自分を知る一つの指標としての「動きの解剖学」 | 音楽家のためのアレクサンダー・テクニークレッスン〜フルート奏者嶋村順子

音楽家のためのアレクサンダー・テクニークレッスン〜フルート奏者嶋村順子

♪アレクサンダー・テクニークを演奏に生かすレッスン♪
~ココロを自由に、カラダも自由に、自分らしく生き、演奏する~
アレクサンダー・テクニーク教師&フルート奏者の嶋村順子です。
演奏者の心理的・身体的問題を解決する方法を探求しています。

【動きの解剖学】

 

解剖学と聞くと、どうしても医療のイメージが強いと思います。
医学用語や人体の生理学の知識を正確に知ることは、医療には必要です。
また、理学療法、作業療法などの専門家にも、患者さんを良くするために医学的知識は重要な要素です。


でも、私たちが学んでいるのは「動きに関するより事実に基づいた知識と自己の使い方」です。
例えばあるダンサーやスポーツ選手に怪我が多い理由には、関節や筋肉の適切な使い方をしていなかった場合があります。
その時、それまでセンスでやってきた身体の使い方を見直し、
本来の人体の構造や働きを理解することで、怪我を減らすことに役立つことがあります。

身体のつくりと働きの基礎を理解することは、
パフォーマンスする時の痛みや違和感、故障などの解決を探る役に立つのです。

ここで必要なのは、知識だけではありません。
何らかの身体活動をする実践者としての「動きの経験値」を見直す客観性が重要です。
自分のことをよく分からずに、「慣れ親しんだやり方」「いつもの感覚」だけを続けているよりも、
知識と客観性の両方を使って自己探究をした方が、今ここの自分にマッチしたやり方の選択肢が増えます。


医学的知識を頭に入れる以上に、自己の使い方への感性を高めることが大切です。
そして、自分自身の調整が可能になれば、おのずと指導者としての目も磨かれます。


私たちが「動きの解剖学」を学ぶのは

医学的な解剖学を学ぼうというより
自分自身の動きや、それにまつわるこれまでの自身の経験値を客観視するための
ひとつの指標として解剖学的知識を使う、
という意図があります。

まず自分を知ることから。

 

 

【ラボ・クラスでの学び】
 

AT教師を目指すひと、ATを深く学ぶひとたちの「ラボ・クラス」でも動きの解剖学を学びます。

以下、ある日のラボクラスの様子を以前Facebookに投稿した文章です。

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『頭から脊椎の動きが自由であることが人間の動きに良い影響を与える。』

アレクサンダー・テクニークはこの観点をベースにしています。

脊椎は首から仙骨まで長く、その仙骨は骨盤としっかり接続していて、
さらにその骨盤には股関節が存在し、脚と接続しています。

今日はこのあたりの筋骨格について勉強しました。

 

関節や表層筋・深層筋の存在と機能を、解剖学書で調べたり、

自分の動きと照らし合わせて体感しながら認識したり。

すると、普段の生活や演奏時の動きに関する気づきがやってきます。

 

医療者になる為ではなくとも、身体を理解して使うことはたいへん意味があります。

生徒さんやクライアントさんの身体を大切にし、理解することにも繋がります。

アレクサンダーテクニークを学んでいると、自分の動きやバランスの微細な違いを感じ取れるようになるのですが、

その感性が発展すると自分以外の人の動きの微細な違いもキャッチできるようになります。

私もそうでしたし、他のティーチャーたちもそう言っています。

 

解剖学を学ぶことは、自分の身体からの微細な「お知らせ」をキャッチする助けになる。

まず自分の身体感覚が高まり、自己調整が上手になる。そして人のサポートができる。


この意図を持って解剖学を学んでいます。

 

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嶋村順子
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