バリの人々は、敬虔なバリヒンズー教徒で、
早朝のマンディという沐浴にはじまり
たいていの家の庭にしつらえられている神さまに
花と水、香と供物を捧げます。
そして、
村々では、バンジャールやデサと呼ばれる地域コミュニティをベースとして、
労働や宗教儀礼が共同で執り行われ、
小さな頃から隣人との助け合いの心を身につけており、喧嘩を好みません。
また、バンジャールを超えて、「スカ」と呼ばれるグループを形成して、
ガムラン演奏団、青年団、舞踊団、自警団、合唱団として、
様々な活動を行います。

わたしも、バリの人々や自然、舞踏や音楽が大好きで、
バリには、幾度も訪れましたが、
バリヒンズーの総本山、アグン山のブサキ寺院の
10年に一度の(210日間を1年とするウク暦の10年)
パンチャ・ワリ・クラマに現地の友人に連れて行ってもらったことは
忘れられません。
正装しなければ寺院には入れませんので、
ウブドの画家でもあるバリニーズの友人の家で、
伝統的なクバヤとサルーンという民族衣装を借してもらい、
彼の奥さんがきっちりと着付けてくれました。
そして、この地元民の神聖なお祭りに連れて行ってくれたのです。
額に米をつけ、ひざまづき、
お坊さんに、ありがたい聖水をかけてもらい、清めて頂きました。
このような祭りに欠かせないのが、バリの舞台芸術です。
わたしは、特にバリ舞踊に魅せられてしまいました。
最も初めに観たのが、「バリス」という戦士の踊りでした。
この強烈な印象に度肝を抜かれたわけです。
Anom Putra dancing Baris Tunggal with Gamelan Semara Ratih
バリは、観光地化が進み、
娯楽として人前で観賞用に演じられるバリバリアンが、観光客にはお馴染みですが、
本来バリの舞踏は、儀式として奉納される舞台芸術で、
それらは、舞踏の中でも神聖なものとして、ワリ、ブバリと呼ばれます。

さて、バリ舞踏の世界では、50年に一度の逸材といわれる
ユリアティ(Gusti ayu sri Yulati)という舞姫がいます

ユリアティさんと言えば、ティルタサリ舞踏団に所属する踊り手で、
殊に、レゴンラッサムの condongを 踊れされば右に出る者はいません。
現在は、結婚し母となり、めったに踊る姿を見ることはできませんが、
妹の ビダニちゃん(Bidani)が、今は花形として注目されています。

ユリアティ ビダニ
素顔は、こんなに初々しい美人姉妹ですが、
彼女らの踊りは、南国の濃密な闇の中に潜む神が憑依し、
野趣に富んだ美しさの中に、
妖しく、どこか凶暴な、そして、悪戯好きな神の姿が、見え隠れします。
ユリアティの最後のレゴンラッサム
ユリアティ&ビダニ姉妹のレゴンジョボク
ユリアティのオレッグ タムブリリンガン
1940年代のバリの人々