「核禁止条約」の欺瞞と現実 | 黒瀧光靖の連れ連れなるブログ

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本日はこのニュースです。


前回のニュースと若干関連があるかもしれません。



核禁止条約交渉、日本は不参加=「国際社会の分断深める」と軍縮大使―国連


時事通信

日付:2017-03-28(火)


【ニューヨーク時事】
高見沢将林軍縮会議代表部大使は27日、ニューヨークの国連本部で同日始まった核兵器を法的に禁止する条約の交渉会議で演説し、条約交渉について「国際社会の分断を一層深め、核兵器のない世界を遠ざける」と指摘した。

 その上で、「現状では交渉会議に建設的かつ誠実に参加することは困難だ」と交渉不参加を表明した。

 岸田文雄外相も28日の閣議後会見で「今後この交渉には参加しないことにした」と説明。安全保障で米国の「核の傘」に頼る一方、唯一の被爆国として核廃絶を訴えてきた日本は条約交渉への参加を見送った。

 27日午前の交渉会議は、オーストリアやコスタリカなどの代表が核兵器の非人道性や条約締結の必要性などを訴えた。これに対し、米英仏中ロなど全核保有国と、米国の同盟国の大半は欠席。さらに、ヘイリー米国連大使が約20カ国の国連大使らと共に条約に反対する声明を読み上げ、核保有国と非保有国との対立を鮮明にした。声明発表に日本は同席しなかった。

 高見沢大使は演説で、今回の条約交渉は「北朝鮮の脅威など、現実の安全保障問題の解決に結び付くとは思えない」と指摘。また、核保有国の協力の下で、廃絶につなげるプロセスが「担保されていない」と問題視した。

 被爆者を代表して参加した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)事務局次長の藤森俊希さん(72)=長野県茅野市=は記者団に対し、日本が交渉参加は困難としたことに「全く賛同できない。非常に残念だ」と反発した。』



27日、ニューヨークの国連本部で始まった核開発を法的に禁止する条約の交渉を日本は見送りました。

国際社会の分断を一層深め、核兵器のない世界を遠ざける」

私は決して「核兵器のある世界」など望んでおりません。
しかしどうであるにせよ、この条約自体が既に「欺瞞」であることは否めません。

この条約は5カ国(アメリカ・ロシア・中国・イギリス・フランス)やインド、パキスタン、北朝鮮などの核保有国は条約交渉に参加していません。

この条約に彼らが参加しない限り、何の意味もありませんし、彼らが参加するということは現実的に考えられないでしょう。
「核保有」に対しては「核保有」でしか対抗できないので…。


勿論、被害者協会の方々の「非常に残念だ」という気持ちも分かります。日本が交渉しないことへの怒りの気持ちも分かります。

しかし現実はこの条約自体「欺瞞」の塊なのです。

「この条約に日本が積極的に交渉を表明すれば、世界は核兵器を捨て、平和になる」という理想的なは絶対にありえないと思います。

更に今日本は、中国の軍事的脅威、北朝鮮の核搭載ミサイルの脅威に現実に晒されています。

そんな中、日本はアメリカの「核の傘」を頼っているという現状です。
「それでいいのか?」と言われればそれまでなのですが、アメリカがこの条約に参加しなかった「日米同盟を考えて」という発言から察するに、そう考えざるをえません。


まぁ日本が何故この会議に出席しておいて、「交渉できません」というやり方の意味はよく分かりませんが、やはり現実的に考えてこの条約の批准が核のない世界への第一歩ということはとても考えられません……。


私の見解はここまでにしておきましょう。