「ビミョーな人」とつきあう技術  ことごとく期待を裏切る「あの人」の正体 (アスコムBOOKS.../小倉広

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「残念な人」はそこそこ仕事はできて頭も悪くないのに評価されない人の事でしたが、本書で書かれている「ビミョーな人」とは(以下引用)「相手の期待にこたえようとしながらも、その期待とはズレた頑張りをしてしまう人のこと。一見エネルギーに満ちているが、ことごとくズレている場合が多く、そのズレは某かのエゴや身勝手な利己主義に端を発している。本人に自覚はなく、自分は「相手のために頑張っている、教えている」と信じている場合が多い。」(引用終了)だそうだ。まったくもって今の直属の上司のことである。そしてこの上司のことを、この本の定義に従って「ビミョーな人」に認定したとき、前職の先輩×2人で同じくビミョーな人達が居た事を思い出した。今の課長に対する私の拒絶反応は、この2人によって刻まれたトラウマによって引き起こされている事が分かった。

 読んで心に残ったフレーズは「神様は同じ宿題を出し続ける」だ。この言葉を聞いてピンと来る人はきっと良い先輩に恵まれてきている。こうした仕事の神様の嗜好を知っている人は減り続けていると思う。私は前職で尊敬する役員から違った表現で教えていただいた。「神様は一度解いた問題は2度出さない」というのが、その人の教えだった。一度乗り越えた試練は、その人にとってもう試練にはならない。乗り越え方を体得すれば、次はやすやすと乗り越えることができて最早問題とは感じないというのだ。逆に乗り越えずに、問題から逃げ続けると姿かたちを変えて、例えば仕事ではなくプライベートで同じ問題が神様から出されるというのがミソで、つまりは自分が成長しないと必ずつまづく問題というのが世の中にはあるのだ。

 ここでハタと自分の事を考えてみると、前職の時も逃げたし、今の上司からも逃げようとしている。これでは同じ事を繰り返すだけではないか?と気になったのだ。しばし考えるも、足を止めて打ち合うのは前職でもやったけど、結果的にあまりよい事がなかったので今回も逃げることに決めた。その代わり前回にも増して鮮やかに逃げてやろうと思った。そのための準備として資格も、TOEICスコアも用意できている。そこが前回と違うところだ、普段から鍛錬を怠らなかったからだ。

 そんな成長の成果を、近々ここでも発表しますが、それはまたの機会に。

 話を本に戻すと、見かけはちょっとゴツイけど、この著者の小倉さんという人は信用できるなという感じがした。特に仏教に造詣が深いと見えて、見掛けによらずハートフルだ。不覚にも、この人の下で働いたら楽しいのでは?と思ってしまった。また、本を読んで2回、涙が流れた。まぁ、話半分。おうおうにして「余所の社長はいいこと言う!」ものなのだ。という訳で、いつか御本人に会ってみたいリストに加えておこう。



突破する力 (青春新書インテリジェンス)/猪瀬 直樹

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猪瀬直樹づいている。もう一冊読了。

何かを成し遂げるのに必要な、本当に当たり前の事が書いてある。
同じ事をいろいろな本をバラバラに読んで私も覚えてきたが、一冊にまとまっている点は少し悔しい。

当たり前の事なんだけど、おそらく、これを一冊読んだからって実践できないだろうな。
いろいろ思い悩みながら、こういうスタイルを獲得するものなのだ。
成長とか人間力ってそういうことだと思う。
昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)/猪瀬 直樹

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 猪瀬直樹氏の『昭和16年夏の敗戦』を読了。35歳前後の若手官僚、陸海軍将校、民間主要会社社員を集めて設立された総力戦研究所で行われた模擬内閣による総力戦のシュミレーションを下敷きに、”なぜ日本は勝ち目の無い太平洋戦争に突き進んだのか?”をリアルに描き出した一冊。

 戦争へのプロセスを段階的に見ていくことで、いろいろな事に気づく。東条英機という人は、これまで私が読んで来た本の中では総じて忠実な天皇の臣下で、緻密で完璧主義の官僚というイメージで描かれていた。一方で昭和天皇は留学経験もあり世界情勢をよく知っていて戦争回避を望んでいた事もよく言われることだ。この天皇と総理大臣の組み合わせで日米開戦に踏み切ったのは何故か?という疑問をずっと持っていた。東条は天皇の意を汲み戦争を避けようとした、東条も止める事が出来なかった、そう信じるに十分な描写がこの本にはある。

 歴史の教科書はABCD包囲網により物資の、特に石油の調達が困難になり太平洋戦争に打って出ざるを得ない状況や国民感情が形成されていった事を、意図してかせざるか「うっすらと」しか教えてくれないが、著者はそこも当時の石油の備蓄量シュミレーションを駆使してリアルに描き出している。そしてそれがアメリカの筋書き通りだった事もよく分かった。

 我々の祖父達世代は、もう戦争するしかないところに、それとは知らずに追い込まれていたのだ。そして総力戦研究所の若者が出した「勝ち目無し」という結論を当時のリーダー達はよくよく知っていたのに、それでも闘わざるを得なかったのだ。それは終わり方を想定せずに始めてしまった日中戦争の悲しい結末だった。単に流れでそうならざるを得なくなってしまった。明治維新のあとの戦争で自信をつけ、経済力をつけたものの日本は国として未熟だった。そういう事だったのだ。

 そして今も、同じ過ちを繰返しがちなのだと思う。自分の会社という小さな組織を見たってそうだ。開戦前夜、陸軍・海軍・内閣・外務省みんながバラバラに戦争回避をなんとなく模索するのだが、そこでリーダーシップを発揮できる人が出てこない。文字通りの「命がけ」で戦争を回避しようとする人がいなかった。鶴の一声を上げられる明治の元勲もいなくなっていた。リーダーが現れなかったのだ。

 民主主義が本当に日本で機能するのか、運用についてもう少し平時から考えておく必要がある。そして日本に必要なリーダー像も我々は持って、そうした人材を育てるべきなのだ。それが未熟だった日本があの時目指した世界から尊敬される存在になれるようになったかの1つの判断基準になると思った。まずは自分が会社でリーダーシップを発揮せねば。