挑戦していないことが怖い!?
挑戦するのが怖い人、挑戦していない方が怖い人。
こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。
今回は、私が前職で見ていた子どもの話をしたいと思います。
【プロフィール】
大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。
エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/
「挑戦はした方がいい」ということはわかっていても、「挑戦して失敗したらどうしよう……。怖い……」という気持ちが先に立つことも多いと思います。
でも、一方で、世の中には、「挑戦しないことが怖い」という人もいるのです。
「挑戦しないと怖い」という理由を理解できれば、逆に、人はもっと挑戦しやすくなるのではないかと思い、その視点を見ていきたいと思います。
早稲田大学ラグビー部の監督、ラグビー20歳以下(U20)日本代表の監督を務めた経験もある中竹竜二さんは、ご自身のことを、「挫折が多い選手人生だった」と言います。
そして、「挫折・逆境は必ず、いい経験に変えることができる。また、挫折・逆境と挑戦はセットで考える」ということを述べられています。
◆成功している未来の自分に会いに行く
私は挫折や逆境に出会うと、「この挫折・逆境があるからこそ」と思うようにしています。今はつらいけれども、どこかで振り返ったときに、「ああ、あの経験があったからこそ今の成功があるんだ」と思えるようにしたいのです。
そのためには、心のタイムマシンに乗って、成功している未来の自分に会ってくることがもっとも有効です。挑戦したあと再び挫折してへこんでいる未来の自分ではなく、挑戦した結果、それを乗り越えて成功している未来の自分に会いに行くのです。
それは決して難しいことではありません。その未来の自分とたくさん会話をします。成功するために具体的にどんなことをやったのか、どんなことに気をつけたのか、誰と頑張ったのか―― そんなことをできる限り質問してみてください。要するに、未来の自分に現在の自分がインタビューをするわけです。そうすると、必ず未来の自分が答えてくれるフレーズがあります。
「あのときの挫折・逆境があったからこそ今の成功がある」
今まさに直面している苦境のおかげで成功したんだというストーリーを、未来の自分に語ってもらうのです。
わが子がもし何かに挑戦して挫折をしてしまったら、挫折したからこそ会える未来の自分に会いに行き、たくさん会話をしてくるようにアドバイスしてみてください。
その答えの多くは、すでに自分の中にあるはずです。そして、なんだかんだと理由をつけてやらなかったことだと思うのです。自分の外側に理由を求めている限り、人は決して成功はできないし、成長もしません。未来の自分がそのことを教えてくれることでしょう。
◆失敗した未来の自分が教えてくれること
成功した未来の自分だけではなく、失敗した未来の自分も大切なことを教えてくれることがあります。失敗した未来の自分は、「やっぱりあのときに思い切ってやっていればよかった」と言うのです。
私は6歳からラグビーをやっています。数え切れないくらいの感動や喜びがありました。でも一番鮮明に覚えているのは、やはり悔しい思いをしたときのことです。
どんな試合であれ、負けたときの悔しさはこの上ないものです。そんな負けて味わう悔しさでも、ある程度受け入れられるものとそうでないものがあります。
たとえば、「今回は相手が本当に強かったので、今の自分たちの力ではどうしようもないなあ」と潔く負けを認めて受け入れるパターンがある。その試合で自分たちは力をすべて出しきりベストを尽くした。けれども敗戦してしまった、という負けです。
一方、自分たちの力を少しも発揮できずに負けてしまった試合というのもあります。なんとも表現しがたいのですが、とにかく思い出すたびにとても悔しい。
振り返ってみると、その原因は試合の勝ち負けに関係なく、失敗することを恐れて自分自身が理想とするプレーに挑戦しなかったことだったりするのです。普段なら目の前に敵がいても思い切って突っ走るのに、その試合に限ってはなぜか弱気になってパスをしてしまい、結局ミスをしてしまった……などです。
失敗した未来の自分が教えてくれること。それは、チャレンジしないことがもっとも大きな後悔を生むということです。失敗した未来をイメージすることも、ときには必要になるでしょう。
『オフ・ザ・フィールドの子育て』著 中竹竜二
「やらない後悔より、やった後悔の方が良い」という言葉は、よく聞きますね。
私の大好きなユーチューバーとしておなじみのヒカルさんも、常に挑戦をし続けているお一人です。
よく勇気があるとか決断力があると言われるけどそれは違う。
俺は毎日いろんなことにビビりながら生きてる。
ビビってるから常に行動するし、結果がでないときは何かを変える。
俺は何もしないことが1番怖い。
と、ヒカルさんがTwitterでつぶやいたことがありました。
