東京大学公共政策大学院によるシンポジウム。

コメンテーターが様々な分野から参加し、興味深いです。


公開シンポジウム
「コーポレート・ガバナンスと日本経済」
~会社はこれからどうしていったらよいのか~(東京大学公共政策大学院)

http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/news/2010/08/news20100812.htm


日時: 9月28日(火) 15:00-18:00
場所: 東京大学 医学部教育研究棟14階 鉄門記念講堂
主催: 東京大学公共政策大学院

≪プログラム≫
15:00 開会挨拶 金本良嗣 東京大学経済学研究科教授
15:10 基調講演 岩井克人 国際基督教大学客員教授、東京大学名誉教授
16:10 休憩
16:20 パネル・ディスカッション
神田秀樹 東京大学法学政治学研究科教授
柳川範之 東京大学経済学研究科准教授
阿部泰久 日本経団連 経済基盤本部長
大森泰人 金融庁 証券取引等監視委員会事務局次長
岩井克人 国際基督教大学客員教授、東京大学名誉教授
石田晋也 東京大学公共政策大学院客員教授 (モデレーター)
17:55 閉会挨拶 田辺国昭 東京大学公共政策大学院長
18:15 懇談会 医学部教育研究棟13階 レストラン カポペリカーノ(有料)

今年の司法試験合格発表日(2010年9月9日)から受付するようです。
例年、認知度もあがっていますので、定員を超える申し込みの可能性もあります。
また司法修習に関する手続と重複しますので、お忘れのないよう。

 

平成22年度新司法試験合格者に対する司法修習開始前研修会(事前研修)のご案内(新司法試験合格者対象)-大阪弁護士会ホームページ
http://www.osakaben.or.jp/web/event/2010/100929.php

 

詳細は以下。
http://www.osakaben.or.jp/web/event/2010/100929.pdf

今年の私法学会は、商法部門はもう1つシンポジウムがあります。

こちらはこちらで興味があります。

潮見先生もご報告のようです。


商事法務1907号

http://www.shojihomu.or.jp/shojihomu/shojihomu100825.html


■日本私法学会シンポジウム資料■
 金融商品取引法制の課題

Ⅰ 序
 □近藤  光男 神戸大学教授

Ⅱ 企業買収規制のあり方
 □志谷  匡史 神戸大学教授

Ⅲ 虚偽記載等による損害
―不法行為損害賠償法の視点から
 □潮見  佳男 京都大学教授

Ⅳ インサイダー取引規制のあり方
 □前田  雅弘 京都大学教授

Ⅴ 業際規制
―銀行・証券の分離規制を中心に
 □川口  恭弘 同志社大学教授

Ⅵ 投資者保護のための法執行
 □黒沼  悦郎 早稲田大学教授


今年の私法学会シンポジウム。商法部門。

法制審議会では債権法改正が議論されていますが、商法学会でも商法の改正が議論されるようです。


NBL935号

http://www.shojihomu.co.jp/nbl/nbl100815.html


日本私法学会シンポジウム資料


商法の改正
シンポジウムの目的
東京大学教授 神田秀樹
報告Ⅰ 総論:商法総則・商行為法の現状と未来
東京大学教授 藤田友敬
報告Ⅱ 商法総則――商号・営業譲渡・商業使用人を中心に
学習院大学准教授 後藤 元
報告Ⅲ 交互計算・匿名組合――商行為法と金融法の交錯
東京大学教授 神作裕之
報告Ⅳ 代理商・仲立人・問屋――取引仲介業の規整
京都大学教授 洲崎博史
報告Ⅴ 運送営業・倉庫営業・場屋営業
東京大学教授 山下友信
研究Ⅰ フランスにおける「商法典」
流通経済大学専任講師 笹岡愛美
研究Ⅱ フランス商法典の概観――日本商法典と比較して
上智大学准教授 松井智予


法学セミナーは有名な法律学習者向け雑誌ですが、法学教室に比べると、定期的に読んでいる人は少ないかも知れません。しかし、今号は法曹を目指す人(要は新司法試験=司法研修所入所試験、予備試験=司法研修所入所試験資格取得試験の合格を目指す人)に有益な記事が多くみられます。


法学セミナー669号

http://nippyo.co.jp/magazine/5398.html


その中の


○憲法 解釈論の応用と展開 30 総合演習(4)……宍戸常寿

答案作成上の注意
○会社法入門――市民・消費者の視点から考える 24……上柳敏郎
法律実務能力とその学修――知識と解釈適用力(個別と全体)


