躍的に死傷者が出る率が高くなっているが、
米軍の要請で情報は隠蔽されている。
52:08〜↓)
米軍は、地位協定で定められている「提供空域」以外でも、
日本政府に相談なしに、
住宅密集地であろうが山間部であろうが、
飛びたい放題の訓練を行える。
米軍の管制塔が支配する横田空域(一都8県の空)には、
海兵隊や特殊部隊を運ぶオスプレー「CV22」が配備され、
CV22の訓練場所が、群馬の「エリアH」なのである。
高崎、前橋では、超低空飛行訓練が行われる。
日本の航空法では300m以上だが、
CV22は、90〜60mという超低空飛行訓練を行う。
◇

群馬県の前橋市・渋川市・高崎市など、県中央部に広がる
「自衛隊高高度訓練空域 エリアH」、「低高度訓 練空域 エリア3」…
ここは米軍横田基地が管制する広大な「横田進入管制空域」
(横田エリア・図2=同じく黄色)に重なっている。
羽田空港や成田空港を離発着する民間機は、
この広大な空域を避けることを迫られ、
きわめて過密で危険な飛行を強いられている。
この横田エリアに重なる自衛 隊訓練空域を、
横須賀基地(神奈川県)に配備されている空母艦載機を中心に
米軍が使用し、市街地上空での戦闘訓練をくりひろげている。
前橋市の人口三三万人、高崎市は三七万人、渋川市は八万人。
このような人口密集地上空で戦闘訓練をくりひろげることの異常さは、
説明を要しないだろう。
被害も深刻で、防衛省の記録でも、
米軍機の飛行に関する苦情件数一八六二件
(沖縄を除く三四都道府県、二〇〇七年~二〇一三年)のうち、
七割(一三一三件)が群馬県に集中している。
「こういう事態を放置するわけにはいかない」と、
群馬県や前橋市などの自治体も
市街地上空における米軍機飛行訓練の中止を求めている。
しかし日本政府は、中止させる意志を示していない。

島根県西部と広島県北部の山間地で実施されている米軍機訓練も
この上空に設定されている自衛隊の訓練空域
(高高度訓練空域「エリアQ」と
低高度訓練空域「エリア7」が重なり合っている空域)で
おこなわれている。
しかもこの空域は山口県の米軍岩国基地が航空管制をおこない、
米軍機を優先させる「岩国進入管制空域」
(岩国エリア・図1=黄色の部分)とも重なっている。
岩国エリアは日米地位協定にもとづいて設定され、
島根県沖から愛媛県までの広大な空域を支配している。
民間機はこれを避けて飛行しなければならない。
松山空港(愛媛県)はこの岩国エリア内にあるので、
同空港への離発着は米軍の許可がなければできない。
米軍は岩国エリア内にある自衛隊訓練空域も独占して、
傍若無人な戦闘訓練をおこなっている。