2014年8月
辺野古の海上工事が始まったときの世論調査では、
沖縄県民の8割超えが辺野古新基地建設反対、
安倍政権への不支持率は81%でした。
しかし、政府は、2015年10月29日、
辺野古で海の埋め立てに向けた
本体工事に着手してしまいました。
沖縄県警は、地元住民や市民団体の抗議活動の長期化を見込み、
警視庁に要請し、11月上旬にも
百数十人の機動隊を派遣されることになりました。
翁長さんは「辺野古に基地を造らせない」という公約を掲げ、
県知事選に出馬して当選しましたが、
「辺野古に基地を造らせない」ための具体的な方法は、
度重なるマスコミの質問にも、明言せず、答えを拒絶していました。
知事権限で、前知事による「埋め立て承認を取り消す」とは、
決して言わなかったのは、何故なんでしょう?
記者 「もう一度お伺いしたいんですけれど、
具体的にどのように造らせないか、ということを
お聞かせ願えますでしょうか?
翁長 「私たちの思いは、新辺野古基地は造らせないと言う
固い決意で結ばれておりますが、
方法論と言う者は、この壇上にいるメンバーが、
本当にお互いに主義主張を腹八分腹六分でですね、
いまひとつにガッチリとまとまっているんです。
ガッチリとまとまったもので、ひとつひとつ、突き進む
一糸乱れずやれるように、今頑張っております。
具体的に、私の一存でああします、こうしますと
申し上げることができないということであります。」
記者 「ひつこいようですが、・・
有権者に"辺野古に基地を造らせない"ということを、
どのように担保するのか?
選挙戦の前には、具体的なものを明示するおつもりでしょうか?」
翁長 「あなたはマスコミだからそれでいいが、、
普通の人間が、こういう質問をすると、失礼だなと思うんですよね。
~~~~とっても厳しい中で、ぼくらはね、穴をあけてね、
みんなの力で阻止をしてやる。方法論は、これだけの人間がね、
価値観を持ちながら来てますので、必ずね、相談をしながらね、
いい形でやっていく。」
翁長知事は、出馬会見のときに、
どれほど記者が食い下がって聞いても、
辺野古に基地を造らせない最も重要なポイントである
知事権限による『埋立承認を取り消し』を行うつもりがあるのかという問いに、
「失礼だ」と言って逆切れし、明言することを拒絶しました。
喜納昌吉さんが
「反対・阻止を叫んでも、実力阻止するなら別だが、
取り消しあるいは撤回を
選挙前にはっきり約束できない人は信用できない。」として
「承認取り消し」を明言して県知事選に出てきたのも、
翁長さんの辺野古埋め立て反対に不信感を持ったからでしょう。
喜納昌吉さんは、民主党が「辺野古移設は党の苦渋の選択」とし、
公認を認められず、除籍処分を受ける中、出馬の決意を変えず
唯一「承認取り消し」を明言して県知事選に臨んだ
唯一の候補者でした。
これは、辺野古移設反対派の票を割るものとして、
批判も受けました。
翁長さんの主張は、このようなものでした。
「沖縄の保守が革新を包み込まねば」
「沖縄の中が割れたら、またあんた方が笑うからさ。
沖縄は、自ら招いたのでもない米軍基地を挟んで
『平和だ』『経済だ』と憎しみあってきた。
基地が厳然とあるんだから基地経済をすぐに見直すわけにはいかない、
生きていくのが大事じゃないかというのが戦後沖縄の保守の論理。
一方で革新側は、何を言っているんだ、命をカネで売るのかと。」
「中学生の時、兄貴が(琉球政府の)立法院議員に立候補した。
そうしたら学校の先生が150人くらいで、相手候補の名前を連呼する。
ぼくは1人で『オナガ、オナガ』と。
向こうの中におやじの妹といとこがいて、
後で『ごめんね、ああしないと村八分になる』と。
本土の人はそういう対立を上から見て笑っている。
だから、ぼくが思い切って真ん中にいくことで問題を解決したい。」
翁長知事は、
彼の陣営内の承認取り消しを阻む保守勢力に
押さえられていたのでしょうか?
「事前協議書が提出される前」に「埋立承認を取り消し」をし、
本体工事着工のために必要な事前協議を実施できない状況を
作らなければいけないはずでした。
けれども、翁長知事が
「辺野古埋立承認を取り消した」のは10月13日。
翁長知事は事前協議を受け取るまで、
埋立承認を取り消さなかったので、
本体工事に着手されてしまったのです。
これでは、翁長知事は、
あえて事前協議を受け取り、
本体工事着工の条件を整えたと言われてもしかたないのでは?
