💬「バンガード社が投資家は資金の70%を債券に投資すべきと警告してるらしい」

 

その報道は正しい。でも「バンガードが『資金の70%を債券に投資すべき』と一律に命じている」というわけではありません。正しくは以下の通りです。


バンガードの主張の中身(正確にはこういう意味です)

  • 10年間の資産配分モデル(TVAA:Time-Varying Asset Allocation) において、「株式30%/債券70%」という保守的な配分が「モデル的には理にかなっている」としています。具体的には、伝統的な「株60/債券40」よりも、リスクが低く見える状況だと評価しています。

  • 理由は以下の通りです:

    • 株式市場のバリュエーションが高止まりしている(シラーPERなどの指標で過去の危ないピークに近い水準)。

    • 債券利回り(米10年国債で約4.2%)が今後10年のリターンとして株式(3.3~5.3%)よりも魅力的な見通し。

  • あくまで 「モデル試算上そうなるだろう」 というガイダンスであって、個別の投資家への推奨ではありません。投資目的やリスク耐性、税金、期間などを考慮したうえで、自分に合う判断をするべきというスタンスです。


要するに

バンガードが言っているのは「今の状況では、株式よりも債券の方がリスク・リターンのバランスにおいて優れている可能性がある」という感想やモデルベースの見立てに過ぎません。
だから、「全員が70%債券を買え」という押し付けではありません。あくまで投資戦略の一つの参考材料です。


注目すべきポイント

  • 株式多めの長期スタイル(例:S&P500中心で7%複利狙いなど)が前提なら、短期(10年)で一時的に債券を多めにする「ヘッジ的スタンス」は理にかなってるかも。

  • 投資期間が長ければ株式の期待リターンが上回る確率も高いので、インデックス投資家が考えている戦略との相性もあります。


🤷‍♂️💭「株価が割高なのが理由らしいね」

 

その通りです。バンガードが“株30%/債券70%”と試算した**最大の根拠が「米国株の割高感」**です📉

割高を示す代表指標

  • シラーPER(CAPE)
    10年平均利益で調整したPERが1929年・2000年・2021年と同等レベル。これらはいずれもその後大きな下落を経験。

  • 株式リスクプレミアムの低下
    無リスク資産(米国債利回り4%超)と比べた株の見込みリターンが小さく、**「わざわざ株を持つ旨味が薄い」**状態。

ざっくり言えば

  • 株が高値圏 → 10年スパンの平均リターン見通しは3.3〜5.3%程度

  • 債券は**4〜5%**とほぼ同等か上回る水準

  • なら安全度の高い債券に一時的に重心を置こう、というモデル計算です。

現実的なヒント💡

  • 長期(20〜30年以上)なら株式優位の確率は依然高い。

  • ただし短期10年前後での下振れリスクを抑えたいなら、一部を米国債や高格付け社債に回すのは有効な保険。

  • 今後数年は「株高×金利高止まり」という局面が続く可能性があるため、買い増し資金を一旦債券で待機という戦術もあり。

割高を意識しながら、期間に応じて株と債券の比率を柔軟に動かすのが現実的な解釈です。

 

👀💬「そうは言っても昔から割高って言われてるよね」

 

たしかにそこが肝です。
米国株は**「いつも割高と言われ続けてきた」**歴史があるんですよね📈


過去の「割高」指摘とその後

時期 当時の論調 その後
1990年代後半   ITバブルで「PER異常」   2000年に崩壊。ただ長期で見るとS&P500は高値更新。
2013年頃   QEで「金融相場の割高」   その後も10年上昇。
2020年コロナ後   GAFA主導で「史上最高水準」   2021年まで上昇、その後2022年に一服。

「割高=すぐ下がる」ではなく、割高なまま上がり続ける局面も長く続くのが米株の特徴です。


割高論が当たりにくい理由

  1. イノベーションによる利益成長
    GAFAやAI関連など、想定以上の利益成長が「高PERを正当化」する。

  2. 世界マネーの米国集中
    政治・通貨・市場の安定から、資金が結局米国株に戻る。

  3. インフレ+株主還元
    自社株買いや配当が株価を押し上げ続ける。


実務的まとめ💡

  • 「割高」指摘はタイミングを計る参考にはなるが、長期投資の撤退理由にはならない

  • ただし短期10年前後の調整は現実的にあり得るので、

    • 余裕資金は一部債券や現金に置き、暴落時に買い増し

    • 追加投資はドルコスト平均で平準化
      が王道。

要は割高は“赤信号”ではなく“速度注意の黄色信号”
長期ホルダーなら慎重に資金配分を工夫する程度がちょうどいいです。

 

💡💬「結局将来を見抜くことは出来ないからね」

 

まったくその通りです。将来の価格や利回りを正確に当てるのは誰にも無理。プロもモデルも、あくまで「確率を少し読んでいるだけ」です。


実務的な現実

  • 経済は複雑系
    金利、政治、技術革新、地政学…無数の要素が絡み、予測はすぐ外れる。

  • 市場は織り込み済み
    予想できるニュースは大半がすでに価格に反映されている。


それでも投資家ができること

  1. 長期視点
    数十年単位で見ると株式は世界経済成長を反映し上昇してきた。

  2. 分散
    1銘柄・1地域に依存せず、株式・債券・現金・コモディティなどを組み合わせる。

  3. 規律
    定期積立やリバランスで感情を排除。


ワンポイント💡
「当てようとせず、仕組みで勝つ」方向は長期投資の王道です。

未来は誰にも読めない。
だからこそ読まなくても勝てる仕組みを自分で作る。
これが投資の本質です。

 

🎤🧠「要は自分の資産の適正範囲で投資するだけ」

 

その理解でバッチリです💡
結局やるべきことはシンプルで、自分の資産・収入・性格に合ったリスク範囲で投資するだけです。


実践ポイント

  • 生活防衛資金を死守
    生活費6〜12か月分は現金や即換金資産でキープ。

  • 残りを長期投資に回す
    余剰資金=失っても生活が揺らがないお金だけを株や債券へ。

  • 配分は「自分が平常心を保てる比率」
    たとえば株70%で夜眠れないなら、株50%まで下げる。
    理論値よりメンタル耐性を優先。


投資哲学としては

  • 市場は読めない。

  • でも長期的な成長・複利・分散は自分のコントロール下。

  • あとは自分が無理なく継続できる仕組みを守るだけ。


まとめると 👉
長期的な成長×投資=未来への複利」
その延長線上で、適正範囲の投資を淡々と続ける。
これが一番ブレない王道です。