②安田純平の眼差し ~次は「先制攻撃と経済的徴兵制」を狙う憲法改正 | ☆Dancing the Dream ☆

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世界の戦場を見てきた安田さんの眼には、
はっきりと、日本が戦争に向かっていく流れが見えていたのですね。

ものごとの骨子を、鋭く見抜く眼差しは、
ジャーナリストとしての冷静さと、
戦場をくぐり抜けてきた野性さえ感じさせられます。

また、坦々と語られる飾らない言葉の中に、
殆どの日本人が、およそ実感しえない、
貧しさから戦場へ追いやられていくことが、
どういうことなのかのリアルが迸っています。

おそらく、下の動画は、
2015年2月17日山本美香記念財団のシンポジウムの際の
基調講演だと思います。
文字起こしをしてみました。


安田純平(41)
一橋大学卒。湊博昭ゼミで社会精神医学を学ぶ。1997年信濃・毎日新聞入社。
2002年3月、アフガニスタン取材。12月イラク取材。
2003年1月に信濃毎日新聞社を退社。2003年2月からイラクに滞在。
2004年4月、拘束されていた日本人3人の人質(イラク日本人人質事件)の消息を掴むため
ファルージャに向かう途中、武装勢力に渡辺修孝とともに拘束された。ほどなく解放。
2005年1月、スマトラ島沖地震で被災したアチェを取材。2005年ヨルダン、シリア、イラクを取材。
2007年、イラク軍関連施設で労働者として潜入取材をし、『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』を記す。
2012年及び2013年にはシリア内戦を取材。2015年6月シリアで消息を絶つ。


「今回の安保法制を通した後に、憲法を変えるという流れですよね。
 今回の安保法制も全然さわぎになっていないので、
 憲法も変わる流れに行くと思うんですけれど、
 これまでの憲法でも、自衛隊は出しているじゃないですか。
 イラク戦争、ホータン某所にも。
 だから、憲法変えなくちゃできないことっていうのは、
 殆ど残っていない訳ですよ。
 残っていることって、先制攻撃徴兵制ですよね。
 だから、今回の安保法制でも先制攻撃まではやれてないけれど、
 憲法を変えれば、そこまでできるようになるので、
 憲法をわざわざ変えてまで、やることは、そこしかないと思います。

 じゃあ、徴兵制を本当にやるかというところで、
 徴兵制ってやっぱり効率が悪いんですよね。
 嫌がる人が一杯来るので。嫌がる人を訓練するのって大変じゃないですか。
 現場で逃げたりとかするので。
 ベトナム戦争が上手くいっていないのは、
 徴兵制をした結果、家族も嫌がるし、反対が広がるからなんですよね。
 だから、アメリカがやっているのが、経済的徴兵制
 要するに、貧しい人が喜んで行くようにする。ということで、
 格差を広げるんですよね。

 それは、まさに、今日本でやっていることで、
 どんなに自衛隊が現場で問題になっていても、
 自衛隊に入れば、奨学金を返せるとか、資格が取れるとか、
 とりあえず仕事があるとかということで、喜んで自衛隊に入って、
 現場に入っていくと言う国にするというのが、これからの流れだと思います。

 徴兵制じゃなくて、喜んで戦場に行くようにさせると。
 というときに、関係ないと思っている人が、出てくると思うんですよ。
 要するに、彼は貧乏なんだからしょうがないじゃないかと。
 あなたのうちの子はプラプラしていないで、
 自衛隊にでも入ったらどうなんだと、
 地域の人から問われるようになってくると思います。

 そうやって、社会の雰囲気って言うのができてきて、
 行くしかないかな、ということで自衛隊に入っていくと。
 そこで自衛隊員が戦死でもした時には、国を挙げて殉職。
 それに対して、反対する人は非国民ということになっていくと思います。

 だから、関係ないと思っている人たちでも、
 明日になったらそうじゃないかもしれない。
 だから、10年後20年後、そんなに遠くないかもしれないですけれど、
 今時もう、非正規労働者が4割近くいるわけですよね。
 これからもっと物価も上げるとわざわざ言っているわけですし、
 生活が大変でしょうから、自衛隊に入るしかないと言う人が、
 どんどん出てくると思います。

