Oside
「はい、また一気飲みすんなよ…?」
?「大丈夫ですよ、僕だって自分の体質くらいちゃんとわかってますから」
「……」
おじさんの表情は曇っていた。
だが、青年はそんなおじさんをよそに、ゴクンゴクンと酒を体内に流していく。
?「おじさん…もう一杯」
「・・・あいよ」
俺はこの空気に耐えられなくなって、こっそりおじさんに聞いた。
O「ねぇ、あの子ってよく来るんですか?」
「あぁ、先月くらいから週に何回か…」
O「へぇ… でも、あの子って未成年じゃないんですか?」
見るからに恰好が制服だし… いや、スーツかな?
いずれにしろ、彼は17歳くらいに見える。
「おじちゃんもそう思うんだけどよぉ、何度聞いても24だってきかねぇんだ」
O「24…!?」
嘘だろ…?全然24には見えない… どう見ても学生だ…
O「・・・名前は?」
あ、俺何聞いてんだ…
「確か… ニノミヤっていったっけか」
O「二宮…?」
俺はちらっと左を見た。
彼は視線に気づいたのか、こっちを見た。でも、すぐ逸らされてしまった。
N「おじさん…お酒は…?」
むすっとした表情で軽くおじさんを睨む彼。
「あぁーはいはい」
そりゃぁおじさんも心配だろうなー… 犯罪になっちゃうかもしれないし…
彼はもらった酒を10数秒で飲みほし、適当に2000円を置いて店を出ていこうとした。
「ちょ、お兄ちゃん!おつりはー!?」
おじさんの声もむなしく、彼はフラフラと出ていってしまった。
「大丈夫かね… この前車道で倒れたばっかなのに…」
O「えっ… 本当ですか?」
車道に倒れる…? 下手したら死ぬじゃん…
「そうなんだよー 顔真っ赤にして帰っていったから、心配になってついていったら急に車道の方に倒れて… すぐ引っ張り出したからよかったけどよぉ」
マジかよ… さっきも結構目がトロンとしてたけど…
「ちゃんと帰れてんのかー…?」
まるで孫を思う祖父のような顔だった。その顔に、俺まで心配になってきた。
O「・・・おじさん、俺ちょっと見てきますね」
適当に1000円カウンターに置いて、夢中で駆出した。
後ろでおじさんが何か言ってるような気がしたけど、お構いなしに走り続けた。
・・・なんで俺、初めて会った話したこともない二宮っていうやつを心配してるんだ?
厄介事は嫌いなのに…
頭にハテナを浮かべながらも、暗い夜道を少ない街灯を頼りに、彼を探し続けた。