Vol.1-①
あの家紋は「柏」「桐」
「梶」
諏訪神社の総本山って、どんなに壮大で厳粛な神秘のPOWER SPOTかと、想像していた。
京都に戻れば、あちこちどこかに在りそうな、歴史だけは古そうな大木と、鳥居。
違っているところは、観光客がまばらにしか見かけないことくらいだ。
うちの家紋に似ている。
国会中継の中央マイク台にも見つけた、あの公務員マークの素。。。だよね
豊臣秀吉太閤殿がたくさんばら撒き過ぎた、よくある家紋の大本が、これか。。。
カランカランと1coin投げて、太い綱をけっこうな力で左手で振り回した。
瞬間、背中にゾクッと何かが走り、思わず見上げた天空から、一筋の陽の光が差し込んだ。
「やっと来てくださいましたね。。。」
えっ❓なにこれ今、お社の格子の奥から声が聴こえた。
これが神様のPOWER
マジ❓『天の声』はお笑い芸人さんのメガネかけた片割れやし。。。
誰かが倒れていた。
行き倒れのように、うつ伏せになって倒れている。
多分、男性。
鳥居をくぐって石段を登って来た時は、居なかったよね。。。
スノー・トレーニングシューズはASICSので、底のスパイクにまだ、雪の凍った塊がこびり付いていた。
〈KISS MARK〉のニットキャップ、〈ショップ・JIRO〉の雪印マークのダウン上下ウエア。
ん❓ボーダーなの❓スキーヤーなの❓
〈BURTON〉の板抱えてたらスノボ男子に見えるし、ウエアの価格帯は余裕のあるスキーヤー向けだし。。。
たしかに長野県のゲレンデなら全然不思議でないファッションやけどねえ、、、なぜ諏訪神社
なに❓この神がかりな事件
『現象には必ず理由がある』とか、物理学者じゃないので解けないが、シャーマンみたいな第六感を信じている私、諏訪聖子は神様が『この人を救え』と告げた気がした。
けど、『天の声』はメガネをかけて素敵な女優さんの奥様が居るお笑い芸人さんではないのを、知っている。
場合によっては、『しずちゃん』みたいな人に宿る
「あの、、、大丈夫❓」
うつ伏せの男性の左肩あたりを、軽く指先でトントンしてみた。グローブははめていない右手首の脈拍を診る。
大丈夫。か細くだけど脈打ってる。
生きてる。
オレンジ色がかったカラーに染めた肩に届く髪にも、ゲレンデで凍った跡みたいに雪の欠片が、こびり付いていた。
そんなに遠くないゲレンデから来たのね。。。
「ちょっと、、、❓大丈夫ですか❓ねえ❓」
白布手袋のまま髪を払いのけて表情を確かめようとして、
わっと、のけ反った。
「ほっ、ほった、堀田冬馬や」
つい先日メダルを捕ったばかりの、モーグル競技の堀田冬馬選手やん!
ーーー to be continued.