 だから、今の若い人たちとか、これから先、よほど勉強して、
 よほど能力のある人以外は、そう言うことになっていく可能性はありますよね。
 たまたま会社が潰れちゃったらそうなっちゃうかもしれないし。
 いつ自分がそういう風に転がっていくかも解らないわけで、
 だから、あの人は、貧乏だし、勉強しなかったんだし、仕事ないんだし、
 しょうがないでしょ、と思うような人っていうのは、
 必ず自分もそういうことになって行くわけで、
 格差っていうのが広がっていくと言う問題と、
 あの人は、ああなんだからしょうがないだろうと
 思ってしまうというような人間であることの問題であると思うんですよね。

 だから、これから やっていかなくてはいけないことは、
 格差がないと今の戦争はできないですから、人が集まらないので。
 だから、格差を無くしていくこと
 人を死なせることによって生きる、
 自分が食って行くために人を死なせる、
 という選択をしなくていいようにすること。
(途中切れ)」




現在、シリアで行方不明になっている安田純平さんの著書、
『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』は、
自ら出稼ぎ労働者となり、
イラク軍基地訓練施設に単独で潜入し、
戦争ビジネスの実態に迫ったルポルタージュだ。

安田さんは、「人間の盾」のビザを取得し、
月給10万円でイラクの激戦地の工事現場の料理人として働き、
ジャーナリストであることを隠しながら、
イラクの現実を取材した。


グローバル化されていく世界では、
貧困に苦しむ人々が、戦争ビジネスに駆り出されていく。

戦争も「民営化」され、
戦闘部門以外のあらゆる分野、
給食や洗濯、清掃、売店や、
フィットネスジムの運営、施設管理、
車両や船舶の整備、輸送、
要人警護、容疑者尋問までが、
民間企業に委託されている。

多くはアジアやアフリカ、世界中の貧しい人々が集められ、
基地や建設現場などの危険地帯に派遣され、
出稼ぎ労働者として働いているのだ。

今世紀からの「対テロ戦争」で、急成長したのが、
民間軍事会社である。
国家を顧客とし、人員を派遣、正規軍の業務を代行したり、
支援したりする企業であることから、
新手の軍需産業と定義されつつある。

軍の増派が政治問題化し、
正規兵の慢性的不足となり、
民間軍事会社の労働者の死は、
戦死者としてカウントされないなどの背景から、
需要が急速に拡大し、管理が行き届かず、
多くの不祥事も発生した。

アメリカ最大手の民間軍事会社、
現在モンサント社が買収している「ブラックウォーター」が起こした
イラク民間人虐殺などの事件は、問題化したが、
アメリカ政府は、再契約を「問題なし」とし契約を続けている。

イラク戦争は、新型の「民営化」戦争ビジネスが始まり、
様々な問題をはらんでいたのである。





先日、米国で処刑された死刑囚の少なくとも10%が退役軍人
とする報告書が、発表された。

ベトナム戦争から帰還した80万人以上にPTSDの兆候がみられ、
アフガニスタンとイラクから帰還した30万人もPTSDに苦しんでいる。
後者では、外傷性の脳の損傷もよくみられるという。

一人のベトナム帰還兵が、今年1月に死刑執行された。
スピード違反で停止させられ警察官を射殺してしまった
死刑囚・アンドリュー・ブラナンAndrew Brannan(享年66)である。

ブラナンは、1968年、19歳でアメリカ陸軍に入隊し、
1969年から1971年、ベトナム戦争に送られた退役軍人であった。
2度の特殊部隊の経験を経て、
ブロンズスター勲章と陸軍表彰メダルを送られた将校でもあった。

しかし、ブラナンは、深く心の傷を負い、
激しい戦闘や、地雷を踏んで死んだ兵士など、
戦争のフラッシュバックに苦しみ、
心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された後、
離婚も経験していた。