つづき・・
(前記事からお読みください。)
Heartbreak Hotel
Smooth criminal
Black or Whiteのパンサーヴァージョン
「Heartbreak Hotel」と、「Smooth Criminal」は、
"性的虐待を受けた子供"という同じテーマを持ち、
対をなす関係で繋がっている。と書きました。
そして、これから語ろうとするのは、
「Black or Whiteのパンサーヴァージョン」もまた、
これらに関連し、繋がっているのではないか。という考察です。
では、前記事のつづきのお話です。
「Black or Whiteのパンサーヴァージョン」の最終場面・・
なぜ、マイケルが、ブラホワ本編撮影後、
黒豹に変身し、
謎めいた地下に降り、
エロティックなダンスと共に、
満身の力を込めて、最後に破壊するのが、
この「HOTEL」の看板なのか?
・・というのが、
私の長年の疑問でした。
しかし、唐突に、
頭の中で、何かが閃き、繋がりました。
「Heartbreak Hotel」イントロ・メッセージ、
"霧の中から浮かび上がったネオンサイン"
"ぼくの馴染みのあの道の赤々と光った文字"
"ぼくの心に焼印されたメッセージ、
一つの言葉・・ Hotel "
ブラホワのパンサーヴァージョンでマイケルが破壊するホテルの看板は、
「Heartbreak Hotel」のこの"Hotel "を表している?!・・のだと!
マイケルは、10歳や11歳のまだ幼い少年の頃、
大人たちに仕組まれ、あるホテルで、
惨めで恐ろしい、性の洗礼を受けたのです。
それは、残酷な子供へのレイプでした。
マイケルの「子供時代」は、
休む暇もない過酷な児童労働によって奪われた―と言われ、
マイケル自身も表向きは、そう語っていました。
けれども、マイケルの「子供時代」を
文字通り、粉々に破壊したのは、最悪の児童虐待、
「赤いネオンサインのホテル」でのレイプだったのです。
ブラホワのパンサーヴァージョンは、
マイケルの心の奥に刻印された傷みを、
マイケルがどのように自浄し、
乗り越えたのかという物語なのです。
マイケルは、渾身の力で、
哲人マイケルらしく、
ダンサーマイケルらしく、
シャーマンマイケルらしく、
自らの野性の生命力を呼び覚まします。
少し、私の解釈で、パンサーヴァージョンを読んでみます。
「鉄格子に閉ざされた「地下」への階段は、
マイケルが、彼自身の深層心理へと降りていく階段だ。
「地下」の情景は、蒼く暗く、寒風が吹きすさぶ。
寒々と人気のない荒んだストリート。
これは、赤いネオンサインの「Heartbreak Hotel」が立つ
二度と足を踏み入れないと誓った"Bleaker St(ブレイカー通り)"だ。
風がゴミ埃を巻き上げる荒涼とした通りの
水溜りをつくる濡れたアスファルトの上で、
彼は、エロティックなダンスを踊りはじめる。
ステップの音が、鋭く響き、
マイケルは、人間の中に眠る動物としての野性を呼び覚ましていく。
エクスタシーへと高揚していくのだ。
差別、偏見、虐殺、戦争、愚かな人間共が繰り返す暴力への怒り。
この世界から暴力など消えてしまえ!雄叫びをあげる。
「地下」のさらに底深くに流れる「地下水脈」の命の水が、
マイケルの激しく踏むステップで刺激され、振動を始める。
地下水は、やがて沸騰し、勢いよく蒸気を吹き上げた。
濛々と立ち上がる白く熱い蒸気の中で訪れる、エクスタシーの頂点。
幼い日、"Bleaker St”で粉々にされた
命の源、彼の水源、彼の「性」は、死滅していなかった。
マイケルの「性」は、猛々しく蘇ったのだ。
マイケルは、黒豹の野性の体現者となり、
彼の体中には、エクトプラズムが漲る。
雄叫びと共に、振り上げた手から強烈な電気が放出される。
幼い日、焼き付けられ、消えることのなかった
忌まわしい記憶の象徴である"Hotel "の赤いネオンサインは、
蘇ったマイケルの生命の力でついに破壊されたのだ。
黒豹は、彼の子供心を破壊したBleaker(破壊者)に対峙し、
彼らの呪いを解くBleaker(配線切断者)となって、打ち克ち、
闇に消えていった。」
さて、残る謎、
"Royal arms(王の紋章)"について。
この紋章とは、そもそもは戦いの盾に描かれたもので、
イギリスに限らず、ヨーロッパの王家の紋章の多くに、
ライオンとユニコーンが描かれています。
紋章の意匠の起源は、
いにしえの民話や神話によるものと言われます。
ライオンは、古く古代エジプトでは、
牝の獅子を神とし、豊穣や性愛を司った。
勇気・力・王権の象徴。
ユニコーンは、処女を好む獰猛な動物。
誇り高く、飼いならすことは決してできない。
ユニコーンはシニスター(邪悪なもの・不運)を
ライオンはデキスター(正しさ・縁起の良い)を表し、
