世界中で猛威をふるう新型コロナウィルス。
感染者、死亡者、そしてそのご家族、友人の皆さまはもちろん、生活面、経済面を含めると、きっと世界中の誰もが被害者。
命があること、顔を覆うことなく外出できること、何かに触れることに恐怖心を持たなくていいこと、これまでどれだけ幸せな人生を歩んできたのかを痛いほど感じています。
みんな外に出たい気持ちは同じ。
A cartoon by Danny Shanahan posted on ☆
2年前の秋、大学時代の友人から久しぶりに連絡をもらいました。
「私、ついに留学することにした!」という決意の連絡でした。
学生の頃から英語を話すこと、そして海外留学に憧れていた彼女。でもいろんな意味で遠い目標のような、自分には実現できなそうな気がしていたそうです。
私の留学時代の体験談を、いつも目を輝かせながら聞いてくれたのを覚えています。
そんな彼女の一大決心。とても嬉しい報告でした。
それから、日中は正社員の仕事、夜間は飲食店でアルバイトをしながら留学費用を貯めた2年間。
どの国がいいか、この語学学校はどうか、留学エージェントはここに決めた、留学中はどんな心構えが必要か、出発前にどんなことを勉強したらいいか等も話し合いました。
行き先はずっと行きたかったというロンドン
Photo by ☆
2月末渡航の際は、ちょうどイタリアでの感染者数が日々増えてきた時でしたが、まさかその後にあのような展開になるとは思っていなかった…。
渡航前は緊張と不安と焦りでいっぱいだった彼女が、到着後にすぐにメッセージをくれました。
なんだかとっても楽しい!
バスに乗ること、電車のプラットフォームを誰かに聞くこと、定期を買うこと、とにかく全てが新鮮。
イギリスで生活するという夢が実現したことを実感したようで、とても幸せそうな様子。
語学学校のクラスが少し難しい、レベルを変えてもらおうかどうしようか…と悩んだり、
いろんな国から来ているクラスメイトと仲良くなれた!と喜んだり、
相手にうまく気持ちを伝えられずに悔しい思いをして涙したり、
最初の2週間だけでも数多くの体験談が送られてきました。
しかし、その間にヨーロッパでの新型コロナウィルスの感染者数、死亡者数が急増。
彼女がロンドンに到着した日から3週間後、ついにロンドンも都市封鎖となりました。
20年以上思い続けた夢、夢を目標へ切り替えた決断、寝る間を惜しんで目標に向かった2年間…。
すべてが突然消えてしまったかのような…誰のせいでもなく、そしてどうすることもできない現状。
彼女が感じている悔しさ、切なさを考えると本当に胸が痛かった。
せめて当初の予定だった5月中旬までイギリスに残りたいという想いもありましたが、安全面のことを考え、泣く泣く(本当に帰りのフライトで涙が止まらなかったそうです)帰国。
そんな彼女が予定より短くなってしまったけれど、留学中に学んだこと。
自分の意志を伝えること(自己主張)の大切さ
彼女が、クラスメイトとの会話の中で、自分が言いたいことがうまく伝わらず、歯がゆさもあって、なんとなく曖昧に会話を終わらせようとした時に、相手が「大丈夫。ちゃんと聞いているから。言いたいことを言えるまで頑張って。」と言われたそうです。
時に美徳ともされる日本の「本音と建て前を使いわける」という文化、は英語圏の文化には存在しません。
これは、欧米文化が、ただ単にYesかNoをはっきりさせなくてはいけないというわけではなく、自分が何を考えていて、どんな意見を持っているのかを自覚し、それを発信する能力が問われるという意味です。
相手が何を考え、思っているのかをしっかり理解し、それに対して自分の考え、思いを返す。この真摯なコミュニケーションが欧米文化には根付いていると思います。
中断せざるを得なかった留学。
でも、彼女が今回留学という夢を成し遂げたこと、留学中に抱いた様々な感情、体験を通して学んだことは、必ず今後の人生に大きな影響を与えて、いろんな可能性に繋がっていくだろうと信じています。
Hiromi

