自らが走った4レーンのフィニッシュラインに歩み寄ると、ウサイン・ボルト(30)=ジャマイカ=はひざまずき、トラックに感謝の口づけをした。
ロンドンで5日夜(日本時間6日早朝)、開催された世界陸上選手権男子100メートル決勝。天に弓を引くような、おなじみの「ライトニング・ボルト」ポーズに降り注ぐ観客の拍手は、いつもと少し違っていた。興奮というよりねぎらい。「あなたはチャンピオンだ」と称える温かい響きだった。
人類最速スプリンターの最後の100メートルは9秒95で、ガトリン、コールマン(ともに米国)に先着を許しての3位。「うれしくはないよ。誰にも負けたくないから。でも、ベストを尽くしたから仕方ない」
レース後、最も喝采を浴びた“主役”は、優勝したガトリンではなくボルトだった。(引用)