モルモン教の人達にどう伝道すべきか パート2-人間関係という橋を築くー

ビル・シェプソン


ユタ州デルタにあるデルタ・フォースクエア・チャーチの主任牧師ジョージアン・ディラードは1996年のあの日を決して忘れることはありません。あの日とは、夫の突然の死から間もなく、彼女の庭に1人のモルモン教の友人が気も狂わんばかりにトラックで乗り入れてきた日のことです。彼はトラックから飛び出してくるとこう言いました。「君達は、僕たちがこうしなさいと言われながらも、そうすることができない事を実践しているよ。」


牧師は衝撃を受けました。彼女はこの紳士のことを何気なく知っている程度でした。といのも彼は、彼女の夫の友達だったからです。モルモン教と正統派キリスト教という無数の教義の違いがあったにも関わらず、彼女の夫はこの男性との間に友情とコミュニーケションの橋を築くことができていたことは明らかでした。この男性は、彼らの生活を注意深く見ていました。そして今、霊的労働の実が結び始めたのです。


この話しは、モルモン教の人達に福音を効果的に伝えるために、恐らく一番の鍵となるものを如実に示しています。
その一番の鍵とは、友情という本物の橋を築くことです。ジョージアンは、末日聖徒イエス・キリスト教会のメンバーへのアウトリーチは、大衆伝道によって効果的に成し遂げられていくものではないと断言しています。
友人関係という状況の中で1対1で、ゆっくりと時間をかけて伝道していく必要があるのです。


「私達は、真実で愛情深い人間関係と友情を地域の人達との間に築き上げていくことを伝道のフォーカスとしています。」とジョージアンは説明しています。
そうすることによって、イエス様の愛を心から伝えるために欠かすことができない信頼が与えられるのです。モルモン教文化の特殊さのゆえに、この1対1の伝道方法は、最も上手くいっています。


彼女は続けてこのように言っています。「私達はあの男性にあの女性にといった感じで、ある特定の人達を選び出して特別伝道しようということはしません。そうではなく、彼らと友達になって、彼らのことを心から愛するのです。しばしば、彼らは私達の親友となります。大抵、私達のイエス様に献身した一貫性のある普段の生活とイエス様の愛が一番効果的なのです。」


あなたが信じていることを実践する


妻キャロルと共に、アイダホ州アイダホフォールズにあるシロ(アイダホフォールズ・フォースクエア教会)を牧会しているトニー・マウピンJrは同じ意見です。トニーは、10年前にシロに来て、キリストに人生をささげた2人の兄弟ウォーレンとブレントについて話してくれました。彼らは熱心なモルモン教徒として育てられました。


ブレントは最近、61歳で天に召されましたが、トニーがウォーレンになぜ彼と彼の弟はクリスチャンになろうと決心したのかと尋ねると、彼はこうはっきりと答えたそうです。「あなたの教会の人達は、信じていることを実践していたからです。それと彼らは私達のことを愛してくれたから。」ウォーレンの成人した2人の子どもと彼らの伴侶達もまたキリストに従う決心をしました。


トニーはこう言っています。
「私は、ほとんどずっとモルモン教徒が多いイースタン・アイダホに住んでいます。熱心なモルモン教徒達と一緒に教育委員会で働いてきました。また自営業者として顧客であるモルモン教の司祭達のために働いてきました。私の友人、近所の人達、そして親戚の多くはモルモン教徒です。」


「熱心なモルモン教徒がクリスチャンに説き伏せられて神の国に入ってくるのを私はまだ一度も目にしたことがありません。
誰かが自分のことを愛してくれたり、自分のために祈ってくれたり、信仰をシェアーしてくれたのでイエス様を信じた人達が多いことに私はしばしば気がついています。」とトニーは断言しています。


シロは、時々、地域の他の教会と共に、モルモン教と正統派キリスト教に関して講演するスピーカーを招いて講演会を主催しています。スピーカーがこの問題について熟知している元モルモン教徒で、モルモン教の人達のことを心から愛している人である場合は、有益な講演会となります。けれども、やはり個人的な関係の中での伝道が一番効果的なのです。


