私のおすすめの小説を、ご紹介します
今回紹介するのは、米澤穂信先生の「儚い羊たちの祝宴」です。
以前、「古典部シリーズ」で紹介した米澤さんの別の作品です。
いまのところ、この一冊だけでシリーズ化はされていませんが、何度読み返しても面白いと思う程なので、密かに続編が出たりしないかなぁと、思っています
この小説は5編の短編小説です。
どの話でも、ある女性を主人公にお話は進んでいきます。
ここで、その各章のタイトルをご紹介します。
・身内に不幸がありまして
・北の館の罪人
・山荘秘聞
・玉野五十鈴の誉れ
・儚い羊たちの晩餐
個人的に、米澤さんの作品の魅力の一つでもあると思っている、『魅力的な話のタイトル』が、この小説にも感じられます
特に私が惹かれたのは、「身内に不幸がありまして」というタイトル
このタイトルの付け方のセンスには、思わず唸ってしまいます
この小説は主人公である女性のお話なのですが、読み終わった後に抱く感想が、どれも不気味であり、良い意味でモヤモヤするのです
こういう感じのは、湊かなえさんが得意とする「イヤミス」(後味が悪く、嫌な気持ちで終わるミステリー作品。 謎が解けてスッキリすることはなく、むしろ不快感を味わう作品のこと)系かなと思います。
そんな中で、特に強く印象に残り、初めて読み終わった時、思わず「怖っ」と口にしてしまったのが、「玉野五十鈴の誉れ」です。
この話は、ある富豪の娘「純香」と、彼女の元で働く事になった、召使いの「五十鈴」の話です。
純香と五十鈴は、主従関係ではあるものの、姉妹の様に仲良くなっていきます。
そんな中、この家で絶対的な地位にいる祖母から、純香は酷い仕打ちを受ける様になるのですが…。
この先の展開、そして迎える結末に、思わずぞっとしてしまいました
初めて読んだ方は、きっと私と同じ様な感想を抱くはずです。
この話以外も、どれも不気味で面白い話ばかりなので、是非一度…いえ、何度でも読んでもらいたいです