ぼくはかねがね思っていたのですが…
先日のプレジデントオンラインでこんな記事を読んだ
いまの天守閣に歴史的価値はない…城めぐりを楽しむ人たちに伝えたい「本当の大坂城」の姿 国の登録有形文化財に指定されてはいるが… #プレジデントオンライン
非常に良くしていただいている城郭研究家の堀口氏も
「本文を読んでみると至極真っ当な事が書かれているが、タイトルと内容とが合っていませんね。」と書いてあります。
ただ、ボクはこのタイトルでいいと思う。
最近、お城好きや、研究者クラスに至るまで
「(例えば大阪城の現天守閣や淡路洲本城の模擬天守などを)築80年以上経つんだから文化財として考えている」などという人が多い。(そういう人の声が大きいだけかもしれないが)
まったくオカシイ、と思う。しかしながらこのオカシさをこれまでなかなか説明できずにいたのだが…
たとえば、である
お城(建物・主に天守)を、絵画に譬えてみるとわかりやすいのではないか。
江戸時代(≒お城が生きていた頃)から現存する十二天守や櫓・城門などは巨匠といわれる画家の描いた古から伝わる名画であるとする。 保護すべきであり鑑賞に堪えうる人類のタカラモノである。
翻って、大‟阪“城天守‟閣”をはじめとする、歴史的に根拠のない城郭模擬建築物はどうだろう。
そこらのオッサン、せいぜい日曜画家が描いたものに擬する。コンクリート製であれば油絵ですらなくペンキで描かれた様なものと感じる。
或いは刀剣に譬えてもいい。精錬された玉鋼を名匠が鍛えた名品を現存建築物とすれば、模擬建築は竹光にアルミ箔を貼ったようなものではないか。
さて、そのようなものを【歴史的建築物】としていいものであろうか。
それともうひとつ、名古屋城や中津城のように現城跡にコンクリート建築物を建てている現状は間違いなく史跡である城址遺構を傷めているということである。
お城を数多見ている人々にはもう一度考えて欲しいと思う。