が有益です。

特に宍戸先生の記事は、かなり踏み込んだアドバイスがあり、かなり有益なものだと思います。


宍戸先生の記事から引用。

「事案の解決と関連しない論点を答案で捨てる、『書くかどうか』ではなく『書かないかどうか』を判断することは、答案作成上の重要なスキルの一つです。皆さんには、論点を捨てることは勿体ないどころか、清水の舞台から飛び降りろと宣告された気持ちかもしれません。しかしこのスキルは、事案に即して問題を分析する実力が姿を変えたものでしかなく、逆に論点落ちが怖いからとにかく全部書くというのは、実力不足を自白することにほかなりません。皆さんも日頃の学習で意識的な訓練を重ねていれば、いざという場合に躊躇い(ためらい-ESP補足)なく正しい『見切り』ができるはずです」(宍戸・前掲62頁)


(追記:ESP)

※当初「躊躇いなく」と読んだとき、「躊躇なく(ちゅうちょなく)」の間違いでは?(すなわち、「い」の部分が不要)と思っており、そのことをblog上に書いておりました。しかしその後、コメント欄を含め、数人の方からご指摘をいただき、「躊躇い」は、「ためらい」と読むことができるので、間違いではないとのご指摘を受けました。調べたところ、その通りであります。私のミスについてお詫びすると共に、ご指摘に感謝申し上げ、上記の通り訂正いたします。また宍戸先生や法学セミナー編集部にあらぬ疑いをかけてしまったこともお詫びします。


ただ、法科大学院の先生や弁護士をはじめたとした課外講座の講師の中には、考えられる論点の記述を全て求めたり、論点がいくつ拾えたかで採点基準を設定する方もいるようです。法科大学院生、受験生が「論点落ちが心配だ」と思うのは、ある日突然、受験生が勝手に思うのではなく、どこかでそういう指導をされたからだと思います。私は新司法試験の問題、出題趣旨等を見る限り、宍戸先生の見解の方が妥当だと思います。もちろん、問題文からあり得ない論点を書くことを推奨したり、また、絶対に落としてはならない論点を落としても大丈夫、というわけではありません。


上柳先生の記事から引用。

「事例演習教材も各法科大学院で開発され、公刊されているものもある。本連載もその一端とも言える。ただし、いずれも、設例はそう長いものではなく、事案分析や法律の解釈適用力を本格的に試すという意味では、新司法試験の問題が、まずは手がかりとなると思う」((上柳・前掲99頁))

※強調、アンダーラインはESP。


当たり前のようで、意外に意識されていないことを指摘しています。新司法試験の競争激化から、法科大学院では自主ゼミや、弁護士等による課外ゼミが頻繁に開かれているようですが、そこでの素材は何故か旧試験だったり、市販されている演習書(予備校が出しているものも含む)のようです。しかし、新司法試験を受験する人は、やはり、まずは新司法試験の問題を丹念に分析することが必要のように思います。研究者個人や予備校等がどんなに力を入れても、新司法試験に勝る問題を作るのは至難です。なぜなら、新司法試験は膨大な国家予算をかけられ、日本でトップクラスの研究者、実務家が丹念に練り上げた問題だからです。古くさい言い方をすれば、「国家の威信」をかけた問題であります。また、新司法試験には、法曹になる人に対して、「司法研修所に入ろうというのであれば、これくらいは分かって欲しい」というメッセージも込められています(だから、本試験では、同じことが繰り返し聞かれることがあります。これは、試験委員の怠惰ではなく、重要だから繰り返し出題されているわけです)。また、国家予算がかけられ、トップクラスの研究者・実務家が作っているという点では、旧試験も同じですが、やはり新旧では制度は異なります。新試験を受験する人は、新試験を受験する以上、まずは新試験を先に検討すべきだと思います。


新司法試験の問題をみないまま、受験勉強をするのは、地図をみないまま登山をするようにものだと思います。現に、法科大学院発足数年間、法科大学院や法科大学院生が苦労したのは、新司法試験という(1つの)ゴールが見えにくかったために、どこを目指して良いか分からなかったところにあると思います。


