ローレンス・レッシグ教授が、
「大企業からの献金を受けることが政治を腐敗させる」
これを改革する法律が必要だ、という信念から、
9月、民主党候補として大統領選挙に出馬表明したことを
前に書きました。
法学者であるレッシグ教授は、
市民からの献金が目標としていた100万ドルに達したことを受けて、
「The Citizen Equality Act of 2017」という法律を通すことを
大きな目的として出馬しました。
しかし、11月2日、撤退を表明しました。
ネット界のグルとして、
ネット世界で高い知名度を誇るレッシグ教授ですが、
全土には広がりきらなかったいうことです。
民主党指名争いの残るは、ヒラリー、サンダース、オマリーの
争いとなります。
残念ですね。
たしかに、蟻は、人間よりお利口さんかもしれません。
レッシグ教授の改革は、
世界中の人々が幸福になるために、
とても重要な挑戦のように思います。
レッシグ教授の行進は
ガンジーの塩の行進に続くものですね。
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レッシグ教授は、TEDで講演を行いました。
とてもユニークなやり方で。
レッシグ教授は「レスターランド」という架空の国をアメリカに例え、
政治の「腐敗」の根本原因を説き、解決策を提示し、
人々がすっかりあきらめていた心に「希望」の灯を点すのです。
「レスターランド」の人口のほんの0.05%の、
特別な権力を持つ、政治資金提供者が「レスター」です。
彼らは、お金の力で政治を自分の有利な方に進める力を持ちます。
そして、社会の公益よりも 私利私欲を追求し、
合法的に「腐敗」を招くのです。
Lesterland の Lester とは、「アングロサクソン」の姓です。
おそらく、アメリカ社会の支配層である
アングロサクソン系ネオコンを象徴しているのでしょう。
解決策はシンプルで、
「小額選挙のシステム」に変えていくことです。
より多くの市民から資金を 集め、
少数のレスターである資金提供者の影響力を低下させ
一般市民のみに依存する政治の姿を取り戻すための法律を作ること。
小口に分散された市民からの資金による政治活動を規定する法律として、
いくつかの提案が出ています。
①公正選挙法 ②米国反腐敗法
③レッシグ教授が提案した市民が政治献金に使える バウチャー制度の導入
④ジョン・サーベンスが提唱した草の根民主主義法
そして、レッシグ教授が息子のように愛した
年若くして命を落とした ある一人の友人について
語りだします。
アーロン・スワーツ、
彼は、天才少年でしたが、
その前に、純粋な人間性をもつ人格者でした。
ある日、アーロンは、レッシグ教授に
民主主義のシステム操作のコアにある欠陥について、
問題を提示するのです。
アリは、欠陥を見分ける力をもっていて、
同胞を救うことができる
ぼくらは「アリの編隊的態度」を身につけなきゃ、と。
14歳の彼と共に、組織の不正について研究し、
これに立ち向かう活動を行いました。
そして・・組織不正が、アーロンの命を奪ったのです。
レッシグ教授は、学問と言う分野を超えて、
一人の市民として、政治の場で闘う決意をします。
レスターの大口献金に抗い、どう闘うか?
