こんばんは。せおっちです。

新モデルが出るたびに、ベンチマークの棒グラフが何本も伸びる動画を、私は今日も3本見ました。ARC-AGIがどうの、コンテキストが100万トークンだの——正直、見ている間は賢くなった気がするんです。閉じた瞬間、何も残らないんですが。

たぶん、あなたも同じ顔をしている。「で、結局どれを使えばいいの」と。

先に答えておきます。どれか1つを選ぶ、という問いの立て方が、もう古い。私はEC運営とAIエージェント開発を仕事にしていて、ChatGPT・Gemini・Claudeの3つに、毎月それぞれ課金しています。1年半、放置気味の物販を全自動で回しながら。3つとも、です。

贅沢に聞こえますか。妻にも「あなた、AIに三重課金してる中央銀行みたいよ」と言われました。中央銀行が三重課金するのか知りませんが、言いたいことは分かる。

でも、これは贅沢じゃなくて、ただの分業なんです。今日はその仕分けの話をします。賢さ比べじゃなくて、私の仕事のどこに、どれを刺しているか——という地図の話を。

「どれが一番賢いか」は、たぶん間違った問い

AIの比較記事は、たいてい総合格闘技みたいに書かれます。同じプロンプトを3つに投げて、どれが一番マシな答えを返したか、で勝敗をつける。

気持ちは分かるんです。分かるんですが、これって 全員にフルマラソンを走らせて、一番速い1人だけ雇う みたいな話で。実際の仕事って、走る場面もあれば、重い荷物を運ぶ場面も、細かい字を書く場面もある。マラソンランナーに引っ越しを頼んだら、速いけど皿を割る。

私が3つに払っているのは、3人の専門職を雇っている感覚だからです。経理に強いやつ、文章がうまいやつ、黙々と作業するやつ。ひとりのスーパーマンを探すより、3人の凡人を適材適所に置いたほうが、現場は回る。

「全部こなせる万能AIを1つ」を探している限り、あなたは永遠に乗り換え続けることになります。来月もっと賢いのが出るので。追いかけるのをやめて、配置を決める。これが、最新追いに疲れた人の最初の一歩です。

ここから先は、私の現場の3場面で、誰をどこに置いているかを開示します。EC運営、記事制作、自動化。順番にいきましょう。

場面1:EC運営の雑務 → Gemini(Google帝国の領民として)

私はEC運営6年、楽天とAmazonで中国輸入をメインにやっています。で、ECの実務って、9割が地味な事務作業なんですよ。在庫表、売上の集計、メールの下書き、画像の整理。華やかさはゼロです。

ここで私はGeminiを使います。理由はシンプルで、私のデータが全部Googleの中にあるから

スプレッドシートに在庫があって、Gmailに仕入れ先とのやり取りがあって、ドライブに商品画像がある。私はもう Google帝国の領民として年貢を納めて暮らしている ので、その帝国の中で動くAIが一番手っ取り早い。シートの数字をそのまま読ませて「赤字の商品だけ抜き出して」と頼むと、別アプリに貼り直す手間なしで返ってくる。

正直、文章のニュアンスはChatGPTやClaudeのほうが上手です。Geminiの日本語は、たまに翻訳ソフトみたいな直訳のぎこちなさが出る。でも、在庫表の数字を読むのに名文はいらない。領内で完結する速さが、ここでは全部に勝ちます。

ちなみに私は、よく在庫を切らします。これだけ自動化を語っておいて、欠品の名人です。なので最近は、在庫が一定を割ったらGeminiにアラートを書かせる仕組みにしました。仕組みで殴れば、面倒くさがりでも一応回る。

場面2:記事制作と思考の壁打ち → Claude(言葉の長距離ランナー)

次は、まさにこの記事みたいな、文章を書く仕事です。ここは私の中でClaude一択になりました。

理由は2つあって。1つは、長い文章を読ませても破綻しないこと。最新のClaudeは100万トークンという、文庫本で言えば何冊分という量を一度に頭に入れられる。私が過去に書いた記事をごっそり渡して「この口調を維持して続きを」と頼むと、5000字くらいまでなら声がブレない。言葉の長距離ランナーなんです。短距離の瞬発力じゃなくて、長く同じ温度で走れる持久力。

