日本の降雨量はたいへんに多く、年平均で約一八〇〇ミリ。
世界平均が九七〇ミリグラムですから、その約二倍は降ることになります。
この雨の恵みが、南方系の植物である稲革を日本列島に根付かせる上で、たいへんに役に立ち、古代人が称賛したように、「瑞穂の国」のすばらしい水田風景を全国的に拡げることになります。
雨が多くて、湿度が高く、しかも温暖ということは、カビが発生しやすくなることを意味します。
日本人は、このカビと上手に共存してきました。
一方では、カどの害を少なくするため、清潔、通気性を重視する障子やたたみを多用する生活空間を生み出し、また一方では、そのカビを活用して発酵食品をたくさん作り、脂肪を使用しなくてもおいしいダシや調味料、酒などの食文化を築いてきたのです。