レッシグ教授は、グラニー・Dという90歳の女性の
たった一人ではじめた「財政改革キャンペーン」に
インスピレーションを得ます。
18か月、LAからワシントンへ徒歩で歩き、
道中、加わった人々、数百万人を引き連れて
彼女は目的地へ乗り込んだのです。
レッシグ教授は、
彼女のやり方に習い、
ニューハンプシャーを北から南へ縦断し、
アーロンの命日の1月11日にスタートし、
グラニー・Dのバースデーの1月24日に到着します。
参加した約200人と語り合いながら歩いたのです。
「Hope」を誓い決してあきらめないと。
この行進は、全国で広がっていきました。
電脳技術の天才Aaron Swartz
アーロン・スワーツ(1986年11月8日 - 2013年1月11日)
インターネットを誰にでも使いやすくオープンなものにするために貢献した
若きコンピューター・プログラマー、インターネット活動家。
ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズと異なる点は、
金銭欲や出世欲とは無縁で無私無欲に
世界の変革のヴィジョンを描いていたことであろう。
14歳にして、ハーバード大学・ローレンス・レッシグ教授の研究所で
「組織不正」について研究。
インターネットのあり方を劇的に変えた
「RSS1.0」フォーマットの開発に携わり、
世界で最も人気のあるニュースサイトReddit(レディット)と、
Demand Progressの共同所有者になった人物である。
レッシグ教授が発起人となった、
クリエイティブ・コモンズ(CC)の設計にも深く関わった。
クリエイティブ・コモンズとは、著作権者が著作権を金儲けの道具にせず、
利用者が「非営利」目的であるかぎり皆で共有していこう、
とする国際的非営利団体である。
下院による「オンライン海賊行為防止法案(SOPA)」や、
上院による「インターネット検閲法案PIPA(知的財産保護法案)」
に対する反対運動を行うオンライングループを創設した。
そして、都合の悪いインターネット記事を削除しようとする悪法、
PIPAを廃案に追い込んだ。
不当逮捕
政府側・連邦検察官は、逮捕の理由を
「マサチューセッツ工科大学(MIT)や
JSTOR(大学や研究所などの学術雑誌を電子化し
有料頒布する電子図書館のようなもの)から文書を不当にダウンロードした。
タダでひとにやろうが、被害者にとっては同じ。
盗みは盗みだ "Stealing is stealing."」と主張した。
しかし、アーロンが行ったことの事実は、
大学で自由に閲覧できるようにMITが購入したJSTORの文献を、
アーロンは、MITからもらっていたID番号を使ってダウンロードした。
そのダウンロードの大量さにJSTORが不信感をもち、
彼のID番号を差し止め、アーロンは、新たにID番号を申請して再度ダウンロードした。
アーロンの目的は、ダウンロードした文献を誰もがアクセスできるように
無料で公開することだった。科学者らが遺した文献は、主流大学の学生だけでなく、
アーロンは、すべての人、庶民への遺産であり、
一握りの利益追求型の企業によって閉じ込められ
利益追求のために使われるべきではないと考えたからだ。
そして、JSTORとMITから告訴され、逮捕されたのである。
アーロンの行為は犯罪ではない。
罪に問われてから2年後、
アーロンがアパートで首を吊って死んでいるのが発見された。
政府に殺された
アーロンの死の前にJSTORは、告訴を取り下げ、
MITは告訴を取り下げませんでした。
MITが、情報へのオープン・アクセスを謳い、
開かれた大学をアピールしていたにもかかわらず、
告訴を取り下げなかったのは、オバマ政権の元で動く検察が、
MITに強い圧力をかけていたからである。
なぜなら、政府は、当時、ウィキリークスによって暴露された
「米軍によるイラク市民の虐殺」の情報を提供した
ブラッドリー・マニング上等兵の問題をかかえていたからである。
また、アーロンは、SOPAを阻止した人物である。
SOPAは、オバマの選挙に貢献するハリウッドの
映画業界や音楽業界の利益となる法だ。
だからSOPAを潰した彼が標的となったのだ。
そして、12項目以上の訴追項目を並べ立て、
400万ドルの罰金と35年にもわたる禁固刑に処してやると脅迫した。
アーロンの行為は「コンピュータ犯罪取締法CFAA」に該当しない。
微罪ですらない。
「コンピュータ犯罪取締法CFAA」は、
司法当局がねらいをつけた人物をいつでも逮捕できるように、
わざと曖昧さを残した文章にしてあるのだ。
暗殺・拷問
オバマは、ブッシュ時代の「暗殺の帝王」と呼ばれる
ジョン・ブレナンをCIA長官に据えた。
オバマのドローンによる「暗殺リスト Kill List」を制作した人物だ。
大統領が署名さえすれば、
起訴も裁判もなくても、誰でも無人機で暗殺できる。
拷問を命令したり拷問した人物を逮捕するのではなく、
それを告発した人物を「スパイ罪」で逮捕する。
アーロンに対する政府の政治的弾圧は、
オバマ政権のこのスタイルと無縁であろうはずがない。
死後
市民から検事官に抗議のメールが殺到し、訴追を取り下げた。
市民の怒りを背景に、
コンピュータ犯罪取締法、不正アクセス禁止法)を修正して、
彼の死を無駄にすまいという『アーロン法』が提案された。
CIA アメリカの拷問ネットワーク54カ国
「イラクに大量破壊兵器がある」と言う情報は、
エジプトのムバラク政権が、
アメリカの拷問を引き受けて出てきた情報である。
元CIA職員レイ・マクガバンは、
「拷問は間違った情報を手に入れる最良の方法だ」と述べた。