趣味でフルートを長年学んでいらっしゃる大人の生徒さん。
今日のご相談は次の2点でした。
① 先生(いつもレッスンを受けているフルートの先生)
② 曲のフレーズ感を出そうと一生懸命吹くのだが、うまくいかない
この曲が柔らかく素敵な旋律なので、大好きなのだそうです。
早速吹いていただきました。
すると、急にカラダに硬さが生まれて、
口が震え、音はかすれ、低音は全く鳴らず、
BodyChanceメソッド流アレクサンダー・
「いつも緊張してしまう」とおっしゃるのですが、実際には「
「身体を固めて動きにくくしている」 のですよね。 ご本人自身で。
「緊張に襲われる」という表現ありますけど、
いや、笑いごとではありません。私だってそうでしたもの。
「緊張してしまう」 を、ひも解いてみようと思います。
では、なぜ身体を固めてしまうのかというと、理由があります。
「ちゃんと吹きたい」「ちゃんと演奏したい」と思うからですね。
「ちゃんと」という考えが、「身を固めて頑張る」
嶋村「ちゃんと演奏するために、何をするんですか?」 と伺うと、しばらく考えてから
生徒さん「フレーズをちゃんと表現して、
嶋村「フレーズを表現するってどんなことですか?」 禅問答みたいでごめんなさい。。。
生徒さん「音楽の流れの行先を考えながらとか、
嶋村「では、このメロディーをどんなふうな流れで吹きたいのか、
思い入れのあるすてきなフレーズで歌ってくださいました。
嶋村「フレーズ感、のようなもの、どう表現したいかは、
生徒さん「え?そうですか?いつもフレーズが全然ないと。
嶋村「それで、
生徒さん「はい。フレーズ感を出さなくちゃいけないから」
ここで少し別のことを。
小さな音で最初の音のロングトーンをしばらく吹いてもらいました
「ちゃんとやらなくちゃ」
息穴を作ることを意識するのを、
嶋村「では、フレーズのことはどうでもいいので、
すると、全ての音が美しく安定して鳴り、
そして、充分フレーズ感や音楽性は出ています。
ご本人はびっくりしています。
生徒さん「何もしないでそうっと吹いた方がうまくいきます!
嶋村「何もしていないようで、
ここで確認~フルートの音がでる条件は?
フルートの音が出るための最低限必要な条件は、これです。
① 息を吐く
息圧を生む腹筋群などの仕事。
これは、
② 息の出口を面倒見る
適切なアンブシュアを作り、適切な息のスピードがうまれ、
おもに唇周辺の仕事。
ここで確認~アンブシュアなどの身体の使い方の問題と、
この生徒さんは、
①は使いすぎ、②はほとんど意識に入っていない様子でした。
その結果、唇がきれいな息穴を作れていないのに、
これはフレーズ感を表現するなどという音楽性の問題ではありませ
音を作り出す技術的な問題です。
この生徒さんの音楽性がまるで無いかのように評価される根拠はな
しかし、技術的には何も考えずにやればできていたことを、
別のことに必死になりすぎたためにすっかり忘れてしまうという現
ここで確認~その「思考」はやりたい「動き」
人が動きを選択する時に『思考』が働きます。
「ちゃんとやらなくては」「フレーズを考えて演奏しなくては」
「とにかく息を使っていっしょうけんめいやる」
「小さな音で優しく吹く」という思考からは、
その直前に試した小さい音のロングトーンが唇周辺の動きを思い出
そして、「息が続かないことと音色を作ることの関係性」
「フレーズがうまくつながらない」という、
大好きな曲が「難しくて自分には上手く吹けない曲」
これが実態です。
ここで確認~では、レッスンでの先生の役割は?
レッスンで指導者に必要なスキルは色々ありますが、
やはり、うまくいっていない原因の見立てと、
とくに、身体の使い方を含めた技術的な導きは、
既に熟達している人には「フレーズ感」「表現」
技術を安定的に使える「身体の使い方」
ここで確認~小さな音だけで曲は演奏できないけれど、
もちろん、
ですから、息圧が増えた時の音のコントロール、
息圧があがった時に、唇周辺の筋肉やアゴの様子をよく観察して、
余分な動きをやめていったり、
これも、一見「表現」と思われるものにも、
必ず「技術」を理解すること、
強弱をつけながら、
そういう観点を持った練習は、
以上のような情報をお伝えし、
そんなレッスンをしました。
生徒さん「家に帰って、もっといろいろ試してみたいです!」
やる気が出てきた嬉しいお顔を見ると、私も嬉しいです。
アレクサンダー・テクニークは『思考』と『動き』のワークです。
BodyChanceメソッドでは、
人間のカラダの構造や動きの事実を知り、
新しいやり方を安心して試せる場を作ることが大切だと思っていま
指導される先生方にも、
私が担当して開催している『音楽指導者向け3回連続講座』
http://ameblo.jp/
指導者に限らず、