3万字。図解入り。かなり本気で作った本。
それでもAmazonランキングは5万位あたりで静かに止まった。
この事例を読んで、私は背筋が伸びました。努力量としては、もう十分すぎるんです。
でも読者は、努力の重さでは買いません。
「今の自分に関係ある」「これを読むと解決しそう」「最初の3行で、自分の悩みを言い当てられた」
そこで初めて、ページをめくります。
出典として紹介されていた記事はこちらです。数字を借りるときは、必ず元記事で事実関係を確認してください。ここをサボると、文章以前に信用が沈みます。https://note.com/yamanasi_takasi/n/n917a1c751db1
こんばんは。せおっちです。
今日は、文章を書く人ほど刺さる話です。
自分が語りたい順番で書くと、コンテンツは静かに座禅を始めます。
立派なんです。姿勢もいい。たぶん内容も悪くない。
でも読者の前では動かない。
なぜか。
入口に、読者の頭痛薬が置かれていないからです。
失敗する目次は、だいたい著者の年表になっている
書き手は、こう並べたくなります。
1. なぜこのテーマに興味を持ったか2. 背景にある思想3. これまでの経緯4. 具体例5. 最後にノウハウ
気持ちはわかります。
作った側からすると、この順番が一番自然です。自分の頭の中で起きた順番だからです。
でも読者は、著者の脳内ツアーに申し込んだわけではありません。
読者が来た理由は、もっと雑で切実です。
noteを書いても読まれない
AIで記事を書いたら薄くなる
電子書籍を出したけど売れない
何から書けばいいか分からない
目次を作ると、毎回まじめすぎて退屈になる
頭痛がしている人に、薬学の歴史から話すと帰られます。
文章も同じです。
「まず私の背景を聞いてください」では遅い。「あなたの痛みはここですよね」から入る。
順番が悪い文章は、読者にとって未整理のメモと同じです。
内容が悪いのではなく、探すのが面倒なんです。
なぜ「語りたい順」はズレるのか
理由はシンプルです。
書き手は、完成までの道のりを知っています。読者は、まだ何も知りません。
この差が大きい。
たとえばECの商品ページでも、作り手はこう言いたくなります。
「この商品は、こういう背景で開発しました」「素材選びにこだわりました」「何度も試作しました」
もちろん大事です。
でも、買う人が最初に見たいのはそこではないことが多いです。
サイズは合うのか
いつ届くのか
他の商品と何が違うのか
失敗したら返品できるのか
自分の用途に合うのか
私も商品ページを作るとき、開発背景を上に置きすぎて反応が鈍いページを何度も見ました。そこで「サイズ」「配送日」「他商品との違い」「失敗しない選び方」を先に出すと、読者の止まり方が変わる。
作り手の熱量は、後半で効きます。入口では、読者の不安を先に消した方がいい。
文章でも同じです。
著者が語りたい順ではなく、読者が困っている順に並べる。
ここをAIに手伝わせます。
本文を書く前に、まず10分だけ診断する

AIにいきなり本文を書かせると、筆が速い分、間違った順番のまま高速で畳を敷き詰めます。
だから本文の前に、10分だけ診断します。
見るのはこの5つです。
| 診断項目 | 悪い状態 | 直し方 ||---|---|---|| 冒頭 | 背景説明から始まる | 読者の悩みを3行以内に出す || 見出し | 抽象語が多い | 読者の検索語に近づける || 目次 | 著者の思考順になっている | 読者の解決順に並べる || 具体例 | 後半まで出てこない | 前半に1つ置く || 結論 | 精神論で終わる | 次にやる作業で終わる |
特に見るべきは、冒頭3行と見出し5本です。
読者は、まずそこで判断します。
「これは自分の話か」「読む価値がありそうか」「今の悩みに使えるか」
ここで負けると、3万字あっても読まれません。図解があっても、そこまで到達されません。
悪い目次と、読まれやすい目次
たとえば「AIで読まれる記事を書く方法」というテーマで考えます。
著者が語りたい順だと、こうなりがちです。
| 悪い目次 | 何がズレるか ||---|---|| 1. 私がAIライティングを始めた理由 | 読者の悩みがまだ出ていない || 2. AI時代の発信論 | 広すぎて、読む目的がぼやける || 3. コンテンツとは何か | まじめだが遠い || 4. 構成の重要性 | 抽象的で手が動かない || 5. おすすめプロンプト | 一番欲しいものが最後 |
読者の悩みから逆算すると、こうなります。
| 直した目次 | 読者に渡しているもの ||---|---|| 1. AIで書いた記事が薄くなる理由 | いま困っている症状 || 2. 読まれない記事は目次の順番で損している | 原因の特定 || 3. 読者の悩みを10個出して並べる | 最初の作業 || 4. 見出し5本をBefore/Afterで直す | 具体的な改善 || 5. そのまま使える完成プロンプト | 保存できる道具 |
これだけで、同じテーマでも入口が変わります。
「AI時代の発信論」より、「AIで書いた記事が薄くなる理由」。
「構成の重要性」より、「読まれない記事は目次の順番で損している」。
読者の頭の中にある言葉から始めると、文章は急に近くなります。
AIには「文章」ではなく「順番」を作らせる