ライオンがユニコーンをサポートするとされる。
縦の周囲に施されたリボンのようなものは、
ガーター勲章と呼ばれるもので、
女性の靴下止め(ガーター)にまつわる逸話による意匠である。
王家の紋章とは、
力の誇示なのですね。
そして、とどのつまりが、
生き物の欲望、「一族の繁栄」、
つまり簡単に言えば、
生物の根源的エネルギー、
「健勝なSEX」表しているのです。
結構じゃないですか。
「健勝なSEX」で「血族が繁栄」するのは、
おめでたいことです。
愛し合う者同士なら。
しかし、
これが、愛とは無関係に行われるならば、
「健勝なSEX」は「陰惨なレイプ」と化し、
憎むべき暴力となります。
まして、子供へのレイプは最悪の禁忌です。
マイケルは、
大人たちの悪巧みによって、
売春宿の女たちが待ち受ける寝屋に放り込まれ、
レイプされました。
大人たちの悪巧みとは、
エンタメ界の興業主がエンターティナーを手懐け、
扱い易い道具にするためのよくある罠でした。
Sex & Drugs & Rock'n'rollという
エンタメ界の悪習の洗礼を受けることは、
大人のエンターティナーには抗いがたい甘い罠ですが、
罠にかかった者は、須らく才能と金、
時には命までも奪い尽くされる残酷なものでした。
マイケルの場合、さらに残酷だったのは、
まだ性に目覚めようもない
幼い少年だったということです。
本来、稼ぎ手を繋ぎ留め、
操るための甘い罠は、子供を握りつぶすような
むごい暴力でしかなかったのです。
マイケルは、
ジャクソンファミリーのために
懸命に働く子供奴隷の如き扱いを受けましたが、
メジャーデビューし、
勝てば官軍、負ければ賊軍の如きエンタメ界の戦の兵となり、
ジャクソンファミリーに加え、モータウンファミリーの繁栄、勝利、
彼らの「王家の紋章」のために、
子供であることさえ許されませんでした。
彼らは、芽吹く前の、幼い「性」を根こそぎ破壊し、
マイケルの「子供時代」を完全に奪ったのです。
マイケルが、パンサーバージョンで破壊して見せた
"Royal arms Hotel"の看板は、
マイケルを傷つけ、利用して繁栄した
ジャクソン王国、モータウン王国のような、
エンタメ界の搾取システムのみならず、
世界中に蔓延る強権的な搾取システム「王家の紋章」を
意味していたのでしょう。
――そして、
筋金入りのエンターティナーに成長したマイケルは、
二つのタフな決断を下します。
一つは、1975年モータウンとの契約解除。
次に、1983年父ジョーとのマネージャー契約解除。
1978年、マイケル20歳。映画『The Wiz』への出演を期に、
ソロとして独立の道へと歩を進めるのです。
『Off The Wall』の成功。黒人のMTVへの道を切り開き、
見る音楽の先駆けとなった、空前絶後の『Thriller』、グラミー賞8冠。
しかし、1984年ジャクソン家の頼みにより、ヴィクトリーツアー参加、
ツアー資金捻出のため兄弟とペプシCMに出演。
CM撮影時にファイヤーワークの事故で、重度の火傷を負う。
ヴィクトリーツアー中、ジャクソンず脱退宣言。
1985年にビートルズを含む版権を購入。
オールスターによる「We Are The World」のアフリカ飢餓救済活動。
『Bad』の年間売上1位記録。――
常人の何十倍もの濃密な20代を経て、
1988年、マイケルは、30歳で、
「ネバーランド」と名付けた自宅を築きました。
マイケルは、
"I created Neverland as a home for myself and my children."
" ネバーランドは、自分自身の家として、
そして、"僕の子供たち"のために築いた。"と語っています。
マイケルの言う"僕の子供たち"とは、
J・バリが著したピーターパン物語のネバーランドの住人、
「親とはぐれ年を取らなくなった子どもたち」を意味し、
世界中の恵まれない子供たち、病気の子供たち、
そればかりでなく、
癒しを必要とする「傷ついた子供心」をもつ全ての人々を意味するのでしょう。
マイケルは、ネバーランドを
マイケルと子供たちの国とし、「王家の紋章」を掲げたのですね。
誰にも支配されることなく、自分自身が自分自身の王となる国、
ネバーランドは、マイケルの夢と祈りが凝縮した場所でした。


2013年初、パリスがネバーランドの再建を始めたと伝えられています。
アミューズメントライドを取り除き、そこに、瞑想の庭と、一部にはピーターパンを飾る場所としているということです。(wiki)
http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-2316992/Michael-Jacksons-Neverland-ranch-restored-children.html