昨日もっとも面白かったお客様はいまだかつて会話したことのないお客様だった。

 

幾つかの商品の決済を完了したあと彼女は言った。

 

「この期間限定の綺麗なプリペイドカードもいただけますか?」

 

「わかりました。ではこの用紙にご記入ください。」と私。

 

「えっ!書かなきゃいけないんですか?だったらいいです。」

 

「ここで私がK君みたいに実力があれば私が代筆でということになるんでしょうが、まだ新米のもので。」

 

「どうして私とKさんが仲がいいってご存知なんですか?」

 

「いや。いつもうらやましいと思ってるんですが、当店の七不思議と言ってもいいと思うんですよ。」

 

「はは。宮川さんには仲のいいお客さんっていないんですか?」

 

「私のもっとも仲のいいお客様は現場監督風のお客様でいつもカントクと呼ばせていただいてます。」

 

「へー。そうなんですか。」

 

「この間用事で銀行に行ったとき近くで大きな看板を支えてずっと立っている姿を拝見いたしました。」

 

「それっておかしくないですか?」

 

「いえ。私も神と深い関係に入っていると思ってるんですよ、、。」

 

「はははははは、」

 

(おしまい)

 

追伸 : 店長が読んでるといけないのでフィクションということでお願いします、、。

 

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金曜日のコンビニは店長が休みで最も面白いお客様が来たのは午後いち過ぎであった。

 

背が少し高くて容姿は中の上、若い女の人は清算を済ませた後おずおずといった。

 

「こんなこと聞いていいのかどうかわからないいんですけれど・・。」

 

「わたし、その後ろのポスター欲しくて欲しくてたまらないいんです・・。」

 

振り返ってみるとポスターの中心でガクトが清楚な顔をしてワインを飲んでる。

 

「お金を出してでも買いたい、のどの渇きを覚えるような感覚ですか?」

 

「はい、そうです。」彼女はシオラシク言った。

 

私はフロアーの責任者に「お客様の問い合わせ」としてアピールした。

 

責任者は彼女の気持ちを即座に感じ取り何も言わずに脚立を取りに行った。

 

「ガクトって丁度昨日のツイッターに出てたけどマカオのポーカー大会に出て2000万円獲得したそうですね、、。」

 

「へー。あなたはポーカーの世界で有名な方なんですか?」

 

「まあ、そうですね。」

 

「わたしもポーカーをしたらガクトに会うことができますかね?」

 

「ガクト自身は無理だと思うんですが、この間のジャパンオープンで優勝した人はガクト的な人でよく一緒にポーカーしてますよ。」

 

「その人にも会ってみたいですね。」

 

責任者はポスターを丁寧に丸めて輪ゴムで止めて恭しく彼女に渡した。

 

「まさか、、まさかなんですね。私の部屋に飾りたいと思います。」

 

彼女は感謝の意を込めてペコリと頭を下げた。

 

 

その日の2番目に面白いと感じたお客様は黒人の若い女性で、しばらくして来た。

 

肌が特有の繊細な感受性を持っているようだが生活苦のためか頭の中は硬直しているようだ。きれいになろうと思えばなれるひとだと直感した。

 

金欠病の私にとってはちょっとゴージャスと思える買い物だと思ったので、割りばしやスプーンは多めにつけて、袋も商品の割には大きいものにした。

 

「袋をもう一枚つけてください。」彼女は命令ともとらえうる口調で言った。

 

私は日本人の常識で小ぶりな袋を用意しようとした。

 

「いえ。同じ大きさの袋です。」極めてストレートである。

 

「あくまで、サービスですから、、。」私はとっさに閃いて、酸っぱそうな顔をしてキスでもできるかのように唇を少し尖らせた。

 

「じゃ、もう来なくていい?」

 

「お客様、、せっかく繊細な感受性をもって日本に暮らしているわけですから、日本人の感じ方もゲットしたほうがいいんじゃないですか?」

 

「あなたの様に考えることが許される?」

 

「しかしもしあなたがアフリカに行くというか帰ることになったら、現地でハエやウジのような食物を蛋白源にしている人たちの方が凄いということになるんでしょう?」

 

「それはそうね。」彼女は素っ気ない言い方をして帰って行った。

 

 

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超能力ギャンブラー的な生き方をしているので人生の節々でお金が全くなくなり、この1年2カ月はコンビニのシフトに入って生存競争をしていましたが、ようやく慣れてきて言わば水平飛行に入りました。(店長も読んでいると思うので、口が裂けても「手抜きの研究ができるようになった」とは書けません。)コンビニの仕事はやんわりとでいいので100%の集中をしていなければ大失敗に結びつきやすく、しかも超忙しい店なので心臓はいつもドキドキです。何がなくてもスピードが欲しい風なので朝8時から夕方の5時まで本格的なサッカーかハンドボールの試合をしているつもりで働いています。そういう純粋な気持ちになりえるというのはある意味幸せなことかも知れません。もともと管理的な色彩が強くてミスをすれば解雇と戦々恐々と皆がしているとムードが下がっていって、3割から3割5分のお客様はコンビニの店員をまるで自分の召使で、あるかのように勘違いしていきます。逆に言えばそういう状況でも6割から6割5分のお客様は上品で礼儀正しいわけですから人類の半数以上は「いい人」であることは間違いないことだと思います。その状況から横のつながりを溶かしながらムードアップ戦術に打って出ると今は本当にいやなお客様は1000人に1人もいません。お客様に絶対にバレないように踊りお客様に絶対にバレないように唄うとは超お勧め新戦法です。人生相談にものります。空気投げ的に瞬間接客1日500人。いまお釣りを直接財布に入れるようになっているお客様が2人いらっしゃることが私にとってはちょっとした自慢です・・。