「わたしの好きな詩」について、自由に語り合いましょう


詩を読む会を続けています。
語呂がいいので「現代詩」と銘打っていますが、「現代詩」の定義もあいまいですし、広めにとっていきましょう。
今回は好きな詩を持ち寄り、自由に語り合おうという会の2回目です。前回は、津村信夫、石原吉郎、清水哲男、黒田喜夫、マーサ・ナカムラ、季村敏夫、寺山修司、草野理恵子…と、多彩な詩人について語り合うことができました。
もうすぐ昭和100年。近現代詩の魅力をたっぷり語り合いましょう。


2024年5月11日(土)13:30~16:00
(入退場自由)

西宮市大学交流センター セミナー室2
(阪急西宮北口駅直結アクタ西宮東館6階)

参加費:800円(定員:現地10人・Zoomでも開催)
お申込み・問合せ:poetry.hanshin@gmail.com
(Zoom参加の場合お申込み後にID等ご連絡します)

https://teket.jp/6469/34117 (クレジット対応)

【準備していただくこと】
お好きな詩を1~2編選んで、作者・作品名を参加申込の際にお知らせください。(作品のテキストやページを撮った画像の提供をお願いすることもあります)
もちろん「当日決めるから空欄で!」もありです。
当日参加も大歓迎です。

【ナビゲーター】
■上念省三 神戸女学院大学などの非常勤講師。舞台芸術評論。国際演劇評論家協会関西支部長。若い頃短期間「現代詩手帖」の編集部に勤務
■シーレ布施 大学院生。詩とキルケゴール研究。第一詩集『ネオの詩-やさしいこえ-』(Amazonで販売中)。日本現代詩人会2022年第6回現代詩投稿欄新人に選出。第16回「文芸思潮」現代詩賞優秀賞受賞


後援:西宮市
 

 2024年3月27日に、「現代詩を読む会」(6)を開催しました。
 第一部は「シュルレアリスムの詩」と題して、上念が資料に即して説明。巌谷國士氏の事典や『シュルレアリスムとは何か』の記述、またブルトンの「宣言」、瀧口修造の「シュルレアリスムの詩論に就て」などを参照しながら、用語、現実への見方、ダダイスムとの関係についてなどの大まかなところを説明した後、西脇順三郎「天気」「世界開闢説」、瀧口修造「絶対への接吻」「妖精の距離」(写真)などの詩を読んで、言葉のイメージの反発と共鳴、ディペイズマン(意外な組み合わせによって、受け手に強い衝撃を与える手法)について略説しました。


 その後、北園克衛に続き山中散生(下写真は詩集の復刻版)の活動と作品を紹介。ほとんど忘れられた存在ですが、瀧口と共にシュルレアリストとして世界的な同時性を持った数少ない詩人でした。

 最後に、オートマティスム(自動筆記)について、ブルトンの言葉や巌谷氏の解説を基に説明し、いくつかの作品を読みました。
 ディペイズマンの組み合わせが、どの程度計算されているのかはわからないものの、それによって生じる感興(のようなもの)の質については、享受者に任されているのかどうか、それはシュルレアリスム特有の技法なのか、といった質疑もあり、短時間でしたが、盛りだくさんで充実した会になりました。

 後半は、和合亮一氏の『such and such』(思潮社、2023)の数編を読みました。詩集を未見の人もいたのですが、終了後ぜひ入手精読したいとの声が上がり、その魅力を分け持つことができたようです。

 水のイメージが頻出することから、やはり東日本大震災の津波からもたらされた衝撃が編成されている言葉なのだろうという前提から読み進んでいきましたが、あまりそのことばかりに引きずられてしまうこと、また読み手に現実に対する当事者性を強いることの危険性の指摘があり、言葉と現実との距離の取り方、想像力の方向について、読む側の立脚点の難しさ、などについて深く考えさせられる結果となったように思います。
 前半のオートマティスムについての略説から、和合氏がオートマティスム的手法をとっていると言明していることにもふれ、言葉があふれ出てくる状態、その状態に追い込まれること、またオートマティックな言語表出の過程に推敲といった作業はありうるのかどうか(シュルレアリスムにおいては、スーポーが特にそれを否定したそうです)、されば和合氏の詩の言語はどのようにして詩的であるのかということなど、表現の深い問題に立ち入る戸羽口にも立てたように思います。
 個人的にはこれまであまり読み込めていなかった和合氏の作品に強い同調感を持つことができ、大変有意義だったと思います。

全体に、非常に濃密な読みのできた会だったように思えました。

現代詩を読む会(6)
①シュルレアリスムの詩
②和合亮一『such and such』を読む

詩を読む会を続けています。
6回目も、2本立てです。① シュルレアリスムの詩、② 和合亮一『such and such』(思潮社、2023)。
①では、ヨーロッパのシュルレアリスム運動に並走した山中散生(上写真、『山中散生詩集 火串戯』1935年の復刻版)、瀧口修造を中心に、日本のシュルレアリスム詩を紹介します。
②は、「オートマティズムの限界を超え、幾層もの次元をしなやかに飛翔する、言語の新世界」と称される、最新作(下写真)。


 

難解と言われがちな現代詩ですが、同じ時代を生き、同じ場所で暮らす詩人の
言葉に耳を傾け、お互いの思い感じるところをわかちあいましょう。

2024年3月27日(水)
①13:30~14:15(担当:上念)
②14:30~16:00(担当:シーレ布施)
西宮市大学交流センター セミナー室1
参加費:800円(定員10人)
お申込み・問合せ:poetry.hanshin@gmail.com
(Zoom配信も行ないます、お問合せ下さい)

【準備していただくこと】
①特にありません。手ぶらでお越しください
②できれば同詩集(思潮社刊、2,420円)をお読みの上お越しください。
手ぶらで、傍聴的な感じのご参加も歓迎です。

【進め方】
① 講義形式。時間の余裕があれば参加者のご意見、感想を伺いながら進める
② 自己紹介・近況報告のあと、詩集の中から魅かれた言葉・作品1,2編について、
お話しいただきます(作品が重なっていてもかまいません)
2.他の参加者からもコメントをいただきます
3.全員から今日の感想をいただきながら、自由にお話ししていきましょう

【ナビゲーター】
■上念省三 神戸女学院大学などの非常勤講師。舞台芸術評論。国際演劇評論家協会関西支部長。若い頃短期間「現代詩手帖」の編集部に勤務
■シーレ布施 大学院生。詩とキルケゴール研究。第一詩集『ネオの詩-やさしいこえ-』。日本現代詩人会2022年第6回現代詩投稿欄新人に選出。第16回「文芸思潮」現代詩賞優秀賞受賞


後援:西宮市

 

 詩集の入手はなかなか難しいものですが(本屋にないとか、高いとか…)、次回読書会で扱う杉本さんの「皆神山」は、萩原朔太郎賞を受けているので、「新潮」11月号に選評とともに、作品が数編掲載されています。なかなか太っ腹です笑


 「新潮」なら、図書館で置いているところも多いと思うので、ぜひご覧ください。西宮市立図書館では、中央図書館、北口図書館、鳴尾図書館、北部図書館、越木岩分室、若竹分室、段上分室、上ケ原分室、甲東園分室、高須分室、山口分室、で所蔵、貸出可能のようです。

 


 選評も、「世界をむしろ弾き返すような高質な言語」(松浦寿輝)とか、「慟哭のあとに広がる境地」(日和聡子)とか、「開き直った言葉に、すべての意味は宙吊りにされる」(建畠晢)とか、面白いです。