<第14話>共通設備の見直し
~敷地内にごみステーション設置~
以前、入居者はアパートから600m程離れた地域のごみステーションにごみを出していました。
分別の不徹底、回収しない有料ごみを出す、出す曜日や時間などにかかわるごみトラブルが発生し、違反しているごみの中身を地域の役員が点検します。それが入居者のものだとわかるとオーナーの所に連絡がきます。
申し訳ない思いで、ごみを引き取りに行く始末。
アパート経営をしていて、このごみ問題は避けて通れない重要な課題でした。
そんな折、近隣地区で「アパートのごみはアパートで処理してほしい」という方針が打ち出されたという情報が耳に入りました。
私の住んでいる地区ではごみ問題はあっても、まだそこまで言われていませんでしたが、これも「時間の問題」かもしれないと対策を早期に講じる必要に迫られました。
1 アパート敷地内ごみステーション設置
ステーションの位置ですが、回収業者からすると一番ベストは道に面していることかと思いました。
しかし、オーナー側からすると道沿いに適切なスペースがない、また、第三者から不法投棄される可能性もあるので、道沿いは断念しました。
道路からアパート敷地に入った所に設置する方向で考えました。
そのためにはごみ回収場所まで回収車が入れるようにしなければなりません。
敷地内に入れるようにするためには、水路をまたぐための許可申請と工事、あわせて敷地内を舗装する工事が必要になります。
ごみ庫はただ置くだけでは、倒れる心配がありますので、脚部分を基礎や地下に埋めて固定する必要があります。
燃えるごみ専用のごみ庫は、カラス対策のため蓋が閉まるタイプにし、
不燃物や資源物のごみ庫は分別が分かりやすくなるように表示ができ、さらに分別不徹底が一目見てすぐ分かるように屋根付きのコーナー(自転車置き場のようなイメージの)にしました。
2 「24時間いつでも出せるごみステーション」
ほとんどの業者は、空室のあるなしにかかわらず満室時の戸数で契約するそうです。
私が契約した業者は、入居戸数が減った場合、連絡することで実際の入居戸数で請求という契約でした。
建物が古いので、今後入居率が下がってきた時も赤字にならずに済むという安心感がありました。
基本的なコンセプトは「24時間いつでも出せるごみステーション」
入居者は日時に関係なくごみを出すことができるようになりました。
管理会社には「不法投棄禁止」の警告文を表示してもらいました。
分別も地区のステーションほど細分化されていませんし、どのコンテナに何を入れるか絵入りの表示がついているので分かりやすくなっています。回収曜日や何をどこへどのように置くかなど注意事項はラミネートして表示しました。
ありがたいことに、早くごみを出す家庭の方が正しいお手本を示してくれるので、ほかの入居者もそれに倣ってごみ出しがされて、今のところ大きなごみトラブルは起きていません。
3 入居者の新たな負担なしでごみ回収実現
新しいサービス導入であり、ごみ回収業者に回収していただくので、当然料金が発生します。家賃とは別に毎月「ごみ回収費」をいただくことにしました。
入居者の負担増になります。
そこで、不動産会社兼管理会社Aによって強制加入させられていた有料のケーブルテレビを解約できれば(第3話でふれた通り、入居者の意向調査をした上で解約)、そのお金をごみ回収費用に充てられるだろうと考えました。⇒解約までの詳細は第3話にて
テレビは、無料のアンテナ視聴に切り替えることで新たな負担は生じず(むしろ負担軽減、毎月おつりが返ってくる)、敷地内ごみステーションを導入・運営できる見通しがたちました。
これが、入居者にとってもオーナーにとっても一番望ましい方法であると判断しました。
入居者からすると、遠くまでごみを持って行く必要なし、
日時の制約なしでごみが出せる、
新たな負担なしで「本当に助かる」と大変好評でした。