木曜はラノベ愛語り。今回は、最後の友情場面で泣けちゃう話を紹介します。
今回紹介するのは、葉月秋水先生の『声が出せないので無詠唱魔法でもいいですか!!!』です。この作品、note仲間が記事で紹介していたので、面白そうだから読んでみたら本当に面白かった…と言う作品です。こんな面白い作品を発掘してくださったnote仲間、凄い!
物語は、魔法の存在する王国が舞台。フランベール公爵家の一人娘アリアは「聖女」の血筋の影響で、「白の聖痕」が喉にあり声を出す事が出来ません。普通なら人生に影を落としそうなものですが、父と母にメッチャ愛されて育ったアリアは、めっちゃプラス思考の少々「残念な」美少女に育ちます。
アリアは魔法が大好きなのですが、声を出せないので詠唱する魔法は使えません…が、無詠唱で魔法を使う技術を極め続けます。とは言え、アリアの使える魔法は「ネコをマッサージする」魔法だけ。そんな彼女は、王国最高位の特級魔術師ローレンスと出会った事で、どんどん世界が広がっていきます。
この物語、どうやら大長編をねらっているらしく、この1巻目だけでは終わりません。ローレンスには、何やら「過去」がありそうですし、「白の聖痕」には人に知られてない秘密がありそうです。物語の最後の方で謎めいた登場人物が出てきますし、そもそも登場人物の多くが、今回の物語で十分に活躍した訳ではなさそうです。おそらく、今後の物語の中で謎が解け、登場人物たちも大活躍するのでしょう。
そんな大長編の香りのする、この物語…なかなか面白いです。その大きな要因は、主人公であるアリアのキャラクター及び、それを成立させている背景にある…と、私は考えています。
先程、アリアは「めっちゃプラス思考」と書きましたが、単にプラス思考なだけでなく、もの凄い努力家でもあります。「なんとかなるっしょ」で何の努力もしないのなら、軽薄な若者って印象になり、それでは魅力的なキャラクターとは言えません…が、アリアは違います。「なんとかなるっしょ」を実現する為に、本を読んだり、実験したり、練習したり、相手と話し合ったり、もうあらゆる努力を惜しみません。
そして、その努力する心を支えているのが、ある種の勘違いも含んだ、アリアの自己肯定感(自尊感情)の高さにあります。何せ、「父と母にメッチャ愛されて育った」アリアは、自分の事を本気で世界一の美女(現段階では美少女)だと思っているし、世界一の魔術師になれるとも思っています(この辺りが、少々「残念な」美少女ですね~。笑)。
この部分は、この物語の肝と言って良いのですが、親から愛情をたっぷり受け取った子供が、高い自己肯定感をもつと言うのは、私の仕事的に考えても非常に説得力があります。だから、作品の世界にスッと入っていける訳です。
そして、その様なアリアの設定があるので、最後の山場となる魔法コンテストが大いに盛り上がるのです。ペアで出場しなくてはならないので、同じ学年のヴィクトリカと組む事になるアリア。そのヴィクトリカは、アリアとは違う面で大きな問題を抱えていて、2人は、それを乗り越えなくてはならない状況に追い込まれます。
ここの乗り越え方が…素晴らしいんだよなぁ。
ネタバレになるので詳細は書きませんが、ヴィクトリカへのアリアの関わり方が、もう最高です。絶対の正解ではありませんが、かなり理想的な関わり方です。自分が指導している学級の子供たちにも、こう言う関わり方を是非やってほしいです。もう、女の友情に涙、涙ッス。
それまでのアリアの設定から、この物語の世界に入り込んでいるので、このアリアの関わり方が腑に落ちます。かくて無理なく物語の展開に納得出来て、物語は最高潮を迎える…って訳です。
2ヶ月連続発刊なので、続きは直ぐに読む事が出来ます。うん、サッサと購入して続きを読まなくちゃ。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。