長い目で見る


ユタ州シーダーシティーにあるツルー・ライフ・センター(シーダーシティー・フォースクエア教会)の主任牧師、ピート・アキンズはどのようなタイプの公けの伝道や伝道しようという試みも文化的に無神経とは言わないまでも、不愉快と捉えられる、モルモン教が深く浸透している地域に住んでいます。だからこそ、彼が妻カミと牧会している教会は、そのような伝道方法には重点を置いていません。私達は近所の人達や同僚達のことを理解し、愛することに重点を置いています、と彼は語っています。


そのためには長期的なビジョンが必要とされます。これはモルモン教の友人に伝道したいと思っているすべての人が頭に入れとくべき重要な秘訣です。(多くの場合)変化は一夜にしては起こりません。


「私と妻は、発言権を得ることができるようにこの町のために私達に20年間与えてくださいと主に求めました。モルモン教の人達は、家族を大切にし、自分達の教会にたいして深い忠誠心をもった素晴らしい人達です。私の心は、救いを得るために必死で戒めを守る地域社会とキリストにたいしての彼らの誤った理解に痛みを感じます。」とピートは語っている。


ピートは、元モルモン教徒で現在は彼の教会で牧会リーダーをしている男性について語っています。この男性が、ツルー・ライフ・センターに来たとき、彼は完全に教会に幻滅していました。というのも、モルモン教の人達は、彼らの教会だけが本物の教会だと信じるように育てられてきたからです。だからもし誰かがモルモン教から去るなら、モルモン教以外に真理はないので、その人は堕落した者なのです。そういうわけでこのような幻滅感は、モルモン教から抜け出た人達の間によく見られるものです。


けれどこの男性がツルー・ライフ・センターに出会った時、ここなら自分は学んで成長することができると感じました。彼は、心に抱いていた疑問を隠し立てせずに自由に口に出すことができるようになったのです。


「彼は、メンズ・キャンプに参加しました。そしてそんなこと可能だと思ってもいなかった別の世界を彼が受けいれることができるように主はしてくださいました。私達が彼らを追い払ったりせずに、無条件で彼らのありのままを受け入れるならば、神様が「神様の時に」、彼らの心を変えることができると知ることは素晴らしいことです。」とピートは語っています。


あなたの隣人を愛する


私達がモルモン教の人達と対話をしたり、隣の家や一緒に働いているモルモン教の人達と友達となる時に心に留めとくべき助言をモルモン教徒が多い地域で働いている、フォースクエア教会の牧師達が教えてくれています。


「愛が必要不可欠です。」とジョージアン・ディラードは語っています。
「まず、真の人間関係を築くことを求めてください。一緒に何かをして、交友を楽しんでください。」
イエス様は求道者にご自身のことを力強く、またいつでもいてくださる方として示したいと思っておられるので、私達はイエス様の視点をもち、聖霊様に力づけられ、御霊の賜物を働かせるべきだと、彼女は言及しています。


ピート・アキンズも同じような意見です。「敵対的なアプローチではできないことを、聖霊様があなたの彼らとの友情を通して成し遂げてくださるように祈ってください。自分達が信じていることや価値観、習慣について彼らが話すときに、その対話を楽しんでください。彼らが語ることに耳を傾け、理解してあげてください。それこそが友情というものです。」


トニー・マウピン Jrは、モルモン教の教義を調べ、把握しとくべきだと助言しています。しかし、それはモルモン教の人と出会った場合のみであって、私達はモルモン教を一番の関心事とすべきではありません。


トニーはこう語っています。「あなたを通して神の愛が彼らの心に働きかけるようにしてください。彼らにたいして親切であってください。あなたがモルモン教徒ではないなら、自分達に挑戦してくるはずだと彼らは予想しています。彼らはすでに予行練習した沢山の答えを持っています。彼らはすでにあなたが自分達とは違うことを知っています。彼らが知りたいのは、どうしてあなたは自分達と違うのかなのです。」