鐘坂 | 根多帖別冊 by おしろまん

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おしろまん です。
絵を描いていますので、そちらをメインにしたいのですが、お城の論考を書いたりしており、城関係がやたらと多いブログとなっています。
ブログ内容に即した、皆様の素敵なコメント募集中でございます~

鐘ヶ坂は多紀郡(現・丹波篠山市)と氷上郡(現・丹波市)の境となる峠のひとつで、そのピークに築かれたのが金山(きんざん)城です。

天正三年より丹波国の攻略を始めた織田家の惟任日向守光秀がここに築城したとされます。当時日向守に敵対していた多紀郡八上城の波多野氏と氷上郡黒井城の荻野氏との連携を断つためのものだとされています。
まあ、対荻野は三尾城で、こちらは対高見城の赤井なのではと細かいことを考えてしまいます。

いずれにしてもこの八上・黒井・三尾・高見の各城を遠望することができます。

 

以前は2010年の1月、雪と強風で凍えそうになったことです。

主郭Ⅰは東西に分かれており、Ⅰwはほぼ全周を高さ2mほどの石垣で囲まれています。東側Ⅰeとの間北側中央に西から登ってくる虎口を開きます。ここは食い違っているようにもみえますがどうでしょう。

画像では食い違っているようですね。右がⅠw北面の石垣

こちらは南面 裏込めはあまり無いようにみえます。

東側のⅡ・Ⅲ・Ⅵは巨岩が多く、削平もあまりされていないようにみえますが、辺縁はしっかり切っています。またⅢ南の虎口は枡形のようです。

Ⅰwの西側は土塁囲みのようにみえますがどうでしょうか?そこから南のⅣは帯曲輪のようですが伐採のせいで面が見えません。

Ⅴは通路でしょうが、東側は登土塁が折れを伴っています。

このほかにも登土塁が多用されているのもこの城の特徴です。

Ⅶ郭は「馬場」と呼ばれています。馬がここまで登ったかはわかりませんが、先端は土塁が付きます。今の主登城口なので、ひょっとすると破壊道なのかもしれません。その場合Ⅷ郭の西を迂回させるルートが考えられます。

 

そしてその南の園林寺跡の西には綺麗に二折れした竪土塁と出城のような郭Ⅹが!

山中で偶然お逢いしたおばひさんからお聞きしたのですが見れてよかったです。前回来たときはこんなものがあるとは想像もしていませんでした。

本城とここⅩ郭の間が往時の峠道だったのでしょうね。