はっきり言えば、新司法試験の受験を考える立場にある人は、初学者を含めて、1日も早く新司法試験をみるべきだと思います。もちろん、初学者レベルの人(具体的には、未修の1年生など)が最初から解ける必要はありません。解く理由は、問題がどんなものなのか見て、これを解けるためには、どういう能力が求められているのか、を自分で考えるためです。登山に例えれば、入山前のガイダンス作業のようなものです。その上で、ゴールに向かってどのようなルートをたどるべきかなどの「戦略」を立てるわけです。やみくもに旧試験や演習書の問題を解くより、新試験をみてから、旧試験や各種演習書の使えるところを使おうと思った方が、吸収の仕方も変わってくるのではないでしょうか。自分もそうだったのですが、初学者の特徴は、何が大事で何が大事でないかが分からないことです。しかも、それぞれの条文を見ても、「ここが大事ですよ」とは書いてくれていません。しかし、新試験の問題を検討すれば、新試験的にどの辺が重要か、メリハリが見えてくると思います(※)。そして極端なことを言えば、新試験の問題をみて、自分には絶対無理だと思えば、とっとと撤退する手がかりになります。


※なお、第5回新司法試験公法系第2問から、「過去問には住民訴訟は出ていないではないか」との指摘はあるかもしれません。しかし、短答問題を含めると、過去に住民訴訟は出ています。現に(比較的多数の)受験生を驚かせた、1回目民事系第2問(大大問)の「動産・債権譲渡特例法」に関する出題についての批判について、試験委員は「サンプル問題の短答で出しているので、予告済みだ」という趣旨の反論をヒアリングでしています。


「新司法試験の検討なんか、すぐに終わってしまう」と思うかも知れません。しかし、よくよく考え見ると、新司法試験の論文だけでも過去5回分、プレテスト、サンプル問題を入れれば、7回分の蓄積があります。選択科目を入れれば8科目で(ただし大大問を1問とすると1回につき7問)、1回につき7問×7回分=49問の素材があります。1日1問としても、49日かかる計算であり、それに出題趣旨、採点実感、ヒアリング等の分析を加えると、軽く1日を越えるのではないでしょうか。それに短答式試験もありますから、新司法試験の分析だけでかなりの時間がかかると思います。


ここ数年の動きを見ていると、新司法試験実施当局が過去に例がない長文の出題趣旨、採点実感、ヒアリングを出しているにも関わらず、それを丹念に分析して、新司法試験実施当局のメッセージを正しく読み取る作業は意外に行われていないように思います。一例を出して申し訳ありませんが、法学セミナーは新司法試験解説の速報性にウエイトを置いてはいるのですが、出題趣旨、採点実感が出た後に、それを分析することはしていません。法科大学院でも、新試験の解説はされていても、出題趣旨、採点実感を丹念に読み、分析する機会はあまりないのではないでしょうか(しているところがあればすいません)。こういう現状である以上、受験生の側が自分たちでしていくことが求められているように思います。

旧司法試験は実は子細に制度を見ると、一次試験と二次試験がありました。制度上は一次試験を受験・合格し、二次試験を受験・合格するルートが想定されているのですが、実際には多くの人が一次試験を免除されます。というのは、一次試験の免除要件は、大学卒業(学部問わず)していること、または、大学に在学生でも、受験時において大学2年以上在学し、法律科目以外(いわゆる教養科目等)の科目を一定単位以上取得している者(取得していれば良いので、不合格にならなければよい)、というものであり、一次試験免除のハードルは低いものでした(とは行っても、受験勉強のやり過ぎで、教養科目等を落としてしまい、受験資格に該当しなかったというケースもあり)。ですから、ほとんどの人が一次試験免除を受けているわけで、旧司法試験というのは、実質的には二次試験のことを指し、この免除要件から、司法試験を目指す法学部生は、学部3年生から受験するのが通例でした。


では、2011年度からはじまる「予備試験」の受験資格はどうなるのでしょうか?


調べてみると、受験資格に制限はない、とのことです。


参考ページ

新しい司法試験制度に関するQ&A(法務省)

http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/shiken_shinqa.html#15


ということは、旧試験の短答式試験とは異なり、学部1年生から受験することができます。もっと言えば、制度上は、中学生・高校生が受験することも可能です。


予備試験の問題、合格率、予備試験ルートの新司法試験合格率はどうなるか分からないので、法科大学院には絶対に行けない(行きたくない)人を除いて、法曹を目指そうとする人が、今から予備試験ルートのみに限定することはおすすめしません。


しかし、今後は法学部生をはじめとして、大学在学中(現実的には学部2年生ないし3年生から)に予備試験を受験することはあり得ると思います。そして、在学中に予備試験の結果が出なければ、最終学年時に法科大学院に入学試験を受験するというルートが、今後多くなってくると思われます。なお、予備試験の受験歴は、新司法試験の受験制限に一切影響を及ぼしません。


