PKC:発作性運動誘発性舞踏アテトーゼの症状の代表例として
・突発的な運動時
・急な動作を行う時、
・何かの動作を始めようとする時
に発作が表れることが多いのがポイントです。私は最終的にはこれ以外でも、条件を揃えれば発作を自由に出すことができる(コントロールできる)ようにまでなっていました。
私の場合、小学生高学年のときのハードルの授業で初めて発作がでました。
よーいドンで走って、1つ目のハードルを超えて2つ目にいこうとした瞬間に、急に力が入らなくなってコケてしまったんですが、そこからは自分が意図しない硬直などが始まり、その場でうずくまり、変な雰囲気を感じたのを覚えています。
でもまさかこのときに自分がPKCであることもわかるはずなく、発作の時間も短かったためと、私の場合は、発作後は数時間発作が起こらないこともあったので、その後は普通に授業を受けていました。
中学生になったときは、明らかに発作の間隔が短くなっているのはわかってました。
急な動作からのPKC特有の違和感を感じ、それに逆らうと筋肉の硬直などの症状が出ること、ムズムズに逆らって行動する時間が長いと、硬直などの時間も長くなってしまうことが記憶に染みつき、当時に母親を突然亡くしたのもあり、神のいたずらだと思っていた時期もありました。
症状が現れそうになった場合は、速度が突然ゆっくりになったり、あるときは立ち止まってしまったりして、よく先生や友達に「どうしたの?」「本気出さないの?」と言われることも多くありました。
水泳部の副主将でしたので、試合のときは非常にナイーブになりました。スタートダッシュができないわりにも、発作さえ起こらなければ成績もよく、周りには調子が〜とかで誤魔化してきました。
ですが、卒業前の大事な大会でスタート後に発作がはじまり、泳げなくなり溺れかけてしまった経験から、恐怖と諦めがよぎりました。
高校生になったときは、日常的にも発作が起こるようになり、体育の時間は種目によっては、診断書(もちろんPKCではない診断書)を渡して、お休みさせていただいたりもしましたが、周りの冷ややかな目はとても辛く、水泳部の主将でしたが、水泳を諦めることにして、入院もして、検査しましたが根本的な解決には至りませんでした。
ですが、これまでの経験から、いつしか発作の出し方をコントロールできるようになっていました。
PKCの方はこれをやると発作が起こる、発作の予感というのがあると思いますが、私の場合は足のムズムズからくるものでしたので
寝起きを避け、
ある程度脳を使って
少し疲れているときに
足先をバタバタさせる
ことによって高い確率で発作を出し
発作後は数時間発作が
起こらないこともあった
という特性もあったのを利用し
ここ一番の大事な場面では
騙しながらしのいでいました。
ですが、発作は硬直などだけではなく、発作後は脳にも普段とは違う感覚がでることもあったため、これではいつか自分自身おかしくなってしまうのではないかという恐怖や不安もあり、真剣に治療に向けて考えるようになった次第です。
今は社会人ですが、PKCのことも考えて、デスクワークを選びました。当初は呼び出されるとPKCなので、すぐに動けないので「何してるんだ?」と言われることも多かったです。
今となっては薬もありますので、もう少し職種の幅は広げられるかなとは思いますし、好きな運動もできるのかなとか考えたりしますが、もういい歳なので違う意味で諦めてはいます(^_^;)
最後になりますが、PKCの発作前の独特な感覚は言葉には表しにくいと思います。よーいドンしようとすると硬直すると言っても、なかなか理解してくれる人も少なく、コントロールしようとしても限界がありそうです。
特に、私は得意な水泳で溺れかけた経験もあり、命の危険もあるんだなというのを実感してますし、やはりPKCときちんと向き合うことをおすすめしたいです。