参州田原城 | 根多帖別冊 by おしろまん

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おしろまん です。
絵を描いていますので、そちらをメインにしたいのですが、お城の論考を書いたりしており、城関係がやたらと多いブログとなっています。
ブログ内容に即した、皆様の素敵なコメント募集中でございます~

 

8月第一週は中世城郭研究会の全国城郭セミナーが開催されます。

 

私も近年は東京を除く隔年、福岡・岐阜と参加しております。今年は三河吉田 (愛知県豊橋市)

金曜日に仕事を終えてその日のうちに移動。土曜の朝いちばんでずっと興味のあった田原へと行ってきました。

田原は豊橋から豊橋電鉄で一時間弱。連日の猛暑により朝から汗だくになりもした。

 

城址には上記説明版があります。この縄張図は観たことがあるのですが、構造が全く判りませんでした。

実際に行ってみると、西から張り出した段丘の先端を利用した城であることがわかります。

ほぼ中世城郭のような連郭式の城です。その丘続きを空堀、そして模擬櫓のある二の丸前面の水堀で断ち切っています。その濠は丘の中腹にあることが現場ではわかります。

 

濠から正面の桜門からはほぼ総石垣になります。石材は頁岩 (チャート)。そこから日出門、四脚門、本丸正門である格子門まで、連続桝形を形造っていたのではないでしょうか。中世的な部分に織豊のパーツを組み入れたのではと考えますが、残念ながら現状では見ることがでけまへん。

 

主郭 (本丸) の北から西には現状高さ2mを越える土塁を巡らしています。南隅にも土塁があり、その下は東腰曲輪から二の丸へ至る空堀道になります。

 

天守があるとすればこの上の土塁なのでしょうか。

 

二の丸から高地続きの出曲輪西端にも土塁が残ります。空堀は埋め立てられたのでしょうか残っていません。またそこから南西には地形の高低を利用した惣門跡があります。

 

早起きして汗だくで見に行った価値のある、とてもいいお城でした。

セミナーの時間があるため、博物館の渡辺崋山作品が見れなかったのが残念でしたが。