他のユーチューバーと比較すると、どうしてそのポジション(2020年9月8日現在 登録者416万人)までいっても、ストイックに頑張りつづけられるのか?なぜ、新たなことに挑戦していけるのか?という疑問が湧いてきます。(1つの目安として、100万人の登録者数を越えたら、一段落というか一つの安定ポジションとなると言われています)
ヒカルさんの答えは、こうでした。
「ユーチューブで日本一をとりたいから。日本一になりたいから、それに見合った努力をしているだけ。他にもっと楽してお金を稼ぐ方法は、影響力をある程度もった今ならいくらでもあるけど、YouTubeが好きだから夢中でやっているだけ」。
以前、「諦める」という言葉が辞書にない人の3つの共通点という記事でも書いたのですが、人によっては、「桁違いの想い、夢中」という状態があるのです。夢中でやっている人にとっては、挑戦しないで、自分が成し遂げたいものから遠ざかることの方が、よっぽど怖いのかもしれません。
また、ヒカルさんは自分の目標を公言して、自分を追い込むことにしているそうです。何度も、夢や目標を語っては笑われたり、バカにされたりしたことがあったとも言います。
例えば、ユーチューバーなのに歌に挑戦することに批判的な声があったり、ゲーム実況をやっていた頃を指して、「あの頃の方が良かったです」と言われたり。
たしかに、歌に関しては、慣れていないし、向いていないと思う。でも、だからこそ、挑戦する価値があると思っているし、人として大きくなれている気がする。
また、日本一のユーチューバーという目標に向かって、一つずつ挑戦しているんだから、「あのころが良かったではなく、もっと進化した自分を見て」とも思うそうです。
要するに、自分が心の底から目指すところ(日本一のユーチューバー)があり、それに向かって戦略をたて、夢中で挑戦をしつづけているから、他人の目は気にならないということなのでしょう。
夢中である、本気で取り組んでいるという姿勢は、挑戦する上で大きな武器になるのです。
それでも、挑戦することが怖いという人もいると思います。
中竹さんは、「自分らしい挑戦」をすれば良く、「自分らしい挑戦」をするためには、自分のことをよく知るといいとも言っています。
私は以前、『壁をこえて行こう 挫折と挑戦』という書籍を子ども向けに書きました。「挫折と挑戦」ということについては、ずっと考えてきたテーマなのです。私はたくさんの挫折をしてきました。例を挙げると、けがと手術、試合での敗北、受験の失敗、いじめ、差別、反逆など。しかし、それらの挫折があったからこそ、たくさんの挑戦をすることができました。
私たちは多かれ少なかれ、挫折と挑戦を繰り返しながら生きているものだと思います。もっと言えば、うまく結果が出ることは少なく、生きている間のほとんどが挫折と挑戦の間を行ったり来たりしているようなものでしょう。しかし、挫折から挑戦へ向かうことは、そんなに簡単なことではありません。
どんなに勉強をしてもなかなか成績が上がらないとか、好きな相手が全然自分を好きになってくれないとか、文化祭で自分のやりたかったことをほかの誰かにとられてしまったとか……。それは大人になっても同じです。思い通りにならないことはたくさんある。「思い通りにならない物事をなんとかする」のが人生だと言えるでしょう。
その「思い通りに行かないことをなんとかする」という前向きな精神を持った子に育ってもらうために、ちょっとした心構えや気持ちの持ちようを変えていくことで、挑戦のステージに近づいてもらえればと思います。
そのコツの一つは、「挫折を受け入れ味わうこと」。失敗や苦境から目をそらさず、挫折をしっかりと味わうことで、そこから始まる挑戦のストーリーと最終ゴールを思い描くことができます。
世の中に、唯一正しい挑戦というものはありません。人にはそれぞれ自分に合った挑戦というものがあります。言えることは、自ら強い挑戦をしなければ、かえって失敗や挫折を繰り返すことになりかねないということ。その自分らしい挑戦をするために、まずは自分を知ることです。自分がどんな人間であるのかを理解しておかなければ、挫折や挑戦のしようがありません。
挫折とは思い通りにいかないことですが、自分の能力や思考を理解していなければ、現実を正しく把握することは困難です。すると、無謀な目標を立てたり、うまく行きすぎたときには勘違いをしたりするようになってしまいます。
まずは挫折を受け入れる。挫折をしっかりと味わい、じっとしていられない自分を感じる。そのあとで、挑戦という成功のストーリーを描くターンに入りたい。
『オフ・ザ・フィールドの子育て』著 中竹竜二
(まとめ)
①挑戦せずに、後悔した未来を想像してみる
②挑戦して失敗したと想定して、そこからの復活劇を
遂げる未来の自分に会いに行ってみる
③小さい挑戦と挫折を経験してみる
④夢中になれる何かを見つけてみる
「挑戦はした方がいい」と口で言うのは簡単ですが、「挑戦したい!!」と心から思えるようになるには、大きな壁がありそうだなと感じています。
そのような方は、この4つのどれかをやってみてはいかがでしょうか。