AIの使いどころは、本文の量産だけではありません。
むしろ最初にやるべきは、順番の整理です。
私なら、こう使います。
1. 読者を1人に絞る2. その人の悩みを10個出す3. 深刻な順に並べる4. 最初に渡す答えを決める5. 目次案を3パターン作る6. 悪い目次を診断させる7. 直した目次から本文を書く
この順番にすると、AIが「それっぽい文章を書く係」ではなく、「読者の現場を整理する係」になります。
ここが大きいです。
たとえば、次のように聞きます。
このテーマで読者が抱えている悩みを10個出してください。
その悩みを、深刻度が高い順に並べてください。
読者が最初に知りたい答えを1行で書いてください。
その答えに最短で届く目次を3案作ってください。
これだけでも、文章の入口はかなり変わります。
せおっちのコンテンツ工場では、媒体より先に悩みを決める
私は1つのネタを、記事、ラジオ、動画、サムネに展開することがあります。
このとき、最初に決めるのは媒体ではありません。
「誰の、どの悩みに刺すか」です。
たとえば今回なら、悩みはこうです。
「AIで文章を書いているのに、読まれない。たぶん構成が悪い気がする。でも、どう直せばいいか分からない」
ここまで決まると、媒体ごとの役割も決まります。
| 媒体 | 先に決めること ||---|---|| 記事 | 目次Before/Afterとプロンプトを置く || ラジオ | 「語りたい順で書く怖さ」を会話っぽく伝える || 動画 | 悪い目次が直る過程を画面で見せる || サムネ | 「3万字でも売れない理由」を一目で出す |
悩みが決まっていないまま展開すると、記事も動画も音声も、全部それぞれ別方向に走ります。
逆に悩みが決まっていれば、媒体が変わっても芯が残ります。
私が自社システムやChrome拡張の利用場面を見ていて何度も感じるのも、ここです。
作り手は「この機能の裏側がすごい」と言いたい。でも使う人は「どこを押せばいいの」「何分減るの」「失敗したら戻せるの」を見ています。
読者も同じです。
すごい話より先に、自分の面倒が減る話を探しています。
保存用:AIに投げる完成プロンプト

次に記事を書く前に、このまま使ってください。
あなたは編集者です。
以下のテーマについて、著者が語りたい順ではなく、読者の悩みから逆算した記事構成を作ってください。
テーマ:
想定読者:
目的:
次の順番で出力してください。
1. 読者が抱えている悩みを10個
2. その悩みを深刻度順に並べ替え
3. 読者が最初に知りたい答えを1行
4. 著者が語りたい順になりがちな悪い目次を5本
5. 読者の解決順に並べた良い目次を5本
6. 冒頭3行の案を5つ
7. 各見出しで入れるべき具体例
8. 抽象的すぎる見出しがあれば、読者の検索語に近い表現へ修正
注意点:
- 背景説明を最初に置かない
- 読者の悩みを冒頭3行以内に出す
- 見出しは抽象語ではなく、読者が使う言葉にする
- 最後は精神論ではなく、次にやる作業で終える
これを通してから本文を書くと、少なくとも「著者の年表」にはなりにくいです。
5万位で座禅させないために
3万字を書く力はすごいです。図解を作る力もすごいです。本を出す実行力もすごいです。
でも読者は、努力の総量では動きません。
最初の3行で、自分の痛みが扱われているか。見出し5本を見て、読む順番が分かるか。10分後に、自分の文章へ使えるか。
そこを見ています。
次に置くべきなのは、著者の年表ではありません。
読者の頭痛薬です。