【ラボ・クラス便り】
AT教師を目指すひと、ATを深く学ぶひとたちの「ラボ・クラス」の様子をレポートしています。
〜教えるときの自分の在り方〜
12月のラボ・クラスのテーマは「習慣の認識」についてです。
ここでいう「習慣」は、今の自分には必要ではないけれど、
何らかの理由で身についた無意識のパターン、自動的にやってしまう動きや思考のことです。
自分がついやってしまう考えや行動に関してみんなで話をしていた時、
一人のラボ・クラス生さんが言いました。
「アレクサンダー教師になって教えるときの自分の在り方を考えてみたいです。」
このラボ・クラス生さんは「教える時の自分の習慣」について掘り下げてみたいと言うことでした。
生徒さんと自分との関係において、自分が『教える』立場に立った時の自分の在り方に違和感がある、と。
演奏向上に有効な情報を伝えたり、その人の動きを観察し、マッチしたやり方を提案することは上手になってきている。
でも、自分が「人に教える」と思った時の自分の在り方に何かよくない感じが起こり、
これまで数年かけて学んできた自分の「在り方」から離れてしまう気がする、と。
「教える立場に立った時の自分の在り方とは?」
クラス内が静かになり、そこにいた全員が自分自身に問いかけ探求しはじめました。
〜アレクサンダー教師は何を教えるのか〜
教える立場の者の在り方。私もよく考えます。
困っている人のサポートをしたい、相談や質問に答えて何か役に立つことを伝えたい。
私たちアレクサンダーを学ぶ者の多くがそう考えています。
レッスンでは、教師自身が自分の心身が統合された状態にいるよう心がけます。
心身ともに意識的であり、穏やかで温かく一貫性があり、出来事に対してベストを尽くせる。
日本の教育文化はちょっと独特だと思っています。
教師が素晴らしい正解を知っていて、生徒はそれを授かる受け身の立場であることが多いですよね。
でも、その授かった正解がその人にとっての最適解ではないことも、よくあります。
生徒が主体的に自分の求める最適解を掴む、
教師はその手助けをするような提案ができたらいいなと私は考えています。
でもこの独特な日本の教育文化で育ってしまうと、
「教師になる」ということに何か余計なものが加わってしまうことも。
例えば、自分は良いことを教えなくてはいけない。生徒を良くしてあげなくてはならない。など?
SelfQuestLabで学んでいるのは、第一にアレクサンダー・テクニークを自分自身が実践すること。
つまり、自分自身をよく知り、調整する能力を育て、自分全部を統合させていくことです。
まず、自分の調整。これが最優先の課題です。
レッスンで生徒さんに伝えるべきことがあるとすれば、
教師自身がアレクサンダーを実践する者として、同じ場に居ること。
その「存在の質」によって生徒さんに伝わるものは大きく深い。
これまでの経験からこのことをよく知っています。
もちろんアレクサンダー・テクニークの観点から演奏を洗練させていくスキルや情報もお伝えしますが、
レッスンでは教師自身がアレクサンダー・テクニークの真摯な実践者としてそこに居る。
教える内容も大事だけれど、まずはこれを大切にしてみませんか。
AT教師を目指すラボ・クラス生の皆さんと、そんなことを語り合いました。
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演奏に役立つアレクサンダーテクニークレッスンのSelf Quest Labには、
教師養成コースのある「ラボ・クラス」と、
演奏を具体的に改善向上するためのグループレッスン「プラクティカルクラス」の2つのクラスがあります。
レッスンのお問い合わせはメールでどうぞ。
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嶋村順子
e-mail:junko.at.lesson@gmail.com
SelfQuestLab HP : https://self-quest-lab.com/
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