もっと言えば、予備試験に向けた勉強は、新司法試験対策にもつながりますから、特段の事情がない限り、学部在学中は予備試験合格を1つの目標に設定するのは薦められる戦略かも知れません。また、法科大学院によっては、予備試験の短答合格をプラスに評価するところもあるかもしれません(現に法科大学院入試において、旧司法試験の短答式合格を、プラスに評価していた法科大学院もありました)。


ただし、法科大学院入試には、適性試験もあるので、法律さえやっていれば、法科大学院入試は楽勝、とは言い切れません。旧試験や日弁連法務研究財団の法学検定・既修者認定試験を一切評価しない法科大学院もあります。新司法試験において高い合格率を誇っている一橋大学法科大学院の入試においては、既修者試験でも、適性試験・外国語能力のみの一次選抜が実施され、法律以外の能力も求められています。既修者試験の入試ですから、未修者コースと比べて高い点数が求められているわけではないと思いますが、一橋大学クラスになれば、高くないとしても、やはり相応の点数が必要でしょう。


参考ページ

平成23(2011)年度一橋大学法科大学院学生募集について(一橋大学法科大学院)

http://law.hit-u.ac.jp/home/lawschool/tabid/285/Default.aspx


予備試験の開始により、司法試験(司法研修所入所試験)制度は、また1つの変動を迎えることは事実です。法学部1年生、2年生で法曹を目指そうと思っている人は、予備試験の動向も一応見ておくことをおすすめします。


昨年は社会的地位のある人による薬物事件が目立ちましたが、最近は社会的に地位のある人による、飲酒運転が目立つように思います。


飲酒ひき逃げ:容疑で30歳の弁護士逮捕--警視庁(毎日jp)

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100819ddm041040087000c.html


ちょっと前では、こういう事件も。


酒気帯び運転容疑:森元首相の長男逮捕 店に突っ込み発覚(毎日jp)

http://mainichi.jp/photo/news/20100808k0000m040018000c.html


しかし、昔であれば、2つの事件共に、「見えない力」が働いて、もみ消し、報道統制ができていたのかもしれませんが、今はそうではなくなったのだなと思います。この点では社会が健全になっていることの証左でしょう。


鈴木弁護士のケースについては、検察官と一緒に出頭したのは気になります。ここからは推測の域を超えませんが、検察官と出頭すれば、警察当局も遠慮して、逮捕されることなく穏便に済まされるのでは、という「期待」があったのであれば、とんでもないことです。そうでないことを祈りたいばかりです。


鈴木弁護士のケースは、逃げなければ資格喪失までは行かなかったとのでは、指摘 もあります。確かにその通りかも知れません。しかし、本件はひき逃げ事案であり、かつ、飲酒運転、人身事故(幸い、死者は出ていません)であること、さらには飲酒運転の重罰化、国民の規範意識の変化からすれば、鈴木弁護士の除名処分(弁護士資格喪失)は免れないように思います。仮に一般企業であれば懲戒免職、公務員の世界でも懲戒免職の可能性が高いでしょう。


今後の刑事処分や裁判において、鈴木弁護士の法曹としての社会への貢献、反省の度合、被害者の処罰感情、更正可能性が加味されることはあると思います(これは通常の事件でも同じでしょう)。しかし、法曹の一翼を担っている弁護士であるというだけで、一般市民より軽い刑を受けたり、「見えない力」が働いて、刑事処分が甘くなるということがあれば、弁護士に「特権」を認めることであり、国民一般、特に被害者には納得のいかない結末になります。そのようなことは決してあってはならないことです。


最初は何のことかと思いましたが・・・。


国選弁護制度:「ゼロ接見」実態調査 日弁連(毎日jp)

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100819k0000m040133000c.html


記事にも指摘されているように、「接見しない=任務懈怠」とは必ずしも言えません。だからといって、件数からすると、全てが接見しないことに正当性があるとも思えません。


弁護士会は今、「司法修習生は未来の『権利の担い手』。だから、給費制の維持を」と訴えていますが、仮に接見をしないで済まそうとする弁護人が散見されるのであれば、国民からは、「なんだ、権利の担い手ではないではないか」と反発を受けることでしょう。日弁連は実態調査の上、悪質なケースについては、懲戒処分など厳しい対応をすべきだと思われます。