彼はルワンダ―大虐殺の時、彼女の手を切り落とた ・・・ あれから25年、彼らは今・・・

(左の男性がエマニュエル。右の女性がアリス)

ジェシリン・ランカスター

おおよそ25年前、エマニュエルはアリスの手を切り落とした。
そして彼の仲間達は、アリスの赤ちゃんだった娘を半分に切断した。
アリスは「死ぬんだな」と思った。
ルワンダ大虐殺を引き起こした残虐行為は猛威を振るっていて、知り合い同士だった2人を敵に変えてしまったのだ。

しかし主は、二人に一つの贈り物を与えて下さった。和解の奇跡だ。

アリスの全てが明るく、生き生きとしていた。彼女のドレスも声も歌も、主にたいする情熱も。

ワールドビジョンと共にやって来たジャーナリスト達の一団に話している時に、彼女は隣に座っている厳粛な面持の男性を手で指し示しながら、彼が刑務所から出所して来る前に、彼を赦すことができるように神様がどのようにして自分の心を整えてくださったのかを語った。


「彼の手はもはや血まみれではありません。なぜなら、私達全員が彼を赦し、共に平和に暮らしているからです。」


エマニュエルは、植民地主義の支持者達が言明したように、ルワンダの多数派であるフツだった。
アリスは、植民地主義の支持者達が上層階級と位置付けた少数派のツチだった。

1980年代後半と1990年代前半、インプザムガンピとインテラハムウェを含む政府支援民兵組織がプロパガンダに基づいて、抵抗勢力を組織し始め、新聞という新聞は風刺画を掲載し、ツチに殺される前に立ち上がるようにとフツに呼び掛けた。

そして1994年、ルワンダとブルンディ両国の大統領を乗せた飛行機が撃墜され、大虐殺が始まった。

約3か月間、なたや園芸用品や釘から作った粗悪な武器などありとあらゆる物を用いてフツは襲撃を続けた。

隣人が隣人に敵対し、友人が敵と変わった。
アリスは、1991年にルワンダ大虐殺の先駆けとなる襲撃で父親を亡くした。
母親と兄弟達は、ニャマタの教会に避難している時に焼き殺された。

エマニュエルと彼の仲間達が襲撃してきた時、アリスは一巻の終わりだと思った。

赤ちゃんだった娘が自分の目の前で殺害され、目の前が真っ暗になりました、とアリスは語っている。
その日、アリスは片手を失った。
やりが彼女の肩に突き刺さり、釘の付いたこん棒が左の頭蓋骨に振り落とされた。

アリスはその時の事を思い出してこう語っている。「思考が停止するんです。誰が自分を襲っているのか分からなくなるんです。」

彼女の左半身は麻痺してしまった。

彼女を襲ったフツは、彼女は死んだものと思った。
周囲では、犬たちが腐った人肉を食べていた、とアリスは語っている。

彼女は、フツに襲われた者達のための難民キャンプにたどり着き、そこで夫と再会する事ができた。
その難民キャンプで聖書を見つけた彼女は、赦しに関する箇所を読み始めるようになる。

主は、自分を襲った加害者達と全てのフツを赦すようにと彼女の心に促した。


「神様が私を赦してくださったように、私も彼らを赦さないなら、私は神の御国を受け継ぐことはできません。」


娘を失った痛みを取り除くために、主はさらに5人の子どもを授けてくださいました、とアリスは語っている。

1997年に、アリスはワールドビジョンとつながり、同団体は、彼女と他の生存者達に食料、毛布、鍋を提供してくれた。
2007年に、同団体は彼女の子どものうち2人のスポンサーにもなってくれた。


「彼らが、私達に赦すことを教えてくれました。かなり前のことですが、今でも覚えています。彼らは私達の物質的な必要だけではなく、内側、私達の霊と魂も支援してくれたのです。」


2003年、Ukuri Kugarizeという統一機構を通して、アリスは再びエマニュエルと直接顔を合わせることになる。

エマニュエルは1997年からずっと刑務所に入っていたが、地域奉仕をする事によって処罰を減刑するというガチャチャ裁判での取り決めの下、釈放された。

エマニュエルがアリスと顔と顔を合わせた時、赦しを乞い求めるようにという聖霊様の促しを彼は感じた。

アリスはこのように語っている。

「彼は、記憶に残る方法で私の前に現れました。汗をかき、緊張しながら膝まずき、心から赦しを求めたのです。」

エマニュエルは、自分がアリスの手を切り落とし、自分の仲間達がアリスの娘を半分に切断したことを告白した。

あまりのショックで、アリスは卒倒してしまった。

自分達の子どもを殺した者達に囲まれていたので、夫は必死で彼らを赦そうとしていた、とアリスは語っている。

「その週、私達は彼を赦しました。神様が私達と共にいてくださったからです。クリスチャンとしての私達の信仰が、この赦しのプロセスを通る上で助けとなりました。」

エマニュエルと再会する直前に、アリスは自分を襲った人を赦すことができるように、自分を襲った人が誰であるのか明らかにしてくださいと主に求めていた。

「私を襲ったのが彼だったと知ってショックでした。」

そして他の者達も同様に彼女に赦しを求めにやって来た。
彼女はワールドビジョンと共にやって来た私達ジャーナリストの一団に、エマニュエルの隣人であり、和解社会の一員であるバロシマンという男性を紹介した。
大虐殺の時、彼もまたツチを標的にしていたが、その後、主に再び目を向けるようになっていた。

アリスをハグし、とうもろこしを手渡しながら、バロシマンは「Mon ami 彼女は私の友人」と言った。

エマニュエルは、他に4家族に赦しを乞い求めた。

今、彼とアリスは友人として暮らしている。彼は、彼女の土地にレモンの木を植えた。和解が実を結ぶことを次の世代に示すためだ。


アリスはこう語っている。
「ここではフツもツチもいません。
私達は全員、一つに結ばれていて、私達の上には神様がおられます。
あなたが神様を信じてない、あるいは知らないなら、赦しを乞い求めることは困難でしょう。本当だったら、私は、今日生きてなかったはずです。
しかし、私が体験した事を伝えるために、神様は私を生かしてくださったのです。」



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