またも 『鑑定団』 ネタで・・・
持っているものに 「値段」 という定規を当てて価値を特定することを是としない人がこの番組を批判しているのをよく聞く。
砕けた言い方をすれば 「カネで片付けるのはいやらしい」 ということであろうか。
ただ、それはこの番組の上っ面しか見ていない人の意見であろうと思う。
この番組が始まった当初から鑑定士をしておられ、番組の名物おじさんとして “いい仕事してますね~” という流行語 (?) でも知られる。
中島誠之助 氏
かれはたとえそれが本物でなくても、持ち主の評価額からかけ離れた額を鑑定したとしても
「実際使うことがモノを生かすことです」 とか 「大切に使ってください」 という言葉を付け加える。
彼のそういう言葉がこの番組をカネの亡者たちから救っているといっていい。
司会のかたも、この番組では中島氏の言葉をわきまえ 「亡者」 であることを極力抑えようとしているように思える。
また、あまり知られていない芸術家たちを発掘していることもこの番組が評価される理由であろう。
昨日の放送で紹介された、長谷川潔氏の作品。
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かれは戦前・戦中・戦後とパリで活躍していたため本邦では名前も通っていないし、作品も出回っていない。
だが、写真の登場以前の技法 (マニエール・ノワール) を復活するなど、作品のすばらしさ、美術史上の役割等パリにおいての評価は相当高いらしい。
こういった作品や、未知の偉大な作家に出会えることもこの番組から小生が離れられない所以である。