生田長江氏は、戦前の教育者であり、社会主義を支援された文学者である。主要な著書に
「ニーチェ研究」、「釈尊伝」等があり、大正期の流行作家であった島田清次郎の著作
「死を超ゆる」「地上」を高く評価した人でもあった。東京帝国大学美学科の出であり、
与謝野鉄幹らと関係が深いのですが奇しくも右翼指導家の北一輝、実業家の五島慶太氏と
同年であり、資質の違いによる方向性の差異を感じます。生田長江は戦前の階級社会における
下層階級に目をむけ、島田清次郎らの、貧しさからの光を評価したのではないか。彼もまた
貧しく、ハンセン氏病に冒されその中で、釈尊伝を書いた。