星守る犬
小学生の女の子「みくちゃん」によって拾われ、「おとうさん」の家の飼い犬となった「ハッピー」の視点で描かれている物語。
「みくちゃん」が成長して素行が悪くなった頃、病を患って仕事を失い、妻に離婚を切りだされ、家族と住む家も失った「おとうさん」(仮名:前田義男[4])が、自分の元に唯一残った愛犬ハッピーと共に旅に出、死ぬまでのさまを描いた作品。
日輪草
とある町にケースワーカーとして勤める「奥津京介」が、業務で取り扱うことになった行旅死亡人として発見された「おとうさん」の遺体の傍らに、共に死んでいた犬がいたことに興味をおぼえ、わずかな手掛かりを元におとうさんの身元と死ぬまでの道行を調べようとする話。
奥津が過去に飼っていた犬の思い出を交えて描かれている。
双子星
ハッピーの弟犬「チビ」が、今まで人に頼る事を拒んできた独り暮らしのおばあさん「長野さん」に拾われ、チビの心臓の病の手術・回復と共に、おばあさんが世間との関わりを取り戻していく物語。
一等星
「おとうさん」から財布を盗んで逃げた家出少年「川村哲男」の幼少期からおとうさんとの出会い、その後北海道の祖父の家に帰り、祖父とともにお詫びの旅に出る物語。
その旅の途中で哲男はパグ犬「ハッピー」や「長野さん」に出会い、「チビ」は哲男に「ハッピー」と間違われる。
星守る犬/エピローグ
単行本・描き下ろし
「長野さん」と「チビ」がおとうさんの娘「みくちゃん」と「おかあさん」(おとうさんの元妻)に出会う話。ふたりは「おとうさん」と「ハッピー」の行方を知らず、この時もチビはみくちゃんに「ハッピー」と間違われる。