その後、知事の「承認を取り消し」に対し、
沖縄防衛局が、行政不服審査法に基づき、
国交相に無効審査を請求し、裁決まで執行を停止するよう申し立てました。
これは、国(沖縄防衛局)の権利を救済しようと、
同じ内閣の国(国土交通大臣)が乗り出しているという奇妙なことを
しているわけです。
行政不服審査法に基づく審査請求も執行停止も、
国民の権利救済のための制度なのに、
その制度を国が利用するのはおかしい。
そこで、行政法研究者有志が
23日に連名で、
「政府が行政不服審査制度を濫用している!」として
反対声明を出しました。
しかし、安倍政権は10月27日の閣議で、
翁長知事による辺野古沖埋立承認取消に対して、
承認の「地方自治法による代執行」手続き開始を了解しました。
地方自治法の代執行とは、
都道府県が国に代わって行う法定受託事務で、
知事が大臣の処分に違反するなどして著しく公益を害する場合、
大臣は知事に違反の是正などを勧告、指示できる。
知事が応じない場合、大臣は高等裁判所に裁判を起こすことも可能。
大臣側が勝訴すれば知事に代わり違反の是正などができる。というもの。
また、石井啓一国土交通相は同日、
承認取消処分の一時「執行停止」を決定しました。
国交相が「執行停止」を決める前に、
沖縄県知事がその「差し止め訴訟」を起こすことが必要で、
これを行わなければ、
国による本体工事が着工されます。
翁長知事は、
国連での演説、記者クラブ会見などを行って、
内外に辺野古移設工事の不当性をアピールしていますが、
「辺野古に基地を造らせない」を実現する行動をとらなかったのは、
何故なんでしょう?
辺野古移設埋め立てを承認してしまった
前知事・仲井眞弘多さんの公約違反と、
同じ結果を齎す矛盾した行動・・・。
理解に苦しみます。
翁長知事は、自民党員でしたが、
自民党県連幹事長を務め、15年前の県議時代は、
辺野古移設推進決議案を可決させた旗振り役でした。
また那覇市長であったときには辺野古移設に賛成していました。
しかし、
全市町村が結集したオスプレイ反対運動に参加し、自民党から除籍され、
日本共産党・社会民主党・生活の党・沖縄社会大衆党・県民ネットの
県政野党4会派で構成する知事選候補者選考委員会から
「建白書に示された理念を堅持するぶれない知事が求められている」
「沖縄うまんちゅ(民衆)のため力を尽くされる決意をお願いしたい」と
要請され出馬、当選したのでした。
9月21日 翁長沖縄県知事 vs 外務省 国連人権理事会演説
嘉治美佐子(カジミサコ):
1981年3月東京大学経済学部卒業後、外務省入省。オックスフォード大学修士。在英日本大使館、欧州連合日本政府代表部、在ベトナム日本大使館、国際連合日本政府代表部、UNHCR、総理官邸に勤務。外務省人権人道課長、儀典総括官、中東アフリカ局審議官などを歴任。2012年、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻兼人間の安全保障プログラムの教授に就任。現在は、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部次席常駐代表・大使
9月22日・翁長知事への反対演説・右派市民・我那覇真子
【和訳】
昨日皆様は、沖縄は紛れもない日本の一部であるにも関わらず、「沖縄県民は日本政府及び米軍から抑圧される被差別少数民族である」とお聞きになられたと思います。
それは全くの見当違いです。
私は、沖縄生まれの沖縄育ちですが、日本の一部として私達は世界最高水準の人権と質の高い教育、福祉、医療、生活を享受しています。人権問題全般もそうですが、日本とその地域への安全保障に対する脅威である中国が、選挙で選ばれた公人やその支援者に「自分達は先住少数民族である」と述べさせ沖縄の独立運動を煽動しているのです。
我々沖縄県民は先住少数民族ではありません。
どうかプロパガンダ(政治宣伝)を信じないでください。
石垣市議会議員の砥板芳行氏からのメッセージです。
「沖縄県の現知事は無責任にも日本とアジア太平洋地域の安全保障におけるアメリカ軍基地の役割を無視しています。翁長知事はこの状況を捻じ曲げて伝えています。中国が東シナ海と南シナ海でみせている深刻な挑戦行為を知事と国連の皆様が認識をすることが重要です」
ありがとうございます。
我那覇真子(ガナハマサコ):
名護市出身の26歳。文化放送チャンネル桜の沖縄支部キャスターをつとめている。8月に発足した「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」の代表運営委員も務めるなど強硬な右派として知られる彼女は、「基地移設賛成派」代表の一人として国連人権理事会に参加していた。
翁長沖縄県知事・報道ステーション 国連演説の報道
5月20日 翁長沖縄県知事・日本記者クラブ演説
5月20日 翁長沖縄県知事・日本外国特派員協会演説
2015年9月24日 翁長沖縄県知事・日本外国特派員協会演説