原題
=The Fifth Estate
日本語タイトル
=未定 (日本では2014年春公開とされていたが、
配給のディズニーから公式発表なし。日本公開は中止、DVD発売は未定)
監督
=ビル・コンドン
出演
=ベネディクト・カンバーバッチ
=ダニエル・ブリュール
=アンソニー・マッキー
=デヴィッド・シューリス
=アリシア・ヴィキャンデル
=ピーター・キャパルディ
=スタンリー・トゥッチ
=ローラ・リニー
公開:September 5, 2013 (TIFF 第38回トロント国際映画祭オープニング作品)
October 18, 2013 (US)
(日本では2014年春公開とされていたが、
配給のディズニーから公式発表なし。日本公開は中止、DVD発売は未定)
ストーリー
情報リークサイトウィキリークス創設者ジュリア・アサンジを主人公として描いたスリラー。
2冊の著書「ウィキリークスの内幕」「ウィキリークス WikiLeaks アサンジの戦争」を元にして映画化されたが、ジュリア・アサンジは事実に基づいていないと非難している作品でもある。
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ABCのThis Week with George Stephanopoulos という日曜朝のニュース番組で、ベネディクト・カンバーバッチのインタビューとジュリアン・アサンジのインタビューが放映されました。インタビューは別々に行われた物ですが、双方ともThe Fifth Estate言及しています。
◆カンバーバッチ弁:初め~3;07
ジョージ: 複雑で説得力に満ちた、ウィキリークスの創始者のジュリアン・アサンジについての映画、The Fifth Estateからのクリップをご覧いただきました。アサンジ氏はライブ中継でスタンバイしていただいてます。アサンジ氏はこの映画を公に批判していて、彼の役をこの映画で演じているベネディクト・カンバーバッチ氏に、この役から降りるように説得しようともしました。ABCニュースのリンジー・デイビスが、ベネディクト・カンバーバッチ氏のインタビューをして、そのようなアサンジ氏からの反対のあるなかでプロジェクトを進めていくことの難しさ、そしてなぜ最終的にこの役を引き受ける決断をしたのか、などを聞いてきました。
(リンジー・デイビスのボイス・オーバー: 英国の俳優ベネディクト・カンバーバッチは、これまでは、絶賛されているBBCのシリーズ『シャーロック』や、そして最近ではキャプテン・カークの宿敵を演じた『スタートレック・イントゥ・ダークネス』でおなじみです。ですが、今回は、The Fifth Estateという映画で、これまでのはまり役とは全く違う、ウィキリークスの創始者のジュリアン・アサンジの役を演じています。アサンジ氏は、世界でもっとも悪名高い、機密公開の活動家です。アサンジ役を演じる、ということ自体、かなり複雑なはずですが、アサンジ氏がこの映画を公に批判している、ということで、この役を演じることは更に複雑で難しいものになりました。)
ベネディクト: 難しかったポイントは、彼をただ単に悪人に仕立てたり、または逆に単に美化したりすることなく、立体的な複雑な人間として描いていく、という点でした。
リンジー: あなたはアサンジ氏の役作りに関するつかみどころを得ようという目的で、彼にコンタクトを試みたわけですよね。
ベネディクト: ええ。
リンジー: アサンジ氏はどんな対応をしてきましたか?
ベネディクト: とても丁寧に、でもきっぱりと、この映画からは降りるべきだ、という論理を展開してきました。
(リンジーのボイス・オーバー: ベネディクトのいう所の『降板するべきな論理』は、雄弁なEメール、という形で語られました。このメールの中でアサンジ氏は、『私は、あなたは人間として良い人である、とは思いますが、この映画は良い映画であるとは思いません』と書いています。更に、『この映画は、真実というものが何よりも求められている現在の社会の情勢の中で、(ウィキリークスを巡って起こった事柄の)真実の部分をもみ消す結果となるでしょう』と続きます。そして『もし私があなたとの面会を受け入れると、その行為自体がこの嘆かわしいほど悲惨な映画を認めることになってしまうでしょうし、それに、あなたの、才能には溢れながらも、台本に縛られた結果として堕落せざるを得ない演技を支持する、という形になってしまうでしょう』と続きます。)
ベネディクト: 僕は、彼のメールと同じくらいの力のこもったメールで、なぜ僕はこのストーリーと彼の人間性が今現在のこの時勢の下でこそ語られるべきだと思うのか、という反論を書きました。ウィキリークスの2010までの業績には、物凄く大きいものがあります。アメリカ合衆国外交公電のリークやWarlocksのリークなどで社会に大きな波紋を投げかけましたし。僕としては、この映画はそういう業績をある意味では讃えていると思います。この映画の視点は、アサンジ氏が懸念しているように偏ったものでは全く無いと思います。
リンジー: あなたとの面会を拒否した人物を映画で描くのは、難しいのではないですか?