もう1つは、嘘の少なさ。正確さが要る技術文書や、事実を扱う文章で、Claudeはわりと「知らないことは知らない」と言ってくれる。EC黎明期に、使えないツールの年間契約を口のうまいセールスに掴まされた苦い過去がある身としては、それっぽい嘘を流暢に言わない相棒は、それだけで信頼に値します。

毎朝、多摩川の土手を歩きながら、私はAIと独り言みたいに対話するんですが——記事のネタを煮詰める壁打ちも、最近はここでやっています。妻には「あなた今日、人間と一言も喋ってないでしょ」と見抜かれましたが。土手の犬とは目が合いました。一応。

場面3:自動化とコード → Claude Code(黙々と働く、文句を言わないやつ)

3つ目は、私の本業の本丸。AIエージェントや業務改善ツールを作る、コードの世界です。

私は「5分の作業をサボるために5時間かけて自動化する」人間で、ここが一番時間を使う場所です。で、コードを書かせる用途では、Claude Code が頭ひとつ抜けています。プログラムの全体構造をちゃんと理解して、バグの少ない、読める綺麗なコードを書いてくる。

何より、文句を言わない。

私の理想のAI像は、昔からドラえもんなんです。頼めば、嫌な顔ひとつせず道具を出してくれる存在。Claude Codeに深夜2時に「このバグ直して」と無茶を投げても、ため息ひとつつかずに直す。……ありのまま今起こった事を話すと、丸一日かかると思っていた在庫連携ツールが、気づいたら昼飯を食う前に動いていた。何をされたのか分からねぇ、と一瞬本気で思いました。要は、設計を渡したら、実装をまるごと肩代わりしてくれた、という話です。

ただ、ここだけは強めに言わせてください。自動化は、手綱を握ったまま走らせるものです。

便利だからと全権委任すると、AIは平気で本番のデータを触りにいきます。私はツールを作るとき、AIに「ここから先は触るな」という枠を必ず先に決める。賢い馬ほど、囲いがいる。安心してください、囲いさえ作れば、あとは黙々と走ってくれますよ。

まとめ:3刀流の早見表と、最後にひとつ

長くなったので、私の配置をひとことで。

Gemini → EC運営の雑務。データがGoogleの中にある人の、領内最速。

Claude → 記事・思考・コード。長文で声がブレず、嘘が少なく、文句を言わない。

ChatGPT → ここまで名前を伏せていましたが、私の場合は「最初の相談窓口」。何でも一番そつなくこなす器用さがあって、とっかかりに迷ったらまずここに投げる。総合受付です。

もちろん、これは2026年6月時点の、私の仕事の地図にすぎません。来月には序列が変わっているかもしれない。AIの世界は、賞味期限が牛乳より短い。

でも、です。たとえ中身のモデルが入れ替わっても、「自分が一番時間を使っている業務はどれか」から逆算するという地図の描き方は、来年も再来年も使えます。道具は変わる。配置の考え方は変わらない。

そういえば、冒頭の私は、ベンチマーク動画を3本見て何も残らなかった人間でした。今は、3つのAIにそれぞれ仕事を割り振って、放置した物販が全自動で回っている。賢いAIを探すのをやめて、凡人を適材適所に並べたら、現場が回り始めた——という、ただそれだけの話です。

あなたも、3つ全部に課金しろとは言いません。でも、まず1つでいいから「これは何の係か」を決めてみる。賢さより、配置。それだけで、最新追いの永久ループから、たぶん降りられます。

知らんけど。いや、これは本当です。

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*書いた人:せおっち。EC(楽天・Amazon)を自分でやりつつ、AIエージェント/AI業務改善ツールを提供しています。本記事は個人の使用感に基づくもので、各AIの仕様・料金は変わるため、契約前に最新情報をご確認ください。*

*最終更新:2026年6月*