私が北京の本屋さんで買ってきたのは、小学校の英語の教科書。教員養成で定評のある清華大学の出版社から発行されています。1年生から各学年A.Bの2分冊になっています。定価6.15元。日本円で100円弱というところでしょうか。
中国の学校教育は分かりかねるのですが、英語(外国語)は小学校でも必修みたい。(どなたかご存知の方はぜひ教えてくださいね!)これに関しては推量で書いている部分も多いので、間違いはぜひ正していただけるとありがたいです。
ですが、英語に関しては間違いなく私でも判断出来ます。よくできている!!
日本では一時期、「仕分け人」なる民主党のみなさんがばっさばっさと予算の無駄に見える部分を仕分けするというのが流行りましたが、その時、日本の小学校英語で使うテキストブック「英語ノート」も存続の危機に見舞われました。辛くも生き延びた「英語ノート」。ゼロから始まる小学校英語の必修化に、内容の稚拙さはともかく、いきなり「廃止」は無責任極まる、というのが私の考えです。ですから、英語ノートのことはなるだけ擁護したい気持ちがあります。
ところでこの中国のテキストブック。小学校一年生のA巻、一番初めのテキストブックは、体の部位から動物、色、と単語単位で進んでいき、難しさは英語ノート1(日本の小学校5年生用テキストブック)と大差なし。生徒が見るページは原則英語のみの表記で、日本語での記述が目立つ英語ノートよりも英語にフォーカスが定まったもの。第一回めから、耳はear, でも両耳でears,と複数形もきちんと扱っています。これは英語ノート、完敗ですね。
幼児期ではなく学齢期になって以降に英語を勉強する際に、本当はこういう「母語に無いルール」のほうが見過ごせない「きちんと押さえるべきところ」なのですが、「楽しさ優先」で「勉強ではない」日本の小学校英語では、こまかいルールは全部無視。読み書きではなくコミュニュケーションの時間だからというので、英語での表記を極端に絞ってあります。
いくら「英語ノート擁護派」でもこれには反対。敷居を低くすれば楽しいとは限らないのが教育だと私は思います。特に、5年生や6年生ともなると、その知的水準にあったものでなければ、無邪気にはついてきてくれない年代。大人や先生が言うことに従うだけでなく、自分のアタマで考えることが一層重要になってくる年頃です。
1年生のA巻だけで35ユニットに分かれているということは、週に一度ではなく2時間ずつのレッスンがあるということでしょう。単純に時間数だけでも日本の2倍。もちろん公教育の中で、これを受けた生徒がすべてきちんと理解するということを期待するのは現実味に乏しいことですが、このテキストを見る限り、小学生の英語教育、快調に飛ばしていきます。
続きます。