『オフ・ザ・フィールドの子育て』より抜粋
強いチームというのは、仲間同士がお互いの「らしさ」や、「好き・得意・苦手」を理解しているものです。
早稲田大学のラグビー部に林という選手がいました。林の運動センスは、同じく運動センスのない私もビックリするぐらいのレベルの低さでした。ボールを取ろうとしても落とすし、味方のサポートをしているだけなのに一人で勝手に転んでテレビ画面から消えたりする。まるで漫画みたいな失敗をたくさんする選手でした。
でも、林だけが1年間全試合に出場しました。背番号8は、彼の不動のポジションでした。なぜなら、彼には強烈な武器があったからです。それはタックル。これがすごかった。どんな大きな相手でも、ひるまずに向かっていきます。
でも、その武器を彼が最初から持っていたわけではありません。ほかのことができないから、一切の練習をタックルに注いだ結果、強烈な武器になったのです。
私は林に、冗談ではなく本気で「ボールに触るな」と言いました。最初、林は意味がわからないという顔つきでした。それもそのはず、誰だってラグビーをやっていて楽しいのは、ボールを持って走ることだからです。それなのにボールに触らないでどうやってプレーするんだろう?と不思議がっていたのです。
「ラグビーは15人でやるスポーツだ。林が一人でやっているわけではない。林には林にしかできないことがある。そこを徹底してほしい」と私は言いました。じつのところ、「僕はどんなプレーでもできます」という選手のほうが、使い道を見つけるのに困ることがあります。凸凹は、でこぼこしているからこそ、がっちりと組み合わさることができるのです。
林の弱点は、チームメイトたちもよくわかっていました。だから、林がボールの近くにいてもボールを回しません。ところが、相手のチームはそんな事情を知らないので林をマークする。そうすると、うまい具合にダミーになって、相手のマークを一人つぶすことができる。味方はみんなわかっているから、「あうん」のサインプレーが成り立つ。一方で、林が万が一ボールを持ってしまったら、全員で必死にフォローしようとするのです。
守りに入ったときには、どんな大きな相手が来ても、林は一発のタックルで倒すことができます。100㎏を超える敵のエースがボールを持ったら、普通なら二人がかりでタックルしなければならない。しかし、そこに林がいれば一人で充分です。
そうすると、味方は次の選手へのマークを意識することができます。ここでも暗黙のサインプレーが生まれました。
人は嫌いなことに向き合うとストレスを感じ、嫌いなことを人前でやるときなどは過度のプレッシャーにさらされます。なかには、「イヤなことを克服してこそ成長する」などと言う人ももちろんいますが、そういうタイプの人は、おそらく誰よりも負けず嫌いで、もしかしたら過去に弱点を克服して成長できた経験を持っているのかもしれません。しかし、多くの人にとって、ストレスや無駄なプレッシャーは失敗する確率を上げ、結果的に取り組む意欲を削いで成長を阻む要因になるでしょう。
でも、「嫌いなこと、不得意なことに焦点を当てる」ことで、それが「その人らしさ」につながる可能性もある。林のように。彼は自身の欠点を逆説的に活かしました。
自分の「好き・得意・苦手」を知りましょう。するとその延長線上に、それまで自分には見えていなかった「コンプレックス」があることに気づくかもしれません。
もし、自分の子や職場の部下の行動などに対して、イライラしたりヤキモキしたりすることがあるとしたら、それはあなたが気づいていなかった、あなた自身のコンプレックスの裏返しなのかもしれません。
原因は相手ではなく、自分のほうにあるかもしれない―― そのことに気づけなければ、状況を変えることはきっと難しいでしょう。自分の「好き・得意・苦手」を知ることは、その最初の一歩になると思います。
◆『オフ・ザ・フィールドの子育て』の紹介◆
本書では、「多様性」というキーワードに着目し、それを独自に育んできたラグビーに学ぶことで、子どもたちに多様性を身につけてもらえる、子育てをよりよくできるのではないかと考えました。
教えてくれるのは、「コーチのコーチ」をしてきた“教え方のプロ"である中竹竜二氏。
さらに、花まる学習会を主宰する高濱正伸先生から、著者の考えに対して、
「子育て」や「学び」の観点から、適宜コメントを入れていただきました。
また、巻末にはお二人の対談を掲載し、ラグビーに学ぶことの意義についてご紹介しています。
改めて「ワンチーム」という言葉の意味や、ラグビーが大事にしてきた「オフ・ザ・フィールド」という考え方を知ることで、わが子の個性をどのように活かしたらよいかを考えるきっかけとし、わが子が実際に輝ける場所を親子で一緒に見つけてほしいと思います。
“サンドウィッチマン推薦! "
ラグビーがなかったら、いまの俺たちはいなかったと思う。
「中竹さん、ラグビーから学んだことは、今に活きています! 」
お読みいただき、ありがとうございました!
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