今日のニュースで、財務省が今後の18歳人口の減少を見据え、大学数の縮減を求めたという記事が目に留まりました。
私立大学は今後15年で4割減、医学部定員も削減という内容です。
方向性としては理解できます。人口が減る以上、供給も見直す必要がある。ただ、少し違和感もあります。
私は、人口はそのまま国力に直結するものだと考えています。少子高齢化、人口減少は長年の政策の結果であり、その前提に立つなら、本来は「どう縮むか」だけでなく「どう立て直すか」も同時に議論されるべきです。
そしてこの問題は、大学に限った話ではありません。
医療の世界も、よく似た構造を抱えていると感じています。
病院の多くが赤字である一方で、クリニックや診療所は過剰とも言える数が存在する。コンビニの数より多いらしいです。結果として、医師も医療機能も分散し、効率が落ちている。
人口が減り、地域の過疎化が進めば、この歪みはさらに大きくなる。
地方の病院経営が成り立たなくなり、医師も都市に集まる。これは個人の選択というより、構造として当然の流れです。だからこそ、本来は機能の集約が必要になります。
身近な病院がなくなり、隣町の病院まで◯◯分追加でかかるようになる。そうした変化は不便ではありますが、人口減少社会においては、むしろ避けられない現実でもあります。
問題は、その変化を前提にした設計ができていないことです。
医師の偏在や診療科の偏りも同じです。
これらは「起きてしまった問題」ではなく、制度設計である程度コントロールできる領域です。
例えば地域枠一つとっても、若い時期に一律で長期間拘束するのではなく、キャリアの後半で地域に戻る選択肢を持たせる。(例えば、50才を過ぎてからとか)通算でもいいので、地域医療に貢献する仕組みにすれば、スキル形成と地域貢献を両立できる可能性は高まります。守らなかった場合のペナルティは若い時よりもより大きくすればいい。
また、診療科の偏りについても、報酬設計や選抜の仕組みを工夫すれば是正は可能です。
要は、「どこに人が集まり、どこが不足するか」は、ある程度予測できるということです。
にもかかわらず、その調整を後手に回し続けてきた結果が、いまの歪みです。
大学の削減も、医療の再編も、本質は同じです。
単に数を減らすのではなく、どう配置し、どう機能させるか。人口減少はもう止まりません。
だからこそ問われるのは、「縮小そのもの」ではなく「縮小の設計」です。
ここを誤れば、同じ問題を形を変えて繰り返すだけになる。
これ以上、後手に回らないためにも、いま必要なのは、小さくすることではなく、小さくなっても機能する仕組みをつくることだと思います。