ツアーは随時各メンバーがツイッター発信したりしていたので、楽しい写真などすでに目にした方もいらっしゃるかも。
写真を整理しながら、あれもこれも思い出されて。
整理が苦手な私は、記憶に新しい最終日からじっくりたどってみることにします。
ツアー終了後の東京への帰途。
GWに私たちのようなボランティアの移動なども重なり、東北道は車の大渋滞。
SAに向かって入り口から1キロほども車列が出来ている混雑ぶりに、ガソリンの補給と夕飯は一度高速を降りてからすますことになりました。
そうと決まって最寄りの出口。それは白石でした。この時には、まあ、偶然に近いなりゆきですよね。
そこからが、ちょっと不思議なことの始まり。
メンバーのひとり、えほんうたの音楽家 にしむらなおと さんが、白石にご縁をお持ちでした。
白石市で10年ほど前に公募があった”白石(しろいし)の子守歌”を にしむらさんがお作りになったそうです。
林真理子さんがつくった子守歌の歌詞に、曲をつけるというコンテスト。
2000件を超える応募の中からの最優秀賞ということで、受賞式には にしむらさんご本人が出席なさいました。
その時に、地元の音楽好きが集まる カフェ ミルトンというお店に行かれたそうです。
ブラジル料理店。しかもブラジルだけに固執しないごきげんな料理を出す、懐の深いお店のようですね!
記憶をたどって、にしむらさんがお店に連絡してみると。
ありました。大きなショッピングモールのすぐ裏にある、イカすたたずまいのお店です。
実はその日は、震災後初のライブをお店で開催した日。私たちが到着した時には、お客さまははけていて、ミュージシャンの方たちが楽しく過ごしていらっしゃいました。
ライブで料理がほとんど終わってしまって、と申し訳なさそうにおっしゃるミルトンのママ。
こちらこそ、こんな時間に、こんなに大勢で・・・。
ということで、キドニー豆を牛の内臓と炊いたブラジル料理をいただきました。ご飯にかけてあって、うん。美味しい!!それに、この豆を使って作った”ブラジル納豆”のオムレツにビックリ!!
今から長距離ドライブで東京へ戻るという私たちへの心遣いで、たっぷりの大盛り。そんな気が利く優しいママとマスターが居るお店。心残りは、車での移動でソフトドリンクをいただくしかなかったこと。かな?
明るい感じのミルトンのママですが、震災の後のお話は本当に本当に大変。それでも笑みを絶やさずにお話なさるようすが、なんとも素敵な女性です。今年で開業から16年になる、という着実な歩みも、この方なら納得です。
音楽好きなら知る人ぞ知るお店、カフェ ミルトン。お店の名前は、ブラジル音楽の巨星 ミルトン・ナシメント というアーティストの名前から来ています。
眠気覚ましに、とコーヒーをごちそうしてくれながら、カップもほとんど割れてしまってそろっていなくて、と照れ笑いしていらっしゃる様子に、この白石の町と一緒にお店のこれから復興していく姿が見届けたいものだ、と強く思いました。
にしむらさんは、もちろんリクエストに応えて”白石の子守歌”を披露。震災の後の痛みのために、
まるで神様が処方されたお薬のように、私には感じられました。すべてがまるで計算されていたように、それは素敵な夜でした。
お店のビジネスカードをいただいて帰ろうと思ったら、被災で全部ダメになってしまったのですって。
その代わりに、と言って、私たちひとりひとりにこんな素敵な絵はがきを下さいました。マスターの自作ですよ。

この白石の素敵なお店 カフェ ミルトンの情報はこちら。
ママのブログはこちらです。