ベネディクト: そうですね。ある意味では結果などを恐れずにあまり考えすぎずに体当たりしていく必要がありましたし、面会して聞くわけにはいかなかった不明な部分を想像で補っていかなければなりませんでした。というわけで、この映画にはフィクションの部分もあるわけです。
リンジー: あなたは以前、我々は皆民主主義の下での市民である、というようなお話をされていましたが、スノウデンや、それに関連した問題についてはどの程度情報を追ってらっしゃるんですか?
ベネディクト: かなり詳しく追ってます。現在の社会情勢は、テロリズムと戦う、という名の下に、市民としての自由が制限されきている、という状況にあります。でも、もちろん人間の命は尊いわけですから、テロリズムと戦うということも大事なわけです。そんな状況では、どっちが良くてどっちが悪い、というような単純な判断は、不可能だと思います。でも、議論し続けていくことは大切です。
(リンジーのボイス・オーバー: ベネディクトは、正にこの映画がそのような議論のきっかけになるであろう、と考えています。)
◆アサンジ弁:3:25~5:58
ジョージ: (アサンジ氏に向かって)今カンバーバッチ氏の話を聞いていらしたと思うんですけど、彼はあなたのことを『ただ単に悪人に仕立てたり、または逆に単に美化したりすることなく描こうとした』とおっしゃっていて、そして『この映画はウィキリークスの達成した多くの大きな業績を讃えている』ともおっしゃっています。あなたはこれについてどうお考えですか?
ジュリアン: カンバーバッチさんは、僕にチャーミングでとても丁寧な手紙を送ってきました。彼が、映画の台本の妥当性に関して真剣に考えている、ということが書いてありました。あと、僕の聞いた話では、コンドン監督は僕のことを「典型的な悪役」として描こうとしているところ、彼はそれに真っ向から反対していった、ということらしいです。これは彼がVogueとThe Guardianの取材でそう言ったらしいです。もちろん僕としては、彼が実際に言っていないことまでを憶測するつもりはありませんが。彼は契約上言えることは限られているでしょう。でも、彼は実際に、台本のなかでも一番ひどい部分を改善してもらおうと努力した、ということは僕は事実として知っています。残念ながらその努力はあまり報われなかったのですが。でも、彼がそういった努力した、という事実は、僕としては嬉しいです。
ジョージ: この映画で一番問題だ、と思われるのはどの部分ですか?
ジュリアン: うーん、沢山ありすぎてどこからお話してよいのかもわかりません。私たちは、かなり前に台本をリークしました。私どもには、ベネディクト・カンバーバッチ氏からの非公式なコンタクトはありましたが、ドリームワークス(スピルバーグが創始・社長を務める映画会社)の公式の筋からは、全くアプローチしてきませんでした。この映画は、僕のライフワークに基づいてるものですし、僕の主宰する団体の事業についてでもあります。今現在も、私どもの団体には、かなり深刻な状況下に置かれた人たちがいます。スノウデン(元CIA及び国家安全保障局の局員。アメリカや全世界に対するNSAの盗聴の実態と手口を内部告発した)が香港から出国した時点から彼と行動をともにしているサラ・ハリソンが、英国での捜査のせいで、事実上ロシアで国外追放者の身分になってしまっている、とか、私どもの団体も含めて25ものメディア団体の情報源であったとされるジェロミー・ハモンドが現在は大陪審の捜査中で判決待ちである、などというのは良い例ですね。このような状況の下では、倫理的に映画を製作することは出来ないんじゃないでしょうか?私どもがParticipant Media(註:The Fifth Estateの出資会社)に送った提案は、一つも受け入れられませんでしたし。その反面、制作会社側は、この映画でかなり儲けているわけですよね。
(ここでジョージ・ステファノプロスが話を変えようとするんだけど、ジュリアンは続けます。)
ジュリアン:ドリームワークスは、もともと資本の大きい会社なわけですが、更にこの映画でかなり儲けるつもりでいるわけです。それなのに、私どもの団体の法的弁護のための基金や、私どもの情報源となった人々の弁護のための基金などに向けての寄付などは全くありません。