文部省指導要領の再検証ではありませんが、まず人間教育の根本を考えていかねばなりません。現在の教育は、単純な記憶術と反復練習がほとんどであります。受験教育の弊害であります、機械的な記憶の反復では、頭の固い優等生ができるのがせきのやまでしょう。
まず現実と学問との連関関係を呈示しなければなりません。たとえば、数学の定理のなかに
テイラー級数展開、マクローリン展開というものがありますが、一体全体何を狙ったものでありましょうか。難解な数式の展開はそれを職業としている人であれば当然得意でしょう。我々が極める
所はただ一つ、それは形而上学的な意味であり、アバウトな数学的自然学の数値の精度を
高めることに他ならないということです。ある一点xからx'の区間において自動的にn回微分する
ことによる変化量の値の精緻化というのが唯一の存在規定であります。