私は自分の子どもも含めて、日英バイリンガルのお子さんを見てきた経験が普通の方よりあるはずなので、立場的には「早期英語教育(早期バイリンガル教育)推進派」の中でも急先鋒のほうだと思います。
もちろん、どっちつかずのバイリンガルになるくらいなら名誉ある撤退を勧める、という意味でもです。ただしこれは、現実には日本国内のみの育成歴のお子さんには関係が無いお話し。
島国という地理的な制約上、モノリンガル(母語一言語だけを話す人)の割合が多い日本国の日本人は、他の言語を話す人を見慣れていないので、どうしても「バイリンガル」=特殊な人たち、ととらえる傾向が強いようです。それはUKのいわゆるイギリス人が、多言語を話す人も多いヨーロッパの中で、ひとりモノリンガルの割合が突出して多いのと同じこと。
モノリンガルで不自由なく生活している人が、他の言語を喋りましょうとお誘いしても今一つノリが悪いのは当たり前。私だって、そうでした。
でも、赤ちゃんや子どもに英語を教えるのは日本語の発達を阻害するので有害だという意見には、私ははっきりと反対です。あえて刺激的な言葉を使わせていただけば、事実無根。バイリンガル環境のせいで日本語の発達が阻害されたお子さんを、おひとりでもご覧になってからのご意見であれば、それは拝聴いたしますが。
また、英語を聞き取る能力は赤ちゃんには無いと思っていらっしゃる方がとても多いことにびっくりします。
赤ちゃんだって、もちろん英語と日本語の違いは聴き分けています。
そうはいっても、赤ちゃんは「分かってるよー」なんて言ってくれませんから、赤ちゃんに代って、幼児並みの知性はあるはずの犬について。
私の生徒さんの中には、犬を飼っている方も多いのですが、発音矯正のレッスンを取っているときに、自宅で復習をしていると、最初はワンちゃんはびっくり!心配して吠え立てたりします。
ご主人様の様子が、いつもと明らかに違うのでびっくりしたり心配したりするのです。
でも大丈夫。しばらくすると、ご主人様がおかしくなったのではなく、いつもとちがう音をたてているだけだとワンちゃんは理解してくれます。
犬はステキな生き物ですが、犬とはくらべものにならないほど複雑に出来ている人間の赤ちゃん。日本語に絶対に無い音や抑揚を聴いて、気が付かないはずはありませんよ。
小さいお子さんには、幼児期によいたくさんの刺激を受けて、耳を閉ざすことなく自分の持っている言語のスキルを充分に発達させてほしいものです。
大人になるまで英語が大の苦手だった私でも、英語が話せるようになって良かったと本当に思うのですから。